自分勝手に感想文を

自分勝手に感想文を

2004年7月~12月

全部で43作品読みました

華の下にて  内田康夫
今回は刑事局長の弟という身分をほとんど使わずに事件を解決しているところが、よかったかなと思います。内容も華道の世界を描いた物語の割りにかなり人間くさくてね。人間関係が複雑なのがだんだん解きほぐされていく感じがよかったと思います。

英華の丘  宮城屋昌光
僕の中で中国の歴史物第3弾になりましたが、この作品はいまいちでした。なんというか社会の教科書を読んでいるようなさっかくにおちいります。そんな理由でボリュームもそこそこなのに、読み終えるのにちょっと時間がかかってしまいました。
2004年12月19日02時34分02秒

氷雪の殺人  内田康夫
久々に普通の推理小説を読みました。内田さんの作品なんで探偵役が刑事局長の弟ってことなんで、全国の事件をそのまま捜査できるのがメリットです。この話は防衛庁の巨額な汚職とそれにからむ複雑な人間模様がえがかれています。かなり読み応えもあり、良い作品に思えますが、なぜかいまいちときめかなかったんですよね。何ででしょうか?
2004年12月19日02時37分08秒

天空の舟 小説伊尹伝 上・下  宮城谷昌光
これも長かったですね。中国最古の王朝夏が滅び商へと移り変わる時代にその革命を支えた伊尹という人の物語です。主人公もたいした人物だけど、真の王とは天の声と草の声(民の声)を聞くことが出来なければ安定した国家は築けないと商の湯王に説き、その言葉に従って内政を行った湯王もまたたいした人物だと思いましたね。
2004年12月01日12時02分08秒

青雲はるかに上・下  宮城谷昌光
中国の戦国時代の立志伝です。貧乏な家に生まれながら、いつか上り詰めてやるという志を持ち続け勉強に励み、やがて花開くときが来るのです。上り詰めてからよりも、それ以前の苦労しているときの話が面白いです。はじめは人付き合いすらも理詰めでしか考えていなかった主人公が、回り道をし、無駄なことをすることで人徳を得ることが出来るようになり、そのおかげで九死に一生を得ることが出来たりと、波乱万丈の生き方でした。
志を高く持ち続け、そこに向かって努力し続けることが成功への道なんだと教えてくれている作品です。
2004年11月12日10時14分48秒

陰陽師 鳳凰の巻  夢枕獏
今回は短編集です。この作品はどうやら第4巻のようです。でも短編集なので、気にならずに読むことが出来ました。短編ということで、かなり気楽に読めます。あっさり味ですね
2004年10月31日02時00分51秒

天皇ごっこ  見沢 知廉
5章立てで、第5章以外はいらないかなって気がします。70年代、天皇を中心とし全国民が一致団結しようという革命を目指した男が、北朝鮮にスポーツイベントの際ドサクサ紛れに入ってみて、北朝鮮は革命家にとって理想的な国だと感激するはなしです。結局天皇ってなんなんだろう?となんとなく感じてしまう作品です。
2004年10月29日01時14分57秒

陰陽師 生成り姫  夢枕獏
以前映画は見ましたが、それの小説版ですね。どっちが先かは僕は知りません。この作品は映画で言うと前半の部分にあたルナ威容でした。博雅の惚れた女性が別の男に捨てられ嫉妬に狂い、鬼となってしまう話です。キョンキョンを思い出しながら読みました。
2004年10月29日01時19分00秒

さらば宇宙戦艦ヤマト  若桜木虔
前回、大和の活躍で地球滅亡の危機は去ったわけだが、1年たつとずいぶん地球も復興してきて、人々は資源の浪費をはじめ、みな平和ボケしてしまっている。そんな時古代はテレパシーで、地球に新たな危機が訪れていることを知るが、連邦会議では夢が理由では防衛隊を動かすことは出来ないとかるくあしらわれてしまう。しかも新型の戦艦が完成したのでヤマトは廃艦にするとの決定がされた。反逆の罪を覚悟に古代は大和に乗り込むと、同じ志を持った乗組員たちが続々と終結し、たった一機で旅立つ。前作よりは話も深みがあってよかったですね。最後は玉砕のような形になりますし。
これで更に続きがあるこってことを知らなければ余韻に浸れたんですがねぇ。
2004年10月22日10時53分36秒

グリーンレクイエム2  新井素子
前作の続きですが、内容は大きく変わっていて、前作が人間と人間に似た容姿をしているが、宇宙から来た植物が進化した異星人恋愛の話だったのですが、今回は残された異星人が地球上の植物はただ犠牲になって食べられている姿に我慢できずに、植物たちに人間に対して復讐をしようと持ちかける話です。植物の視点から見た地球や動物、人間ってのが描かれていて、植物があるから僕らは生きていられるんだなってことが再認識させられます。
2004年10月17日01時42分26秒

宇宙戦艦ヤマト  若桜木虔
初代ヤマトの小説です。前半地球を旅立ってから太陽系を抜けるまでで半分以ページを割いているので、この巻だけで終わらないのかなって思っていたら、後半の展開の速さはたいしたもんでちゃんと完結しました。
元々映画を観て知っている話なんで小説ならより細かい描写があると思って読んでみたんだけど、別にそんなこともなく、ざっとストーリーを追っているだけなんで正直言ってがっかりでした。
2004年10月17日01時48分00秒

幽霊記念日  赤川次郎
4編の短編推理小説が乗っています。どれも軽くて読み終わったあとには何も残らないそんな感じの作品でした。

グリーンレクイエム  新井素子
ほれた相手が人間じゃなかったら?パッと見は色白でやや痩せすぎのか細い女性にしか見えないけど、実は地球外生物だったのです。意思を持つ植物みたいな生物だったのです。研究者たちは彼女を研究材料として必死に捕まえようとします。主人公の青年はそんな彼女を守るため、一緒に逃げます。しかし最後に彼女の方が、彼の想いを信じきれず悲しい結末となってしまいます。
2004年10月07日00時42分02秒

あなたにここにいて欲しかった  新井素子
同性同士、大親友な二人の女性に、幼い頃から人の心が読めてしまいそのことで母親からも逃げられ、他人から怖がられ続けた女性が偶然であったところから話が始まります。ずっと親友と仲良くしたいということが、実は相手のことをずっと自分の手元に置いておきたいだけなんだって指摘され、うろたえてしまいます。
軽快な文章で話は進んでいきまいすが、内容は愛情(友情)とエゴについて語っているようです。相手に依存しすぎない、二人で一人ではなく、一人と一人がつきあって仲良くしても別々の人間、二人なんだ言っています。
2004年10月05日01時37分09秒

内灘婦人  五木寛之
有閑なマダムが主人公です。夫とは人間としては嫌いではないが夫婦としては冷え切ってしまっている。二人の出会いは学生時代の学生運動で、あまりにも激しくて美しい青春を送ったため、婦人の方は現在の自分が生きながら死んでいる状態の様に思えてなりません。夫の方は事業を起こしそれなりに軌道に乗り、昔の自分は若かったと言うように悟った感じで今を生きています。婦人にはそれが許せないのです。
ある日新宿で学生運動のカンパの呼びかけを行っている青年を見かけ、若い頃の夫に似ているためになんとなく応援してしまいます。青年には彼女がいて、彼女は学生運動の会計と言う重要なポストに付いています。ある日婦人は彼女の妊娠に気付きますが、運動の方が大事なときなんで抜けるわけには行かないと彼女は妊娠していることを無視して運動を続けます。そして警察の介入時に犠牲になって死んでしまいます。
ちょうどその頃、夫は昔の仲間に騙され大きな負債を抱えてしまいます。まだ青年は彼女の死をしり、犯罪を犯してしまい自首します。そして婦人は有閑という立場から自立することを決意し、北陸の地へ向かいます。
2004年10月01日03時28分32秒
ドナウの旅人 上・下  宮本 輝
長かった。上下巻合わせて800ページの作品だし、しかも僕にしては珍しくハードカバーの本なので持ち運びも重かったです。内容はお母さんの熟年離婚をきっかけに17歳年下の男とウィーンに旅立つところからはじめます。ウィーンで生活してたことのある娘はすぐに母を連れ戻しに行くのですが、母の希望に沿ってドナウ川に沿って旅することになります。現地では昔住んでいた時に結婚を考えていた男性と再会し、事情を話し4人での旅が始まります。それぞれがそれぞれの思いを秘めながら、旅が続きます。読んでいて思ったことはこの作品は1クールで終わるドラマみたいなもんだなって感じです。定期的に問題がおき、それをみんなで乗り越えていくうちにそれぞれがお互いを理解し始める。そして場所を移してまた何かが起きる。それを繰り返していくうちにいよいよラストが迫ってくる。そんな感じです。途中ちょっと長すぎて、飽きちゃいましたが、まあ面白い作品だったと思います。
2004年09月26日04時06分11秒

ぬくもりのある旅  澤地久枝
青春時代を満州で過ごし、敗戦、父の死を同時に経験した著者のエッセイ集です。途中にエッセイとしては長めの作品があり、その時代の悲惨さや苦労などを語っています。
また著者は病気のデパートか?と言うくらいいろいろな重い病気を経験しながらも、その度なんとか乗り越えてきて、そちらに関するエピソードも結構あります。エッセイというジャンル自体、あまり好きなジャンルではないですが、この作品はかなり好感を持ちました。
2004年09月14日10時42分08秒

自殺のすすめ 渡部淳一
タイトルを見てかなり期待して読み始めましたが、短編集だとわかりがっかりしました。わずか200ページの本なのに6作品も入っているんですから、かなり1本あたりのボリュームは控えめです。医療関係の作品が多かったです。
2004年09月11日01時14分03秒

崑崙遊撃隊 山田正紀
関東軍が中国を占拠していた頃の話です。ゴビ砂漠のどこかにあるといわれている幻の土地、崑崙。ここを制すものは中国を制することが出来るといわれています。ひょんなことから5人の男たちが崑崙を探しに旅立つことになった。それぞれ別の想いを持ちながら、辛く厳しい旅をしています。
適当にリアルで、時々ファンタジーが入っているこの作品は冒険物として読むとわりと面白いと思います。神様の怒りには触れてはいけないということですね。
2004年09月11日01時13分30秒

アッシュ -大宇宙の狼  田中光二
齢300歳を越す賢者と、昔はある星の王子で幼い時に宇宙をまたにかけて破壊の限りを尽くす集団に星を襲われ、命からがら生き延びた戦士、究極の美しさを持つ博愛主義者の女性、この3人が偶然出会い、共に旅をする。目的は戦士の星を滅ぼした集団を壊滅させること。そんなわけでテレビ版の銀河鉄道999を思い出させる作品です。ある星についてはなにかイベントをこなし、次の星へ向かう。そんな感じの作品です。1巻では完結していません。それが残念でした。
2004年09月04日02時08分13秒

すべての男は消耗品である  村上龍
僕はエッセイは苦手なジャンルです。そしてこの作家さんもあんまり好きではありません。そんな訳で、この作品はとってもつまらなかったです。要約すると著者を除く日本男児はみんな腑抜けになってきている、だから女性に負けてしまうんだって感じです。それを延々描いているだけです。
2004年08月31日01時08分55秒

今夜、すべてのバーで  中島らも
35歳、アルコールの怖さを知りつつ止められずついに肝臓を壊して倒れてしまった男が、入院生活でいろいろな病人を診ながら、自分の過去を振り返えるような話です。アル中に関しての記述が非常に詳しくて、ある意味アル中の教科書としても使えそうです。話の内容もなかなか読みやすくって、面白かったです。
2004年08月29日02時39分44秒

東南アジアから見た日本  三浦朱門
なぜ日本は東南アジア諸国から疎外されるのか?について解説してある本なんですが、実は東南アジア諸国の歴史についての記述が多くて、実際タイトル通りの「東南アジアから見た日本」についての記述ははどうなのよ?って感じがしました。
2004年08月28日01時52分37秒

海と毒薬  遠藤周作
戦争末期で日本の敗戦濃厚な時期にある大学病院で行われた米国人捕虜を使った人体実験。それにかかわった人たちのそれぞれの思いを描いた作品です。みんなそれぞれの人生を歩んできて、その実験に立ち会っているわけですが、それぞれに自分の心の壊れた部分を感じたりしながら、日本のため、医学のため、自分ために人体実験をしてしまう。この作品を読んで怖いと思ったのは、多少なりともこの人体実験に参加したひとの気持ちが理解できてしまったことです。
2004年08月26日01時21分31秒

ダイヤモンドの兄弟  清水一行
ある上場企業の跡継ぎボンボン社長の腹心でやはり技術以外はまったく世間知らずなNO2が金融ブローカーに引っかかり、はじめは3000万円の借金だったのに、いつの間にか70億円以上の手形を発行させられてしまう話です。やわらかい文体で企業の裏金つくりやトップの私腹の肥やし方などがさりげなく説明されていて、読んでいて面白かったですね。
2004年08月23日10時54分43秒

署長特命  中村光至
ある老舗ホテルに火災が起き全焼してしまった。忘年会の2次会をしていた従業員4人が逃げ遅れて焼死してしまった。出火原因は不明。社長は悲痛な顔をして記者会見に応じているが、どうにも不に落ちないことがある。しかし捜査本部を設置するほどの事件性も証拠も無いので、署長特命と言うことで密かにこの火事について調査を始めた。そしてこの火事が保険金目当ての放火だと言うことを突き止める。そんな感じの話です。
2004年08月20日02時28分11秒

黒幕  佐賀潜
大阪に本社を持つ中堅製薬会社が更なる会社発展のため東京進出を計画する。しかし東京には会社の規模も取り扱っている商品も類似しているライバル会社があり、こちらも関東から更に販売エリアを広げようとしている。そんな製薬会社同士の仁義無き戦いが描かれた作品です。この作品を読むと会社を大きくするためには、ここまで人を欺きしたたかにならなくてはいけないのかって思ってしまいます。でも面白い作品でした。
2004年08月20日02時23分01秒

氷の森  大沢在昌
ハードボイルドな話ですね。元麻薬取締官、現私立探偵の話です。人の心を持たない、全て自分のためだけに行動できる男が事件の黒幕ですが、そいつがなかなか出てきません。そいつとの対決も無かったし。でも面白かったですよ。
2004年08月11日01時39分34秒

邪馬台国殺人旅情  斉藤 栄
邪馬台国の秘密を探る北九州観光ツアーにて次々を殺人事件が起きる。一番犯人くさい男も死んでしまう。そのため事件がまったくわかんなくなってしまうのですが、種を明かしてみれば、ツアーの参加者は偶然なのにそれぞれが恨みなどを持ったもの同士の参加となってしまい、邪馬台国の呪いのせいで殺人を犯してしまった。という犯人が一人じゃないってストーリーでした。
2004年08月07日01時56分46秒

少年期の心―精神療法を通してみた影 山中 康裕
問題児と言われた6歳から15歳くらいまでの少年少女達のいくつかの症例を治療から回復まで記載したドキュメントです。丁度6歳の子供がいる僕には、参考になることが多かったです。甘やかすのではないが、子供のために待ってあげるゆとりを大人が持つべきだとありました。忙しい、時間がないを理由に効率だけを求めた子育てをすると、将来その何倍ものしっぺ返しが来ると著者は言っています。
2004年08月03日00時58分07秒

幻の出雲神話殺人事件  邦光史郎
割とボリュームのある作品ですが、そのうちの半分は古代史の解説になっています。一応それが事件解決に関係するのですが、正直言ってここまで詳細に解説しなくてもいいかなって思いました。内容もかなり漫画チックでした。
2004年08月01日22時32分39秒

闇の検事  太田蘭三
戦時中、実らぬ恋をしてしまい、相手の女性が強姦され殺されてしまった。しかもなぜか主人公が犯人にされてしまい、リンチまがいの取調べの末、無実なのにもかかわらず自白してしまい、そのまま無期懲役となってしまった。戦況が悪くなり、東京に空襲が頻繁におきるようになった時、空襲のドサクサに紛れ逃亡し、名を変え生きていくことに成功した。縁あって警察官となり、その後努力して検事となる。丁度その頃、冤罪でつかまった同じ場所で、同じような手口で女性が暴行され殺されていた。同一犯だと確信した主人公は、自分の無実を晴らすため、また当時好きだった女性の無念を晴らすため、精一杯捜査にあたった。そしてとうとう犯人を捕まえることが出来、同時に自分の冤罪も晴らすことが出来た、と言うアメリカ映画っぽいわかり安いサクセスストーリーです。内容の割りにページ数が少ないので、ラストの犯人探しが淡白すぎだったなーって感じです。
2004年07月29日01時36分12秒

妖魔姫1~3  菊地秀行
全3巻に及ぶ大作ってほどではなかったですね。1巻当たり200ページくらいですから。
陸上に上がり人間として暮らしたい海からの生き物、それを阻止するために水際で戦い続ける陸の物。日本を代表する女優が映画を撮ることになった。そのロケ地は、まさに海のものと陸のものが戦っている場所そのものだった。そしてその女優にも人間ではない魔の血が流れていたのでした。と言った感じの不思議なアクション小説でした。全編を通して、人間離れした美女たちの情事が描かれていて、エッチーなシーンも多かったです。
2004年07月27日00時59分30秒

天皇の料理番  杉森久英
時代は日露戦争の頃、福井のわりと裕福な家庭の次男坊として生まれた少年が主人公です。この人は実在しました。東京から来た軍用の料理人さんと知り合い、洋食をはじめて食べさせてもらう。その味のうまさが忘れられず、東京の上京し西洋料理の道をひたすら究めようと努力し、いくつかの名店で修行した後、ついにはフランスまで料理の修行に行ってしまう。この頃、学問のために留学する日本人はそれなりにいたけど、料理のために留学する日本人はこの主人公で二人目です。本場フランスでも始めは下っ端として入れてもらい、腕一本でどんどんのし上がっていき、やがてシェフと呼ばれるまでに上り詰めた。そんな折、天皇ために料理をつくらないかと大使館に言われ、フランスでの修行を終わらせ、宮内庁内での料理人としての人生が始まる。ついに日本の西洋料理のトップに立ったわけです。時代は代わり、昭和になり、戦争に負け、それでも尚天皇のために料理をつくり続けた男の一生を描いた長い作品です。長いわりには読みやすくって、一つの道をひたすら究めようとする職人魂を感じられる作品です。
2004年07月21日10時12分58秒

真夜中の意匠  斉藤栄
まず間違いを見つけました。裏表紙にストーリーの要約が書いてあるんだけど、そこには一番怪しいのは叔父の「京一郎」と書いてあるのですが、叔父さんの名前は「京二郎」なんです。京一郎っていつ出てくるんだろうって思いながら、何度か前のページを探しちゃったりしました。内容は殺人事件の容疑者で一番怪しいのは京二郎叔父さんなんだけど、アリバイ鉄壁で、捜査すればするほどそのアリバイが立証されてしまう感じです。しかし殺しをしそうな人は叔父さんしかいないってことで、そのアリバイ崩しがメインの作品です。最後の展開がちょっと急すぎる気がしましたが、なかなか面白かったです。
2004年07月14日10時23分17秒

パパは神様じゃない  小林信彦
小林家で二人目の子の妊娠確定したところから、その子が1歳半になるまでのエッセイです。といっても男性のエッセイなんで、妊娠中、子育て中いかに男性がすることが無いかを淡々と書いています。することがないんで、どんどん話がそれていき、一体何の話だったんだろう?と言う感じになることが多いです。
2004年07月11日01時20分16秒

38度線崩壊  落合信彦
ソウルオリンピック開催が決定して、その準備に入っているくらいの時代の話です。どうにかソウルオリンピックを成功させ、それを機に大きく飛躍したいと考える韓国。どうにかオリンピックを失敗させ緊張関係を維持したい北朝鮮。そのためにあらゆる手段(最終的には戦争すら辞さない構え)で挑発を繰り返しています。そこにロシアの思惑も入り、更にIOCとしては一度決まった開催地を変更なんて前代未聞のことは絶対にしたくないから、どうにか安全にソウルオリンピックが出来ないかと検討しています。そんな中、韓国の要人を暗殺し混乱を招こうと、超一級の暗殺者に依頼を出した北朝鮮とその男の始末を依頼されたもう一人の男との命を懸けた化かし合いが描かれています。
結末がちょっとあっさりしているけど、なかなか面白かったですよ。そんなに長くもないし。
2004年07月07日10時44分19秒

影を燃やせ  黒岩重吾
売春斡旋など裏の商売をしてきた主人公が、ある女性に一目ぼれしてしまった。相手の女性も主人公の男の事が好きになったのですが、その女性には誰にもいえない暗い過去があり、どうしても付き合えないと言う。それどころかこれ以上付きまとうと自殺するとまでいう。そんなある日、その女性が殺されてしまう。生きる希望を失った男は自分の手で彼女を殺した犯人を見つけて復讐することを決めた。そして独自に調査していくうちに驚くべき方向に事件は展開していきます。
という男性の純愛が描かれた作品です。ただちょっと純愛が強過ぎて、どうなんだろう?っておもう部分はありましたが、おおむね面白かったです。
2004年07月04日01時07分29秒


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