future butterfly

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大切な人。


私には………。居ました。
でも、3年前の3月31日に……。飛行機事故で帰らぬ人となってしまいました。
その大切な人とは彼氏。大好きな、大切な人だったんだ。
もしかしたら………。家族より大事だったかも知れない。
そんな人を失った私はかなり落ち込んだ。
学校に行っても、授業中はボーっとしてた。


あの時以来だよ。こんな気持ちだった。


『大切な人。』


○過去○


あの時は、幼なじみが病気で亡くなったとき。
幼なじみはね?男の子だったんだ。双子ちゃんだったんだけどね。
男の子と女の子。双子ちゃんの弟の方を失ったとき。
お姉ちゃんに当たるめみなと一緒にずっと泣いてたもん。

で、またボーっとしてた。
委員会は生徒会執行部だったの。
しかも、副生徒会長。
先生に注意された。
そんな時、会長の……中里 翔先輩が先生に言ってくれたの。

「朝崎は今、自分でも何をやって良いのか分からないんですよ。大切な人を失ったばかりなんで。」

そう言ってくれた。
それからずっと……
私が落ち込む度に先輩は色々励ましてくれた。
そんな先輩が……いつしか好きになっている自分が居た。
先輩を好きになっている事に気付いたのは………
ある日、私を遊びに行こう。と誘ってくれた時。
何か、嬉しくて。

(あぁ~私って先輩のこと好きなんだなぁ………)って想ったの。


それからはずっと何か有る度、先輩の所に行って、話してた。
いつも先輩は嫌な顔一つせずに相談などに乗ってくれた。
そんなある日。
先輩が告白されてる現場を目撃しちゃったんだ。
あたし、偶々先輩に話したいこと合ったから。
と言うか、告白したかった。
だけど、それで辞めた。
しかも相手は私より一つ下で、さっき話した双子ちゃんのお姉ちゃん側のめみな。
めみなは可愛い。性格も結構良い。
だけど、あたしね?
分かってたんだよね。めみなの裏の性格。
めみなの弟の名前、水都って言ったんだけど、めみなはさ。
弟に恋してたんだよ。
水都は昔から………めみなよりあたしの方が好きだって言ってた。
だからめみな妬いてた。いつも。

で、めみなが何で今……翔先輩に告白しているのかすぐに分かるよ。
あたしがこの前、めみなに好きな人教えてってしつこく言われて、教えたのよね。
そしたら案の定これよ。
これがめみなの裏の性格。
あたしの大切な人。奪いたいのよ。好きな人を。
こんなことを考えてると………
めみなが急に先輩に抱き付いた。

それを思いっきり見てしまったあたしは………
思わず持っていた物を落としてしまった。

落とした物が草の上に落ち、音を立てた。
それに先輩が気付いた。

「あれぇ?何でゆきな先輩が居るんですかぁ?」

ブリッコ声で言うめみな。

「ごめんなさい、先輩!盗み見する気は更々なかったんです………。お幸せに!」

めみなの言葉を無視してあたしは走ってその場を去った。
その時に、先輩の声が聞こえた。

「朝崎!!!」

お兄ちゃんとお姉ちゃんの言う通りだった。
めみなはむかつく相手から好きな人を奪う。そう言う女だって言ってた。
やっぱり当たってた。
先輩が追いかけてくる。
私は之でもテニス部の2年生レギュラー。
そう簡単には追いつかれないはずだけど、流石男子バスケ部のエースを務めるだけはあった。
簡単に捕まった。

「朝崎!逃げるな!」

そう先輩に言われた。

「だって………」
「だって何だよ。」
「先輩はめみなと付き合うんでしょ?!」
「誰があんなブリッコと付き合うか!!?」

先輩がそう言った。
先輩もやっぱり知ってるんだ。あの子がかなりブリッコだってこと。

でもね?あたしさ?分かってるんだよね。
めみながずっと………生徒会の書記長さんの事をずっと見てたこと。
めみなは先輩じゃないんだよ。
好きな人。
それには気付いてる?

「それに………。彼奴が好きなのは俺じゃない。」
「え?」
「彼奴は………。譲澤だろ。」
「知ってた……んですか。」
「お前がずっとあの女を見ていたのも知ってる。」
「何で…………??」
「ずっと……。お前を見ていたからだ」
「え?…それって??」
「告ってるつもり………。」
「私も好きですよ。先輩」

この日から私たちはずっと一緒だった。
でも、先輩が留学すると言って、米国へ行ってしまって………。
帰ってくる日にあの事件が起きた。

空港まで私は迎えに行く予定だった。
空港に着いて、私は始めに、着く時間を確認した。
すると、後15分後だった。
久々の再会に喜びが溢れてくる。
でも、すぐにその喜びは悲しみへと変化した。

少しして流れてきた情報。
それは先輩の乗っている飛行機が墜落した。
そう私の耳に入ってきた。
そして、どうか先輩が無事である様ずっと祈っていた。
でもその祈りも虚しく、数時間後にはこんなニュースが。
『墜落した飛行機の乗客全員死亡。』
私は悲しみのどん底へ落ちていった。
数十時間前まで電話で話していた先輩が。
元気そうだった彼が。死んだ。
すると、私が手にしていた携帯が揺れた。
『今までありがとう。幸せになれよ。』
先輩から。
最後のメール。
墜落寸前に書いたメールだと思う。
泣き崩れた私を近くにいた、同年代くらいの人が抱き寄せてくれた。
それが今の親友。
瑞希だった。
私はやっとあの時間から動き始める為の……
新しい恋をした。

翔先輩。私頑張るね。
頑張って先輩の分も幸せになるからね!!
先輩も天国で幸せになってね!!


Fin

めちゃ長ー。
誰か感想下さい。
強制しないので………。
でわ。


2007/10/01/夕蝶


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