future butterfly

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星に願いを込めて


お星様にお願いしたら…。
本当に叶うの??
何でも…叶うの??


『星に願いを込めて』


世の中では、今は正に聖なる夜。
クリスマス。
そんな日に…
彼氏の居ないあたしは一人で街を彷徨い歩いている。
あたしにだって…。
1ヶ月くらい前まで彼氏は居た。
でもある日突然…。

あたしを置いて、部屋から消えた。
そして、部屋には……。
【もう愛結と居れない。ごめん、こんな勝手な俺を許してくれ。こんな俺を忘れて、新しい奴作って、幸せになってくれ。】
こんな事書かれて……。
幸せになんて…新しい彼氏なんて作れるわけないでしょ??
あんなに楽しく過ごして、あんなに幸せだった日々を…忘れられるはずがない…。

「はぁ~……。何でこんなに左手が淋しいんだろう。」

静かに溜息を吐くあたしの携帯が急にけたたましく鳴り出した。
出る気にもなれず、暫く無視している。
それでも鳴り続ける携帯。
私はゆっくりと携帯を開き、ディスプレイを見た。
すると、画面には、“麻衣”の文字。
通話ボタンを押し、携帯を耳に当てる。

「…はい。」
「愛結~?!あんた今何処にいるのさ!!?」
「…ん~…。何て言うんだろう。街のツリーの下??」
「何で疑問系なの?まぁ、良いか。今からおいでよ。」
「良いよ。行かない。」
「何で??」
「もう少し……。此処にいたい。」
「そっか…。じゃあ、気が向いたら来てね??」
「うん。もう少し…思い出に浸ってたい。あの人との思いでに…。」
「分かったよ。じゃあ、風邪退かない様にね??」
「うん、ありがとう。麻衣。」
「いいえ!じゃあね。」
「うん」

なんで…麻衣の誘いを断っちゃったんだろう。
何で…。
ここに来ちゃったんだろう。
もうあたしの隣には居ない…あの人の思い出に浸ってるんだろう。
何でまだあたしの隣に戻ってきてくれる人を信じてるんだろう。
駄目だよね。
こんなんじゃ。
新しい恋しなきゃ。
でも、もう少しだけ…。
思い出に浸らせて??


○つきあい始めた1年目の春○


「翔!!」
「何だ??」
「これ見てよ!!」
「ん??おぉ!!めっちゃ似合ってんじゃん!!」
「本当?!ありがとう!」
「おう!!今度服買ってやるな!」
「ありがとう」

あたしが付けていた花柄のリボンを見て、そう笑顔で言ってくれた翔。
そして、今度は服を買ってくれると言ってくれた。
本当に嬉しかった。
一つだけ年上の翔が、2つも3つも年上の人に見えて、とっても格好良く見えた。
そして、子どもみたいな笑顔のあなたが好きだった。


○夏○


夏は一緒に海に行った。
あたしの水着見て、可愛いのは良いけど、焼けるからこれ着てろ!!
ってパーカーをあたしに無理矢理着せた翔。
耳まで真っ赤にして、怒ってたのを今でも私は憶えてる。
何で怒ってたかは今でも分からない。
だけど、愛されていた証拠にも感じる。

「さ、帰るか。」
「え?!今来たばっかだよ!!早すぎ~」
「良いの!!これからもっと綺麗なところ連れて行ってやるから!!」
「えぇ~」
「あ、着替えた着替えた!!」
「はーい……」

ブツブツ文句を言うあたしに翔は「文句言わない!!」と言う。
そして、上手く丸め込まれ、着替えに行く。
着替えてきたあたしの手を繋ぎ、車に向かう。
それから、夕日の見える綺麗な丘に行った。
暫く、そこで肩を並べて座っていた。
そして、夜になり、夜景を見て、夜遅くなった頃、あたしを家に送ってくれた。
最後に、またな。ってキスしてくれた。
そんな翔が溜まらなく愛しかった。


○秋○


秋の休みの日には、神戸まで一緒に紅葉を見に行った。
そして、その並木道の下を通り、歩いた。
それから、一緒に少し遠いUSJまで行って、遊んだ。

「翔!!これ!!キティーだよ!!」
「そうだな~」
「何でこんな所にあるのかなぁ?!ディズニーランドだよ?!此処!!」
「…。此処はUSJだぞ??」
「あ!!そうだった!!」
「バカだろ~」
「バカだよーだ!!」
「認めんのかよ」

そんな事を話していた私たち。
そんなこんなで過ごした日々。
付き合って4年目の日。
記念日に翔が一緒に住もう。って言ってくれた。
なのに、5年目の記念日の日…あなたは紙と私を残して、家から姿を消した。


あたしじゃあなたには足りなかったのかな??

「はぁ…。何で居なくなったの??あんなに愛していたのに…。」

虚しくツリーの下で響く私の声。
何でこんなに淋しいんだろう。

「俺だって愛してたよ。嫌、今でも愛してるよ。」

やだ。何か幻聴まで聞こえてきたよ。

「じゃあ、何で居なくなったのさー…」
「お前を守るためだよ。愛結」

顔をそっと上げる。
そしたら、やっぱりそこには大好きだった、翔の顔が。

「嘘…ッ!!翔…??」
「そうだよ、愛結。」
「何で…??」
「お前を迎えにきたんだよ。」
「え??」
「俺な、アメリカに留学すんだ。だから、愛結に言いに。」
「そっか…。アメリカか。やっぱりあたしは一人になるんだね。」
「愛結。一緒に…行かないか??アメリカ」
「良い…の??」
「うん。」
「あたしも…連れて行って」

そう言って、あたしは翔の胸の中に飛び込んだ。
あの愛していた胸の中へ。
大好きな翔の胸の中へ。
そのあと、お母さん達からもう反論を喰らった。
だけど、あたしの意志は固かった。
お姉ちゃんが最初に…。

「翔さんなら良いんじゃない。愛結の事ずっと愛してくれそうだし。それにさ…。愛結が幸せならいいじゃない。私たちに止める権利ないよ。お母さん、お兄ちゃん。」
「…そうだな。翔なら良いか。」
「………。絶対に幸せになれる??愛結」
「うん!」
「絶対??」
「うん。」
「分かった。幸せになりなさい。あんたはまだ若いんだから、いつでもお母さんを頼りなさい。分かった??それから…アメリカ行く前に結婚式上げなきゃね。」
「はぁ??」
「あら??結婚するんじゃないの??」
「え??」
「ねぇ?翔くん」
「はい、これからプロポーズだったんですが…。」
「あら!!ごめんなさい」
「愛結、結婚して欲しい。そして、一緒にアメリカで3年暮らして、こっちに帰ってからも一緒にいて欲しい。」
「はい」

私が泣くと、お姉ちゃんが抱きしめてくれた。
お姉ちゃんはもう既に子どもが居て、旦那さんは居ない。
妊娠しちゃったんだけど、男に逃げられたって奴。
だから母子家庭のうちで、あたしは大事にされてた。
それで、結婚もアメリカ行きもお母さんは反対していた。
もう自分みたいな想いも、お姉ちゃんみたいな想いもさせたくない。って。
ありがとう、お母さん。お姉ちゃん。
お兄ちゃん、最後まで心配してくれたありがとう。

皆、ありがとう。

顔も見たこともないお父さんへ。

あたしは22歳の冬、結婚します。
そして、幸せになります。
この世にあたしは生きる理由を見つけました。
生まれる理由を見つけました。
愛する人を見つけました。
"愛する人"それが私の生まれた意味。
ありがとう、お父さん。
あたし、幸せになります。
ずっと見ていてね??
お父さん。

お母さん。
あたしを生み出してくれてありがとう。
感謝してます。
ありがとう。

お兄ちゃん。
ずっと優しく、あたしを守ってくれてありがとう。
でも、今度は彼女さんを守ってあげてね。
あたしはアメリカで翔に守って貰うから。
ありがとう

お姉ちゃん。
いつもあたしの相談とか聞いてくれてありがとう。
わがままを聞いてくれてありがとう。
今度は湧貴を大事にしてあげてね。
わがままも偶には聞いてあげてね。
ありがとう。

翔。
ずっとこれからも一緒だね。
ありがとう、沢山の人の中からあたしを選んでくれて。
これからはいつも一緒だよ。
ありがとう、生まれてくれて。
大好きです。
愛しています。
ありがとう。


星にお願いをした。
"またあの日に、幸せな日々に戻れます様に。"
叶いました。
ありがとう、お星様。
あたし、今度はお星様にお願いしなくても、願い事が叶う様に努力します。
お星様へのお願いが叶ったのは、頑張った証拠だね。
これからは、翔の為にも、頑張るね。
ありがとう、みんな。お星様。翔。



…星に願いを込めて



Fin

あとがき
何かまとまってない!!
1日で書き上げは難しいです。
でわ。
感想くれたら嬉しいな。


07/12/22/夕蝶


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