野の花・野の豚の自己研究に根ざす、社会的な共生の道を探求する発言・2015年7月1日から

野の花・野の豚の自己研究に根ざす、社会的な共生の道を探求する発言・2015年7月1日から

教誨師の豊田先生(93・4/24作)




年が明けたすぐに
血管の障害で倒れられたと聞いたときは
もう会えないと思っていた豊田先生が
葉桜の輝く季節の昼間に
突然のように会いに来てくださった

昨年の夏頃人と心から触れ合うときが欲しくなって
面接を願い出て初めてお会いした
浄土真宗の坊さんでもある先生は
もう90歳に近い
枯れ木のような細身の
しかし精神は若々しく新鮮な人だった
私の未熟な問いに真摯に応えて下さる
そのあり方に私は深く励まされてきた

その日
頼りなげな足取りで面接室にこられた先生は
いつ死ぬともわからないと微笑まれ
最後にこの言葉を私に贈りたいと言われた
『人間は平等だが
 人物はありがたさを思う心に比例する』
先生の言葉がとても素直に心にしみてきた
面接が終わり静かに合掌される先生に
慌てて私も合掌していた


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