愛犬のために

愛犬のために

忌避剤


忌避剤というと、多くの人は ディート を連想すると思います。

Wikiでは
『・・・研究から、人の健康には重大な影響を及ぼさないとされている。ただし人によってはアレルギーや肌荒れを起こすことがあり、動物実験で連続的大量摂取により神経毒性が見られたとの報告もあるが・・・』
と、一応安全という見方を取っていますけれど、近年は副作用に関する研究・報告も多くなり、高濃度の使用は禁止される方向にあることはニュースなどでご存知だと思います。

国立感染症研究所から 安全な忌避剤(虫除け)の使用方法 (PDFです)というレポートが出ています。

この中で、EPAの認可という観点から

・ディート
・ピカリジン(日本未発売)
・ユーカリ油(有効成分:PMD)

を取り上げています。


そして、一般的に有効成分が高濃度のものほど有効性が長く持続するとして、ディートの場合の忌避効果は

・23.8%で約5時間
・20%でほぼ4時間
・6.65%でほぼ2時間
・4.75%で約1時間半

が一つの目安(気温、発汗、雨降り、水遊び等で水に濡れる,等の状況によって変化する)としています。

更に、厚生労働省医薬食品局からの発表として

・漫然な使用を避け、蚊、ブユ(ブヨ)等が多い戸外での使用等、必要な場合にのみ使用すること。
・小児(12歳未満)に使用させる場合は指導監督の下で、使用回数の目安に従って使用させ、顔には使用しない。
・6ヶ月未満の乳児には使用しないこと。
・6ヶ月以上2歳未満は1日1回
・2歳以上12歳未満は1日1~3回
・目に入ったり飲んだり、なめたり、吸い込んだりすることがないようにし、塗布した手で目をこすらないこと。

等を挙げています。


ユーカリ油は蚊に対して低濃度のディートと同様の効果が見込まれる(効果は同程度だけれど、効果の持続時間が短い)、としています。
そして、アメリカ疾病対策センターは、米国製品の説明書に従いユーカリ油を3歳以下の子供には使用しないよう発表しており、一方、アメリカ小児学会は見解を発表していない、とあります。


また、忌避剤が蚊の吸血から身を守る唯一の方法ではなく、屋外で活動する場合、可能な限り長袖長ズボンを着用したり、ベビーカー専用の蚊帳等の使用、更には、蚊が繁殖できるゴミ、容器などの水たまりを周囲(地域)からなくす努力が必要と纏めています。




ディートの副作用に付いては、 ディート(ジエチルトルアミド)昆虫忌避剤 に詳しく纏められています。
このページは『反化学物質』という立場ではなく、非常に優れた薬剤であり、重要な薬剤でもあるけれど、忌避剤という名称を用いているため、無条件に安全であると信じ込み、不注意な使い方をしがちであるが、ディートは稀に重症の神経障害を起こしたり、皮膚炎を起こすことがあるため、毒性や使用法について検討する、という立場です。

ディートの副作用を纏めると、
・多量のディートの経口摂取により死亡と重度の反応が発生した例がある
・稀に、昏睡とけいれん等、 中枢神経障害を起こす
・血液脳関門の透過性を低下させるという報告がある→他の薬剤との併用はその影響が大きく作用する可能性がある。
・ジメチルトルアミドは人間や動物の皮膚で、他の物質の透過性を高めることが示されている→環境汚染物質を皮膚から取り込むことを促進する懸念がある
・ディートは他の化学物質(臭化ピリドスチグミン、ペルメトリン、クロルピリホス等)の影響を強める

そして、カナダ保健省の規制では、
『30%より高濃度のディートを含む製品は登録を認めない。これ以上の濃度のディートが必要(有効)であるというデータがない。低濃度でもより高い濃度と同じく有効であるが、有効な期間は短い。』
となっています。



また、日本家庭用殺虫剤工業会が厚生労働省より指示され、業界としてのディートの安全性に付いての見解を纏めたレポートが 『DEETの安全性に付いて』 (PDFです)です。
勿論、直ちに対応する必要性はない、という内容です。



私は、ディートは駆除作用がない分、他の忌避剤より安全で、単独で使用する限りではペットでもまず死亡事故はありえないと思います。
でも、相乗効果を考えると、殺虫剤として他の駆除薬を併用するのではなく、殺虫は定期的・頻繁なシャンプーで行うか、フォートレオンの様な忌避・駆除効果を併せ持った単一の薬剤を使用すべきと思います。

(フォートレオン(K9 Advantix)の副作用情報も徐々に出て来ているようです。今のところ深刻なものは少ないようですけれど、その内纏めようと思います。)



一般に、日本の所謂『ホリスティック』は化学薬剤全てを否定し、 ビール酵母とガーリックの検証 で示しました様に根拠の無い他人からの伝聞を盲信しがちな様な気がします。
一方、アメリカのholisticは、勿論化学薬品を全て否定する人も多いですけれど、 Preventing Fleas, Ticks and Mosquitoes の様に、化学薬剤の危険性とメリットをきちんと評価して、合成・天然を区別するのではなく、これらを組合わせて最大限の効果・最小限の被害を求めようとするサイトも非常に目に付きます。
合理的な国民性といってしまえばそれまでですけれど、日本のホリスティックも、もうちょっと効果を検証するという態度を身に付けて来てもいい頃では、とは思います。




ユーカリ油の有効性に付いては、EPAに登録されている通り、有効性を示すレポートは数多く出ています。
EPAのデータシート( p-Menthane-3,8-diol (011550) Fact Sheet )を見ますと、実験動物では、目の刺激以外の副作用は示さない、とあります。

また、Consumer Reports (2005年8月号)のテスト状況が Lemon Eucalyptus Oil is an Effective Repellent, According to Consumer Reports に載っています。
これを見る限りでは、そんなに効果の持続性に問題がありそうな感じでもありません。
もっとも、ダニに対する効果はテストしておらず、EPAは蚊に対する効果だけ有効だと認定したとあります。

そして、CDCの西ナイル熱に関する忌避剤の アップデート では、PMDを含む、EPAに登録された駆虫剤に対しての推奨であって、エッセンシャル・オイルの様な純粋なレモンユーカリ油はテストされてもいないしEPAに登録もされていない、と念を押しています。


最後のピカリジンは日本未発売で、アメリカでは発売された様です。
ちょっと古いですけれど、医薬品情報21の 「昆虫忌避剤について」 によりますと、

『欧州及びオーストラリアでは既に市販されているが、日本では未導入である。北米でもまもなく市販されると報告されているが、本品はピペラジン誘導体で、DEETと同程度の効果があることが証明されると考えられている。』

とあります。

ピカリジンの 化学特性 です。

EPAのデータシート( Picaridin (PDFです))を見ますと、殆ど無臭、刺激性無しで、急性毒性は経口、経皮、吸入等、殆ど全てがCategory III(軽微)かIV(無毒性)となっています。
ヨーロッパやオーストラリアで長年使用されてきた実績がある、というだけに、MEDKINEで検索しても、関連を含めて30以上レポートも見つかります。
毒性という観点からはディートより期待できるかも知れません。


アメリカでの蚊の忌避は、上記のCDCのアップデートや、この Environment, Health and Safety Online の『Which Mosquito Repellents Work Best?』に見られるように、

・ディート
・ピカリジン(日本未発売)
・ユーカリ油(有効成分:PMD)

というのが既に一般的になっているのかも知れません。








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