君に手紙を書くよ
でもいざとなるとなにも書けなかった。何を書こうか、とか
こういうことがあったよ、とかとりとめのない内容だと
思考が停止してしまっていた。
私はあなたに何を伝えたいんだろうね？と思って。別に何も
ないかもしれないけど。思う相手に「手紙を書く」って思う
ことが重要なのかも？
周りの長方形の様子がスピードを増して外の風景を変えていく。
長い長い列車の旅。
こんなところじゃ揺れてかけないしな…
それに酔っちゃうわ、と現実的な思考に我ながらふふふ、と
笑ったりして。
外の風景を見るのは素敵。緑の木々とそのうち黄色の（何の花なのかしら？）
花畑が目に入る。太陽の匂いを感じるのは初夏の光と
ほのかに（こんなに速い速度で移動していても分かるものなのね？
植物の力って、すごいかも！）柑橘類の匂いもする。
君に手紙を書くよ、と思ってそれはずっと心の中で止まっている。
ひょっとしたらそのままかもね。
私の隣りの席は、空席のまま。
続きは、あるよ。私の道は、まだあるから。
どこの駅へ着こうか？
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