道のりは険しい?

道のりは険しい?

出会い編



our sky


空 24歳 冬

以前からバイトしたいと思っていたイタリアンレストランに

バイトが決まりました。

初日は少し緊張しながら出勤。

洗いたての制服に袖を通して、仕事が始まりました。

店長から他のスタッフを紹介されましたが、

その時は一度にたくさんの名前を言われて

覚えることが出来ませんでした。

その中に太陽チーフがいたのですが、

「チーフ」という言葉だけ頭に残りましたが、

顔も名前も覚えることができませんでした。



働き始めて、何日か経ってからやっと、

「太陽チーフはキッチンで一番偉い人」ということに

気づきました(笑)

それと、左手の薬指に指輪をしていたので、

チーフは結婚されてると思いました。

でも無口で愛想のない太陽チーフには話しかけることもなく、

話しかけられることもなく仕事をしました。



でも、ある日・・・

チーフにおもいっきり怒られました。

システムを知らなかった空が、

キッチンに迷惑をかける形になりました。

それからチーフ=怖い・・・ と思うようになり、

できることなら関わりたくないと思っていました。

チーフがお休みの日はラッキーとも思いました。 

(スミマセン)



そこのレストランはスタッフの出入りが激しいお店でした。

ある日、太陽チーフに「空さんも辞めるの?」と 

話しかけられました。

たぶん まともに話をしたのは

それが最初だったんじゃないかな。

私は「辞めないですけど、もうすぐ海外に一人旅に行くので

お休みします。」

それから、私がこれから旅行する国の話を少ししました。

チーフも行ったことあるとのことで、珍しく(?)

共通の話題がありました。



それから数日後、またチーフに話しかけられました。

「空さんって、一人旅から帰ってきたら結婚するの?」

私は、びっくりして次の言葉がでてきませんでした。

「いえ、ちがいます」と首をおもいっきり横に振ったのを

覚えています。

「もう結婚してます。」

そう言った時、チーフはよくわからない表情をしていました。

驚いてたというより・・・  困った顔!?

それにチーフは私の年齢も知らなかったようです。

28歳くらいに思われてたみたいです(ショック)

ホントは24なのに・・・

でも独身に思われてたのはうれしかったかな(笑)







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