葉山まなびや物語

葉山まなびや物語

卒業生に贈る言葉その1



小学校の5・6年を受け持った子どもたちなので、
今年24歳になる教え子たちだ。

24名(だったと思う)集まった。

多くの者が大学を出て、社会人2年目を迎えているが、もちろん、彼等の
進路は様々。
大学には行かずに自分の道を早くから模索してきた者、今、まだ大学で勉強中の
者、すでに結婚し、子育て中の者など、自分らしい生き方を始め出した、本当に
若々しく、すがすがしい若者たちに成長していた。

夜中まで、よく笑い、よくしゃべり、よく歌った。

人生のたった2年間ではあるが、同じ思い出をもつ者同士が現在の姿と当時の
姿を重ね合わせながら、自分の成長を確認する時間を楽しんでいるように映った。

教師として、彼等と本気でかかわった2年間だった。
ぶつかり合ったとも言える。
教室で、大声を出して彼等の気持ちを委縮させ、自分が本当にしたいことややりたいことをじっと心の中にしまい込んでしまった子もいるだろう。
しかし、こうして成長した彼等を見ていると、自分がしてきたことがけして間違っていなかったと思う。

子どもたちを理解するということは、好きなことをさせるだけではない。

時には「こっちへ行った方がいい」と強く導くことも必要だ。なぜなら、その子の
ことを本当に理解できた時、その子の可能性を広げる道がはっきりと見えてくるからだ。
お互いが主張をしっかりしないと本当の意味での「理解」は生まれない。

社会人として歩み始めた彼等に言いたいことは、
「自分とはどういう人間であるか」
ということを常に問いかけ、表現できる人でいてほしいと願う。

○○会社の××です、という
肩書きを外したときにどんな自分が残っているか、そこが一番大切なのだ。
自分磨きをしっかりしてほしい。

これまでは、親や教師が君たちを愛情たっぷりに磨きあげてきた。
これからは、自分で自分を磨いていくんだ。

「先生は、いつまでも私たちの先生です」
と言ってくれた子がいた。
もちろん、私はいつまでも彼等の応援団だ。

これから益々仕事が忙しくなっていくだろう。責任もどんどん重くなっていく。
いくつもの山や谷を越えていく。

しかし、つらい時の励ましの肩たたきなら、いつでもできるので、訪ねてきてください。

前途有望な6年2組に乾杯。

(2006年10月)


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