第一回:『ジャポン・ブーム』


最近ネタがマンネリ化したハリウッドではどうも日本映画への関心が強い様ですね。『リング』、『千と千尋』、『アニマトリックス』を始め、『ラスト・サムライ』、『キル・ビル』そしてオスカー作品賞にもノミネートされた『ロスト・イン・トランスレーション』などアメリカの大型資本までもが日本っぽい映画を作っています。問題はあくまでも、日本っぽいって事なんですけど・・・。

タランティーノの場合、あれはオタク映画であって本物の日本を撮ると事を目的にしていません。『彼のイメージするアジア映画を作る』にピントが合っているんですから、いくらリューシー・リュウの「カカッテキナ・・・」の発音が可笑しくても、沖縄で服部半蔵が日本刀を作っていてもタランティーノ・ワールドなんですから、何でもありです。アンチ日本人だぁ!!!と怒鳴る気にはなれません。むしろ彼の確信犯的行動に「この人はマジであほな映画マニア!!!」と感心してしまいます。

変わって『ラスト・サムライ』ですが、こちらはどういう風に見ても日本っぽく無い・・・。残念ながら。勿論『武士道』を前面に出して日本の古来の文化を伝えたいたいと願う製作者側の気持ちが分からんでも無いですが、それも結局は「日本っぽい」と言うより「これが日本です!」と観客に信じ込ませる事が最低条件であったはずです。一番良くなかったのは、懐かしいと感じる事の出来ない風景です。まるでロード・オブ・ザ・リングスの様な風景。もう少し工夫して欲しかったなと思います。そして、渡辺謙の最後の言葉・・・「パーフェクト・・・・」英語かよ!でも、謙さんはカッコよかった!!!野武士にしか見えなかったけど、あれは謙さんの映画です。

色々日本的映画が多い中、一番印象に残ったのが、あのF.F.コッポラの娘の最作品『Lost in Translation』。これは、現在トーキョーが舞台。新宿のホテルで出会うアメリカ2人のプラトニック・ラブを淡々と撮っています。ハリウッド映画っぽく無く欧州映画の雰囲気を醸し出してます。ストーリと日本の関連性は殆ど無く例え舞台がシンガポールであっても、香港であっても良かったんでしょうが、『ラスト・サムライ』よりもずっと日本的で、懐かしさを感じることが少し出来ました。隠しカメラを恐らく使ったであろう映像も効果的に使われていて、日本の独特なサブカルもコッポラ監督なりに吸収し表現できていたと思います。全面的なサントリー宣伝もそこまで鼻につかなかったな。一番ググッっと来たのは、カラオケのシーンで「はっぴいえんど」の不滅の名曲「風をあつめて」が使われていた所です。重要なシーンでさり気なく使われた音源にびっくりしました( コーネリアス小山田圭吾が教えたらしい )。

これから、ドラゴンボールZやルパンが映画化されるそうですね。日本がPOPになる今だからこそ、しっかり日本を描いた作品を熱望しています。

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