-鈴白の自由詩-

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坂の下の安アパートが僕の家 隣のビルのせいで陽があたらない
宝物の電気スタンドと筆 机 空腹も忘れてひたすら絵を描く
こんな家に住みこんな暮らしがしたい
なんてことをキャンバスに塗りたくる流す涙もため息すらも


ねぇ 僕ここで生きてるよまだ絵を描いてるよ
ねぇ そこからは僕が見えるの?僕を認めてくれるの?


坂の上のお城みたいな僕の家 雲の上のような陽のあたり具合
宝物の地位と名誉と満足感 失くすこと恐れてひたすら絵を描く
「こんな風にしろ」と腕も心も何かに縛られたまま
キャンバスを塗りつぶす流す涙やため息の色で


ねぇ 僕ここで生きてるの? 何で絵を描くの?
ねぇ あなたには僕が見えるの? 僕を恨んでくれるの?


宝物は何だっけ? 思い出せずに
いらついて折ろうとした筆がこう言った気がした
「ずっと見てたよ。絵が好きなんだろう?」

ねぇ 僕ここで生きてるよまた絵を描いてるよ
ここからは何が見えるの? 僕が描かずにいられない景色
ねぇ ほら 見てくれよ生きてるんだよ
だって絵を描いてるんだぜあなたにも見えるでしょう?

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