-鈴白の自由詩-

ダイヤモンド






何回転んだっていいさ
擦り剥いた傷をちゃんと見るんだ
真紅の血が輝いて「君は生きてる」と教えてる

固いアスファルトの上に
雫になって落ちて今までどこをどうやって
歩いて来たのかを教えてる

何回迷ったっていいさ血の跡を辿り戻ればいいさ
目標なんて無くていいさ気付けば後から付いてくる
可能性という名の道が幾つも伸びてるせいで
散々迷いながらどこへでも行けるんだ


大事なモンは幾つもあった
なんか随分減っちゃったけど

ひとつだけ ひとつだけ
その腕でギュッと抱えて離すな
血が叫び教えてる「君は生きてる」という言葉だけは


一体どれくらいの間助けを呼ぶ声を無視してんだ
その背中に貼り付いた泣き声の主を探すんだ
前ばかり見てるからなかなか気付かないんだ
置いていかないでくれって泣いてすがる様なSOS


聴いた事ある懐かしい声
なんか随分大切な声

ひとつずつ ひとつずつ
何かを落っことしてここまで来た
ひとつずつ拾うタメ道を引き返すのは間違いじゃない


やっと会えた君は誰だい?
あぁ そういえば君は僕だ
大嫌いな弱い僕を
ずっと前にここで置き去りにしたんだ

何回転んだっていいさ何回まよったっていいさ


大事なモンは幾つも無いさ
後にも先にも


ひとつだけ ひとつだけ
その腕でギュッと抱えて離すな
世の中にひとつだけかけがえのない生きてる自分

弱い部分 強い部分
その実両方がかけがえのない自分誰よりも 何よりも
それをまずギュッと強く抱きしめてくれ


上手に唄えなくていいさ
いつか旅に出るその時は
迷わずこの唄をリュックに詰めて行ってくれ






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