アメリカ人て、いばりんぼ?


ここは南部も南部、深南部。

ディープサウスは保守的な人が多いと
言われている。

だからかどうかは定かでないが、私は
「外国人なんだ」、しかも「アジア人だ」
ということを痛切に感じることがある。

それは何かというと、
アメリカ人(ったっていろいろいるけど)
から発せられる、些細な日常の中の
心ない偏見に満ちた視線や態度攻撃。

ある日、グロッサリーストアのレジで
私がベルトに食料を乗せ替えていると、
前に立ってる先客の白人女性の足元に
コツンとカートの先が当たった。

私が押したのか、彼女が当てたのか
そんなことは問題にならないくらいの
軽い触れ方だった。

自分のせいだとは思わなかったけど、
人として、思いやりのつもりで、
「あっ、ごめんね、大丈夫?」と言った。

その女性は、
一瞬ムッとした顔で私を見てから、
改めてニッと笑い、こう言った。

「大丈夫よ、ただのバッドラック(悪運)よ」
その笑顔は、ホントに意地悪そうな笑い。

アッ、ア・ク・ウ・ンだって言った、今?!
私は見事に、ハトに豆鉄砲を食らった。

そして私にではなく、そこにいたレジの
キャッシャーに向かって、

「ちょっと、傷が出来たと思うけどね」
と、捨て台詞を残して去っていった。

もちろん、冗談で言ってるのは分かる。
しかし、明らかに悪意のあるジョーク。

こんな風に、笑えない、皮肉っぽい冗談、
私は超大嫌い。
だから、それを口にする人も超大嫌いだ。

私が怒ったのは、その捨て台詞だけでなく、
その偏見的な視線ビームにあり。

きっと私がアメリカ人、特に白人だったら
そんなことはなかっただろうと、容易に
想像がつく。

ムカッ腹が立ったので、親しそうに女と
話をしていたそのキャッシャーに、

「礼儀を知らない無教養の田舎者な女ね」

と、言ってやった。
後日、回りまわってあの女にこの言葉が
届けば、それでよしよし、ウッシッシ。

私も、かなり言葉は悪いことは認めるが、
クヨクヨしてなんかやるもんか。

くやしかったら、その悪意に満ちた冗談を
第2外国語で言ってみろってんだ。

狭い世間で生きているから、視野も狭い。
おまけに教養もないとくれば、自分より
立場の低い人間だと決め付けて、見下す。

ああイヤだ、これだから田舎のバカ者は。

2,3日前には別の店で、並んでた列の
真横から、わざとババアに割り込まれるし。
へぇーんだ、ちゃんと「割り込まないでよ、
私の方が先に並んでたんだから」って言う
語学力はあるんだよーだ。

それとも私が、おばさんクサイのか?

こんなことが続くと、アメリカに住むのが
とてつもなくイヤになる。

さっ、夫に電話してグチろうっと。




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