アメリカ人夫の自力生活能力


(略して「自生能」、えっ、略さなくてもいい?)
は極めて低い。
どういうことかというと、
「一人でいかに上手に効率よく生活できるか」
ということである。

ケーススタディその①
例えば、医者から処方された薬が切れたとする。
電話で、また処方してもらおうとするんだけど、
仕事が忙しく、そのままにしてしまい、
結局症状は悪化する。
よくよく処方箋のラベルを見れば、
「何月何日まで2回、再補充可能」とある。
(なあんだ、電話かける必要なかったんだ)
と、気づくが後の祭り。

ケーススタディその②
毎朝オフィスに入るには、会社から支給された
カードキーがいる。これを着ていく服と一緒に
アイロンボードの上に置いておくんだけど、
ほんの20センチ離れたカウンターの上など、
いつもと違う所に置くと、その日は必ず忘れる。
だから、オフィス前で誰かが入るのをこっそり、
しかもわざとらしくない様待たなくてはならない。

これらは、ほんの一部。
だから、妻としては常に気を配り、
夫の自力生活能力をカバーしなくてはいけない。
じゃないと、最愛の夫の暮らしが滞る。

しかしだ。
夫も、結婚する前は一人暮らしをしていたはず。
こんなにうっかり者では、さぞかし不便だったに
違いない。
なんてかわいそうな夫、私がいるから大丈夫よ。
こんな妻を、「超世話好き妻」と、人は呼ぶ。

アメリカの夫たちは、仕事に出かける朝、
かってに起きて、かってにコーヒーなど入れ、
かってに出かける。
その間、奥さんは寝ていても全然OKだし、
間違っても、キッチンからトントンと
包丁の音などさせなくてもいい。

もちろん、うちの夫も私がやらなければ、
何でも一人でやるだろう。
私の「世話やきすぎ行動」が、
夫をダメにしているのだろうか。

ここは、心を鬼にして、
彼がティースプーンで、スープを飲むのも
見て見ぬ振りをしよう。
「夫よ、ディッシュウォッシャーの中に
 大きいスプーンがあるよぉ!」
と、テレパシーを送り続ける妻。

・・・、ティースプーンで飲み続ける夫。
・・・、そして、飲み終わる。
・・・、なんか、憎めない。

ごめんね、夫。
いつも、こんなにマヌケなところばかり、
書いてしまって。
でも、妻はあなたの一番のファンです。



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