ちびっこアジア人参上!


見かけだけはシッカリしているように
見えるらしい。

本人にしてみれば、内心はドキドキ
ハラハラの連続だったりするわけで、
小心者だし、心配性だし、おマヌケな
ことをやらかしたら天下一品でもある。

ここ(会社)でも、それはお約束だった
かのように、こんなことはフツーしない
だろーと誰もが思う失敗をやっている。

それは、働き始めて職場の雰囲気にも
慣れてきた頃、突然訪れた。

会社は、高層ビルの何階もを借りきって
いるので、自分のデスクのある階から
他の階へ、用事ができて行くことがある。

普段は、吹き抜け部分にある中央階段を
使う私だけれど(私だけでなく全社員も)、
その日はなぜか、デスクから程近い所の
「Stairs=階段」と書かれたドアをくぐった。

本人、なんにも考えちゃいない。
ただ、そこにドアがあったから、たまには
こっちから行ってみよう、ぐらいの気持ち。

バタンと後ろでドアが閉まったとき、ふと、
気がついた。

社内はけっこうゴージャスな感じなのに、
ここはコンクリート剥き出しの階段。

「あれっ、もしかして非常階段なの?」と
気付いたものの、この時の私はまだ余裕。

「まっ、いっか」と軽快に階段を駆け降りる。

そして、階下のドアに手を掛ける。

が・・、開かない。(内側からロックされてる)

そう、緊急時のみ避難用に使う非常階段は、
普段はセキュリティのため、外側からは進入
できないようになっているのだ。

ゲッ、ヤバイ。

階段を降りる足どりが、俄然早くなってる私。
ここでやっと事の重大さに気付き、片っ端から
階下のそのまた階下のドアを確かめまくる。

頼むぅ~、
誰かウッカリ者が鍵を閉め忘れていますように。

ところが、
みんなシッカリ者らしく、開いてるドアなど無い。
(ウッカリ者は、私だけだったらしい・・・、号泣)

そんでもって、50ウン階もあるビルを自力で
1階ロビーまで降りる決意もほぼ固まりつつ
ある頃、28階辺りでカチッとドアノブが回った。

よっ、よかった~。
これで、このエンドレスな階段地獄から脱出さ。

っと、思ったのも束の間。
ドアの向こうは、もちろん全くの別会社であって、
しかも目前にジャーンと広がるオフィスルーム。
(せめて、ホールウェイであってほしかった・・・)

そこへ、
これまた突然、ジャーンと現れた見ず知らずの
ちびっこアジア人。

デスクに向かって仕事をしていたアメリカ人、
一斉にこっちを見る見る見~る。

う~ん、
人生思い出してもこんなにはずかしかったのは、
むかーし昔、日本で学生してたときに寝過ごして
京成電鉄小岩駅の車庫に入った以来かな。


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