オカメインコ7羽の賑やか一家

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出産!


ナースセンターのベッドに横になって張りを調べるベルトを付けた。なのに、会社に行くからね~と行ってしまった旦那さん。信じられない!
看護婦さんたちも、産気づいてるのに置いて行くの?って驚いた顔してた。
ナゼ?と思いつつも痛みに耐えて、心音と張りを診てもらっていたら、もうこれはお産になるよと助産婦さんが言う。診察の時に先生も、もう止められないから産もう!と言った。「ハァ?産む?だって早すぎるよ」

痛くて苦しいから、いっそ切ってくださいと帝王切開を希望したけど、やれるだけやってみようと言われ、おまけに低気圧の影響で産気づいた妊婦が私を入れて3人居て、子宮口が一番開いてなかった私が分娩の順は最後だったから、どのみち待たされる運命だった。

陣痛の苦しみを一人で耐えていた私。そのまま順調に子宮口は開き、おしるしもあって、とうとう子宮口は全開した。その時、分娩台にいた産婦さんはとうとう降ろされてしまった。分娩室に入る時に「旦那さんは?」と聞かれたけど、「きっと来ないでしょうし、一人の方が頑張れそうです」と答えて分娩台に上がった。「もう息んで良いよ」と助産婦さんに言われて、踏ん張った!とにかく力いっぱい踏ん張りたかったんだ。破水は助産婦さんがさせてくれたらしい。パン!って音がして頭から温かい水を被った。周りに居た先生も看護婦さんたちも、もちろん助産婦さんまでが被った。「今のは何~?」って聞いてしまった。

目の前の時計を睨みながら息む間、「若いんだから頑張って」と助産婦さんに言われ、「若くありません」と答えたら、「じゃぁいくつ?」って聞かれた。のん気に会話してる場合じゃないよ~、こっちは苦しいのに。でも年齢を答えた私。「あら、ホントに若くなかったわ。若く見えるのに~。」とのん気な助産婦さんと看護婦さんたち。おいおい・・・いい加減出すの手伝ってよ~助けてよ~って思っていた。
誰も居ない時に分娩台で言ったのは、「日向助けて~、優月お願いだから出てきて!」だった。名前はまだ決まってなかったのに。
息んでいたら浣腸してなかったから、たぶんウンチがでちゃった(恥)
分娩台に上がって20分。今までの苦しみがウソのような瞬間。まさに長~い期間、便秘だったのがスッキリした気分だった。それでも息もうとしたら周りから「もう力入れちゃダメ!」って羽交い絞めされた。生まれた赤ちゃんも小さいけど抱っこさせてもらって、後産も楽に胎盤が出せて、そこまでは良かったんだけど、会陰を縫うのが痛い!

先生は産む時に「子宮が破裂したらポン!って音がするからね」とニッコリ笑って言った。破裂?と思ったけどあんまり頭に入ってなかった。会陰を縫いながら先生は「あ、帝王切開の経験がある人は、自然分娩する時に子宮破裂するかもしれないから同意書を書いてもらうんだったけど、それもしてないね~。それどころか、その説明もする暇がなかったね。」と笑っていた。「同意書は今から書きましょうか?」と言ったら、「もう要らないよ~、破裂してないから」との返答。そっか、お産が早まったから、臨月に受ける説明もないままだったんだよね。
そんなことより、産んだ赤ちゃんのことが心配だった。「先生、赤ちゃんは小さいですよね。どうなるんですか?」と聞いたら、「どうしようかね、まずは保育器に入れて、元気そうだったら早めに出してもいいよ。」とニッコリ笑った顔を見てきっと早く出してもらえると思った。

産んだ後、母がナースセンターの外で待ってくれていたと知った。ナースセンターに沐浴のために集められた赤ちゃんたちの鳴き声に混じって、低いうなり声が煩かったと言われた。私は産む時一人じゃなかったんだ。


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