めしやら釣りやら

めしやら釣りやら

しつこく続く






5月6日 その23

ああ・・・。
最終日である。

“ごッゴゴゴゴー”と言う音で目が覚める。
何事かと思い外を見ると
工事現場のおじさんが墓の方で地面を掘っていた。
土曜日でしかも連休の最中というのにお疲れ様である。
時計を見ると8時。
珍しく1回も目が覚めず寝入っていた様だ。
騒音で起こされて、少々ブスッとしながら朝飯の支度をする。

昨日までで大方の食料を食べ尽くしており、唯一残っているのはおとつい買ったフランスパン三分の一。
適当に切り分けバーナーに網を乗せ焼く。
パンの焼ける香ばしい香りがして来たところでバターを塗り火から遠ざけ、
代わりにシェラカップに湯を沸かしコーヒーを煎れる。
コーヒーをキャンプの朝に啜る。
最高である。

天気も上々で今日もいい旅が出来そうであるが、
何せ美並村まで帰らなければならないのでちょっと気が重い。
ここまで400キロ走っており、少なく見積もっても
200キロはあるかと思われる。
道中急がなければ陽のある内に着くのはちとしんどい。
2005-09-27 23:32:42







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* 5月6日 その24 *
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* 荷造りを終え、全体的に “ああ~しんど”という雰囲気を引きずって出発した。 *
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* まだ歯を磨いてないのに気付き、途中のグランドに立ち寄る。 *
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* 何故か流し台が置いてあり、ありがたく使わせていただいた。 *
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* 今日も早どたばたの兆しがちらほらするが気を取り直しグランドを後にした。 *
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* 国道152号線を南下し、高遠から田んぼの真中を西に伸びる農道に乗る。 *
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* 田植えの季節らしくどこの田んぼでも人が入り賑やかである。 *
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* しばらくすると田んぼ一面の景色に民家がちらほら現れ出す。 *
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* 天竜川に掛かる橋を越えると国道153号線に出た。 *
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* 見るとこれはこれはと言うような河原で国道の交通量を気にしなければ魅力的なキャンプ地である。 *
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* どうも今回の旅はキャンプ地に恵まれず、 *
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* ご存知のように1日目は資材置場、 *
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* 2日目は工事のおじさん付の公園である。 *
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* どちらともいい夜ではあったが雰囲気と言う点では今後改善の余地のある問題である。 *
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* 信号を右折しJR伊那駅方面に向かう。 *
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* さすがに街の中は車が多くノロノロとバイクを転がす。 *
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* 5キロほどノロノロ運転に付き合いガソリンスタンドに入った。 *
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* スタンドのおじさんが給油ノズルをタンクに突っ込みながらバイクの荷物を横目でちらちらと見ている。 *
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* ここでも “岐阜から来た事”、 “キャンプ自炊生活”、“これから権兵衛峠を越える事”を話す。 *
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* そんなに珍しいのかな。 *
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* 5月6日 その25 *
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* 国道153号線から逸れたらJR伊那駅に出た。 *
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* 国道361号線に乗りたいのだが商店街の真中にいるようで、何処から道に取り着いたら良いのか判らず、街の中をウロウロ。 *
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* バイクを止めしばらく橋の上で地図とにらめっこをする。 *
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* どうやら、すぐ目の前の交差点を右折すればよいことが解り、再びバイクを走らせた。 *
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* 家が建て込んでいた道路は5分も走ると長閑な田舎道になった。 *
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* ゆっくりと丘を登ってゆく。 *
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* 目の前が開け、広々と田んぼが連なりその先に杉林が見える。 *
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* 濃淡をつけた山の重なり合ったその向こうに将棋頭山。 *
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* まっすぐに伸びるその道をコトコトとバイクを転がす。 *
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* しばらく行くと看板が立っており、この先でこの道は行き止まりとのことが書いてある。 *
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* 時計を見るとまだ10時を少し回った位の時間なので、行き止りになっている所まで行ってみる事にした。 *
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* 看板を超え奥へ向かうと民家が途切れ山裾が左右から迫ってくる。 *
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* 3キロほどでバリゲートの前までやってきた。 *
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* 途中大きな看板が立ててありどの看板も便利さをしきり謳っていた。 *
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* 近頃、工事をしている現場を通りかかるとこの様な看板を良く見るのだが、なんだかやらなくてもいい工事の言い訳を聞いているようで滑稽である。 *
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* 5月6日 その26 *
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* ここから先はまだ工事中。 *
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* これから僕が超える予定である峠への迂回路がすぐ脇にあり、 *
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* バイクを転がし峠の坂道を登る。 *
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* 旧道らしい道幅でのぼりが続く。 *
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* カーブを曲がる度に平地で感じるおおらかさが薄れ、 *
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* 山で感じる心地よい孤立感が増す。 *
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* 芽吹いたばかりの木々の木立が美しく *
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* トコトコとバイクを転がした。 *
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* 僕の生まれは郡上郡美並村(現 郡上市美並町) *
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* 山と川しかない田舎だけど、 *
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* 家の周りの山はそのほとんどが杉の林で *
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* この様に自然のまま残っている林はごく僅かである。 *
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* こうやって自然のまま残っている林が家の近くにあれば、 *
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* 春は芽吹きの淡い緑がきれいだろうし、 *
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* 秋は燃えるような紅葉を見ることが出来る。 *
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5月6日 その27

コトコトとバイクを転がし1時間程時間をかけ権兵衛峠に辿り着く。
晴れていれば昨日までその麓を走っていた南アルプスの山々が見えるはずだったのだが、
あいにく天気は下り坂らしく
ガスっていてさっぱり見晴らしはよくない。

バイクを降りカメラを取り出しぱちりぱちりと写真を撮った。
峠を越える車が3台ほどやって来る。
みんなここからの展望を期待していたらしく
“あ~あ”等簡単な感想を述べていた。
山がはっきり見えないためか、あるおじさんなどはこの峠と尾根続きの将棋頭山をしきりに南アルプスの山だと相棒に説明している。
20分ほどここで休んでから峠を後にした。

峠を下るとすぐ樽川村の看板。
ここから先は木曽でありもうこの道を下ってしまえば国道19号線である。
2005-10-10 21:54:50







5月6日 その27

駐車場にバイクを止め奈良井川に掛かる木で出来た幅の広いお椀型の橋を渡る。
公園を横切り、JRを跨いで民家と民家の間の路地を抜けると軒を並べた民家が連なる奈良井宿のメインストリートに出た。

いちおう信州に来ているのだからそばでも食おうと思い、見当をつけ歩く。
昔は木地師の多かった土地柄らしく漆器を並べているお店が多い。
観光客も多くお店も通りも賑わっている。
店先をのぞきながら歩くと駅の前まで来てしまった。
せっかくだからと駅舎にはいると、地元の小学生が書いたと思われる習字の作品が駅舎の壁に貼ってあり、これはこれはと写真をぱちり。
外に出て時代を感じる入り口もぱちりとやった。

駅から来た道を戻る。
フイルムが残り少ない事に気付き、通りのよろずやに立ち寄った。
店内は菓子、生活雑貨が雑然と並べられてあり観光地らしからぬ店構えに少しホッとする。

今日は土曜日であり連休中にもかかわらず、本日休業の札を出している飲食店などもあり “奈良井宿も捨てた物ではないな”と一人納得。
ようやく通りの中ほどに “そば”と看板のある店を見つけた。
2005-10-14 23:07:24

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