家庭保育室太陽

家庭保育室太陽

きいろグループの療(保)育


大事な時間だから仕方がないと思い私も黙ってその話を聞いている。どうも、「水痘症」が発症しているらしくその対応の仕方を資料に、もとずいて論議がされているようだ。「水痘症」といえば、幼児が罹患する一般的な皮膚病である。普通は発症した子供から「登園」を控えてもらうのだが、ここでは、1人が発症するとその子の潜伏期間生活をともにした子供も「離患者」とみなし、大騒ぎとなっている。通園児の兄弟が発症した場合も、出停となる。私が不思議そうな顔をしていると、ベテランらしき保育士が「障害児は免疫力が弱いので、なんでも、重症になり易いんです。水痘症は潜伏期間に感染しやすいので、罹患したと思われる子供さんには休んでもらいます。」と高飛車におしゃるではありませんか!横に居た私の知り合いの若い保育士は冷や冷や顔で黙っている。そんな打ち合わせが終わるころ、子供の登園が始まった。
殆どの子供が1対1のようで、Aちゃんが来ると担当保育士が飛んで行き挨拶や出席シールを貼ったりさせている。この間もお母さんとの対話が豊かに行われた。(これは、普通の保育園ではなかなか見られない状況で、見習わなければと思うし、私自身大事なことと思う)
10時になると「療育開始」予定では、親子保育(保護者の方は、職員と一緒に子供さんとの関わりの時間を持ちます。一緒に療育する中で子供さんとの触れ合い方、過ごし方、遊び方を考えていきましょう。=『入園のしおりより』)となっていたが、突然の変更で当日は、フリーディ(保護者の方は10時から11時30分まで自由にお過ごしください。その間は、職員が在園児を療育します。在園児の兄弟姉妹は保護者の方とお過ごしください。)となっていた。私は、主に保護者の思いを知りたかったので、保護者と過ごさせてほしいと伝えたが、拒否された。
「療育」はリズム遊び、運動遊び、ふれあい遊び(当日は粉遊びが展開された)がそつなく進められていった。
きいろグループはいわゆる「発達障害児=ダウン症を含む知的発達障害」の子供らしい。というのも、私が子供たちの症状や顔を見て思ったのだ。つまり、現場の保育したちからは何の説明もない。これも、プライバシー保護のようだ。
 粉あそびがはじまった。始まってからシートを広げたり、たらいや他の遊び用具が準備される。
小麦粉をたらいに出して子供たちに粉のサラサラ感を味わわせるということらしい。小麦粉は少しの湿りがありカップに入れてひっくり返すとプリンみたいなものが出来て楽しそうだった。保育したちは、言葉かけも豊かで好ましかったが、途中足りない玩具があったり、思いつき的に手元にない玩具をフリー職員に次々と出してくれと要求していた。(これは、明らかに準備不足としか思えない)遊びが興に入ってくるとたくさんの粉を頭上(座り姿勢)から、ぱらぱらと落とし始めた。見た目には雪のようで美しかったがその微紛にむせるこどももいた。あわてて、水を飲ませていたが、私はこの事態を一番恐れていた。
みるみるうちに、子供も大人も小麦粉まぎれになっていた。汚れた足のまま平気で移動する保育士が居てシートが敷いていないところまで白い足跡が付いていた。
11時半頃、お母さんたちがぼちぼち来室しはじめた。この間におやつの摂取があったにも拘らず、排泄指導はなく、お母さんたちが帰ってくる直前から行われ結局これも、保護者の仕事として、お母さん自身にさせるらしい!「介助やフォロー」は担当保育士がしていたが、シャワーをするのにバスタオルも持たずしてシャワールームに行き体が濡れてから「○○先生!バスタオル頂戴!!」と叫ぶ姿に、何かしら違和感を覚えた。
そして、遊んだ跡のかたずけや、1時間ほど前に食べたおやつの食器洗いもお母さんたちがしていた。
親としてして当然の仕事と言えばそうなのだが、私には腑に落ちないものがあった。
他の「療育センター」を殆ど知らない私なので一切口出しはしなかったが、「見学研修」とはいえ、何の説明もなく療育場面だけを見せ付けられた気がした。その裏には、「部外者は黙っていて!」という大きなバリアがあり、非常に閉鎖的な雰囲気を感じざるおえなかった。
「専門機関」がこんなにも閉鎖的で良いのだろうか?
入園のしおりにある「「地域への働きかけ」とは?
多くのことを学んだがそれ以上の疑問も生まれた。
たった一日の「見学」だけで、私ごときものが何の批判もするつもりはないが、もっといろんな場面を見て学習したいと思っていたが、継続見学をするには、私にもっと学識的肩書きを求められることについて、さらに、ここの、センターの閉鎖性に疑問を感じざるおえない。              


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