留学生らの資格外活動に関して



  飲食店で無届けのアルバイトをして東京入国管理局に身柄を拘束され強制退去処分を受けた中国人女子留学生(25)について、東京地裁の藤山雅行裁判長は17日、「処分を受ければ学業を断念せざるを得ず、収容を解く必要性が高い」として強制送還と収容を停止する異例の決定をした。留学生は、学費を得るためのアルバイトなのに「偽装留学生」扱いされたとして、法相を相手に裁決の取り消しを求める訴えを同地裁に起こしている。藤山裁判長は、1審判決が出るまでの国外退去などの執行を停止した。

 外国人に、日本での生活を続けながら裁判を受けることを保障する判断として注目される。

 決定は、「強制送還すれば本裁判で勝訴しても元の留学生には戻れない」と指摘。「勝訴した場合には金銭賠償を受ければいいとの従来の考え方は、個人の人格の尊厳を基調とする憲法の理念に反する」と踏み込んだ。

 決定によると、留学生は東京都内に住んで首都圏の大学に通う2年生。入学成績が良く、大学の奨学生になり、今年から文科省の奨学金も決まっていた。学費を稼ごうと一時的に新宿・歌舞伎町の飲食店でアルバイトをした際、接客もしている店だったため働くには届け出が必要だったが怠っていた。

 東京入管側は「留学の必要経費を日本での労働に頼っていれば、留学の在留資格外の活動だ」と主張したが、決定は「留学生の多い東アジア諸国の所得水準に照らすと厳し過ぎる」と指摘。「専ら資格外の活動をしていたかどうかは現段階で明らかでなく、逃亡の恐れもない」として、後期の授業が始まる前に収容停止を決定した。

 茨城県牛久市の東日本入国管理センターを約3カ月半ぶりに出た留学生は「後期の授業に間に合って本当に良かった」と話した。

 法務省のまとめでは、昨年1年間で強制退去処分を受けた外国人は4万1935人。このうち無届けアルバイトなど資格外活動が理由になったのは850人。

 法務省入国管理局の話 主張が認められず残念だ。即時抗告するかどうか検討したい。

以上は朝日新聞からの転載。






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