わたしのブログへようこそ

わたしのブログへようこそ

ハワイの神話


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
 意外に知られていない事ですが、実はハワイは大変スピリチュアルな土地であり
神話・伝説の宝庫。ハワイアンは日本人と同じく信心深い民族で、山や海、空、雨
そして虹や風など、森羅万象に神が宿っていると古来信じてきました。それに加え
て漁業やカヌー造り、フラやサーフィンなどなど、職業、芸術、スポーツの守護神
も無数に存在し、かつてはハワイ中に、各々の神を祀るヘイアウ(神殿)が点在し
ていたほど。古代ハワイの生活は、祈りや信仰としっかり結びついていたと言えま
す。元々はあのフラダンスも、神に捧げる儀式の一部だったということ、既に御存
知の方も多いのではないでしょうか?
 そんなわけで今回のニューズ・メールは、そんな奥深いハワイの神話の世界が
テーマ。主要な神々の横顔やハワイ版創世記、そして自然にちなんだハワイらしい
神話・伝説など、ハワイ神話の「基礎知識」をお伝えしましょう!

ハワイの神々    
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
 ハワイの神話によれば、ハワイにはなんと40万を超える神々が存在するそうで
す。その中でも強大なパワーを持つのが、四大神のカネ、クー、ロノ、カナロア。
四大神はハワイ、タヒチを含むポリネシア全体で共通の神々でもあり、例えばタヒ
チでカネはタネ、カナロアはタアロアとの名前で知られています。四大神はタヒチ
からハワイに移った後この世を創造したのだそうで、それがちょうどハワイアンの
先祖はタヒチからやってきたという歴史的事実を表していて、とてもユニーク。
以下、四大神のほか、観光客にも馴染みのその他の深い神々も御紹介しましょう。

◆大神カネ◆
 └─カネはギリシャ神話でいうゼウスのような存在で、全能の神、創造神。天国
 や太陽、星、虹など空に関するものの他、水、風、生命などを司り、この世の創
 造を主導したのもカネ。全ての神の上に君臨する大神で、古代ハワイでは、各家
 庭の祭壇は「カネの石」と呼ばれていました。

◇戦いの神クー◇
 └─ハワイで恐怖の神として君臨しているのが、戦いの神クー(クー・カイリモ
 クとも呼ばれます)。ハワイでよく見かける、歯を剥き出しにした恐ろしい形相
 のティキ像は、実はクーをモデルにしたもの。昔、各地の酋長はクーを守護神と
 して崇め、戦争を始める際にしばしばクーに捧げる神殿を建設しました。カメハ
 メハ大王もまた、ハワイ諸島統一の戦いを始める前に、ハワイ島コハラコースト
 にハワイ最大のヘイアウ「プウコホラ・ヘイアウ」を建てた事で知られています。

◆豊穣の神ロノ◆
 └─戦いの神クーと正反対の性質を持つのが、豊穣の神ロノでしょう。ロノは農
 業、平和、スポーツなどを司る温和な神。古代ハワイでは毎年10月または11月
 から4月間、「マカヒキ」と呼ばれる豊穣を祝う祭典が催されましたが、それは
 ロノに捧げる平和の祭典であり、マカヒキ中はいかなる戦争も休戦となりました。
 キャプテン・クックが初めてハワイ諸島を訪れた時、ちょうどマカヒキの真最中
 で、しかも神話によるとロノは肌の白い人間の姿をしているとされていたため、
 ハワイアンはキャプテン・クックをロノの再来と勘違いして大歓迎したという逸
 話があります。

◇海の神カナロア◇
 └─カナロアは海、魚などを司る神。カナロアが息をするたび、潮流が生まれる
 とされ、古来航海者はカナロアを守護神として崇拝してきました。カナロアを冥
 界の神とする説もあり、そのため初期のキリスト教宣教師によって「悪魔」と間
 違えられた時期も。一般にクジラまたはタコが、カナロアの化身とされています。

◆火山の女神ペレ◆
 └─ペレは火山、炎の女神。ペレが怒ると火山が爆発するとされ、四大神に次い
 でハワイで畏怖されている女神です。姉の女神ナマカオカハイと仲違いをしてタ
 ヒチを追われ、ハワイにやってきたとされ、各島の火山のクレーターは、ペレが
 住処を求めて掘った穴とされています(詳しいストーリーは後述)。今では、ハ
 ワイ島キラウエアのハレマウマウ火口に住むと信じられています。

◇フラの女神ラカ◇
 └─神話によれば、この世で初めてフラを踊ったのがラカ。モロカイ島のある洞
 窟でラカが踊った踊りが、フラの起源とされています。今でもハワイのフラ教室
 の一部には、ラカのための祭壇が設けられているほか、カウアイ島にはラカを祀
 るフラのヘイアウ(神殿)が残され、お参りに訪れるダンサーが今も後を絶ちま
 せん。

◆半神マウイ◆
 └─女神ヒナと人間の父の間に生まれた半神半人マウイは、悪戯好きですが思い
 やりがあり、力持ちで、火を起こす方法を人間に教えたり天を高く押し上げたり
 と、数々の功績があります。ギリシャ神話でいうヘラクレスやプロテウスのよう
 な英雄で、今もハワイの人気者。マウイを「ハワイのスーパーマン」と讃える有
 名なハワイアンソングもあります。四大神に加え、マウイもまたポリネシア共通
 の神。あちこちにマウイ伝説が残されています。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
  山にまつわる神話    
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
■□ ペレの放浪 □■
 火山の女神ペレは海の女神である姉ナマカオカハイの夫を誘惑してタヒチを追わ
れ、ハワイ諸島にやって来ました。聖なる炎を焚き続けるため、ペレには深い穴が
必要でした。そこでまずニイハウ島、カウアイ島とハワイ諸島を北からスタートし、
各地で穴を掘りましたが、そのたびにナマカオカハイが洪水を起こし、穴を水浸し
にしてしまうのでした。やがてペレは、ハワイ諸島最南端のハワイ島に到着。幾つ
かある火山のうち、海から離れているキラウエアにはナマカオカハイのパワーも及
ばず、ペレはようやくそのハレマウマウ火口に、終の棲家を定めることができたの
でした。
 このように、オアフ島ダイヤモンドヘッドやココヘッド、マウイ島ハレアカラな
どなど、ハワイ中に休火山や死火山があるのは、ペレが住まいを捜し歩いた名残り
なのだそうです。

■□ ペレとポリアフの戦い □■
 これはペレとライバル、雪山の女神ポリアフのお話です。ペレはかねてからポリ
アフの美貌を妬んでおり、ポリアフがハンサムな若い酋長を恋人に得た時には、大
変嫉妬しました。そこでポリアフの本拠地であるハワイ島マウナケア山を噴火させ、
頂きに積もっていた雪を溶かして、ポリアフを山から追い立ててしまいました。し
かしポリアフは力を盛り返して山に復帰し、再びマウナケアを雪で包んで、ペレの
焚きつけた炎を消してしまいました。
 こうしてマウナケアは死火山となり、それから噴火することはついぞありません
でした。今でも、ハワイ島マウナケア山、マウナロア山頂では雪が降っても、それ
以東で雪が降らないのは、こんなペレとポリアフの力関係が作用しているから……
ということです。

■□ マウイと太陽 □■
 昔々ハワイでは、太陽が駆け足で空をかけ抜け、さっさと寝床に戻ってしまうの
で、昼の時間が大変短かったそうです。「これじゃ、手仕事がはかどらないわ」。
ある日、母の女神ヒナが嘆くのを聞いた半神マウイは、もっとゆっくり空をかける
よう、太陽に直談判することにしました。
 そこでマウイは、太陽がハレアカラ火山に住んでいることを突き止め、太陽を待
ち伏せする事に。やがて太陽が顔を出すと飛びついて捕まえ、怒鳴りつけました。
「おい、どうしてもっとゆっくり空を渡らないんだ! みんな日照時間が短くて仕
事がはかどらず、困ってるんだぞ」。太陽はマウイを無視しようとしましたが、
マウイにギューギュー縛り上げられて降参。慌てて「わかった、わかった。もっと
ゆっくり空を渡るよ」と約束しました。こうしてハワイでは日照時間が今のように
長くなり、神々をはじめ人間達も大喜びしたとか。ちなみに、ハワイ語でハレは
家、ラーは太陽。つまりハレアカラとは、ハワイ語で「太陽の家」を意味する名称
というわけです。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
  植物にまつわる神話   
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ▲▽ヒナと竹の話△▼
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 ある時、女神ヒナは、竹の苗をタヒチから持ち帰り、家の横に植えました。竹は
スクスクと育ちましたが、ヒナの息子マウイが竹に手を伸ばした時、その尖った幹
で指を切ってしまいました。「痛い! 竹で手を引っかいてしまったよ」。そこで
ヒナは魔力を使うと、竹の幹を裏返しにしてしまいました。そんなわけで今でも竹
の表面はスベスベし、反対に、内部はゴツゴツと節くれだっているのだそうです。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ▲▽ナウパカ悲話△▼
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 皆さんはナウパカという白い花を御存知ですか? 直径1、2センチの可憐な花
なのですが、ちょうど1枚の花を半分に割ったような、半円形をしています。海辺
に咲く「海のナウパカ」、山に咲く「山のナウパカ」と二種類がありますが、この
花について次のような悲話が残っています。
 ある村の酋長の娘ナウパカは、ハンサムなカウイと恋をしました。しかしカウイ
は平民だったため、二人の結婚は許されず、酋長の命令で二人は離ればなれに。嘆
き悲しんだナウパカは海辺で死に、カウイは山で死んでしまい、二人はそれぞれ花
になりました。つまり「海のナウパカ」はナウパカの、そして「山のナウパカ」は
カウイの化身というわけです。この花は仲を引き裂かれた恋人の化身なので、一つ
の花を割ったような半円形をしているのだそうです。(もう一つ、恋人達の仲を引
き裂いたのはペレだ、という説もあります。ペレはカウイに恋をしましたが相手に
されなかったので、溶岩でナウパカを海辺に、カウイを山に追い立てました。それ
を不憫に思ったペレの妹ヒイアカが、二人を半円の花に変えてやった、というもの
です)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ▲▽ハイビスカスの中心はなぜ赤い?△▼
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 昔ハワイに、怠け者の妖精のお姫さまがいました。皆がハイビスカスを赤やピン
ク、オレンジに塗ったり、ヤシの実を殻に詰めたりと忙しく働いている時に、一人
いつまでもビーチで遊んでいるのでした。それを見た母がある日言いました。「い
つまで遊んでいるの。今日は針と糸を持って、ハイビスカスの真ん中にオシベを縫
いつける仕事を手伝いなさい」。お姫さまはいやいや針仕事をしましたが、誤って
指を突いてしまいました。指から垂れた血がハイビスカスの中央を真紅に染め、腹
を立てたお姫さまは、「アンタのせいよ!」とハイビスカスを踏みにじりました。
 しかししばらくして我に返り、お姫さまが謝ると、ハイビスカスは言いました。
「私達はお姫さまを許してあげますよ。でもこれから先ずっと、私たちはいつも花
の中心に血の染みをつけていかなければなりません。これだけは覚えていて下さい
ね。怒りに任せて働いた行いや吐いた言葉は、一生誰かの心に血の染みを残すとい
うことを……」。その言葉を聞いて大変恥じ入り、お姫さまは心を入れ換え、大変
な働き者になった、ということです。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: