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アイルランドでの教育システム

ykollinさん の質問があったので始めようと思いついたページです。

>でも、アイルランドで自己主張しない教育というのは、興味が出る話ですね。
>それは、自己主張の弊害を考慮したシステムなのですか、それとも何か特別の効果を見込んだやり方なんでしょうか?

アイルランドの人口は(Republicでは)99%はカソリックと呼んでいいでしょう。やっとここ十年ほど前から移民がアイルランドから出て行くだけでなく、よそからやって来始めたのです。

だから、学校のほとんどは、今までずっとカソリックの様々なグループから金銭的援助、もしくは先生自身尼さんだったり牧師さんだったりがノルマだったのです。ダブリンにはたった一箇所セキュラー(どの宗教とも関係ない)学校があるのです。私立・公立問わず、カソリックの価値観が取り組まれてるカリキュラムなのだ。

さて、私はカナダで小学校までは公立、そして中・高とセミ・プライベートな大学付属学校へ通ってましたが、ここ数年数人同僚と、もちろんダブリン育ちの旦那と話をして、得た意見があります。

それは、「カソリックの考えでは、自己出張したり異見を唱えたする生徒は、扱いにくいので、そういう生徒を育てないようなシステムを使ってる」という事です。何せローマン・カソリックの思考回路はダーウィンとかも信じず、そのままバチカンの教えを人に伝え鵜呑みにしてることがよくある。「Blind faith」とはまさに盲目に、つまり何も考えずに他人の言葉を間に受けて、信じることだ。

だから、幼いうちからアイルランドの学校では先生の思考は生徒が覚えて繰り返す、ディスカッションとかはもってのほか、一方的な教え方が多いそうだ。テキストとか丸暗記できれば成績は良いのを取れるそうだし、エッセイだって先生の好みのスタイルや興味のあるトピックを選べば体外喜ばれる。その逆に、教えと異なったことを質問したり、ユニークなアイディアやスタイルを表示するなら、「出る釘」あつかいされる。

私は、西洋学校で教育されても日本人風(?)に大人しかったのでしょっちゅう先生は父母に文句を言った。でも、家庭内では「沈黙は金」だったので、「内」と「外」のモードをタイミングよく切り替えられるようになったのは高校最後の頃になってからだった。父には質問したら「口答え」か「減らず口」だといわれ、学校で手をあげなかったら「意見をしっかり表現すべきだ」「自己出張できなければ人生失敗になる」としかられ、幼少時代はつらかったです。

でも、アイルランドの教育は、価値観から間違ってると思います。本当に子供は学ぶべきなのはパターンをつかんだり、歴史だろうが数学だろうがどうやって社会全体や自分個人に当てはめられるか、つまりAnalyticalスキル(って日本語ならなんでしょう)を養う大切さがあると思う。日付とか有名人物の名前を暗記したところで、そして先生の意見を問わず自分も同じことを信じるようになるなんて、時間と勉強の無駄に思えます。そういう学び方から「一を聞いて十を知る」事は到底不可能ではないですか。

アイルランドはUKとのライバル意識が高く、そちらの公立システムに比べたら我らの学校は強いとか言い張ってるけど、程度の低いところに比べたところでどうだっていうんだろうとも思います。もちろん、天才的な子供はどんな環境でもずば抜けてできる生徒になりますが、いよいよカソリックではない家族もここで暮らし始めると、その子供らはセキュラーなシステムを欲してきますよね。今まではいやおうなしにConfirmationだのFirstCommunionだの、ヒンズーの子供も中国人でキリシタンでない子供もただのセレモニーとしてやってきましたが、それは間違ってると思います。

つまり前途は多難なんですね。


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