遠山啓・銀林浩という二人の先生をご存知だろうか。お二人が開発したのが、水道方式という名前の計算方法。
算数の勉強は、簡単な問題から少しずつ難しい問題に移行して行かなくてはならない。まるで、自然に流れる都市の水道のように。この考え方は、現在の算数・数学の基本的な勉強のやり方の基になっている。それは、そうだろう。いきなり難しい問題をだされては、手も足も出ない。少しずつ少しずつ児童生徒に与える問題は、難しくしていくのは、あたりまえと言えば当たり前だ。だが、戦後まもなくのころは、こうなっていなかったのである。
そして、岸本裕史という先生が初めて開発したのが、百ます計算という方法。くわしいことをお知りになりたい方は、百ます計算とパソコンに入力して、インターネットで検索してほしい。この百ます計算を特に重要視し、徹底的に児童に実施したのが、若くして校長になった陰山英男先生。足し算・引き算・かけ算の百ます計算は、正方形の四角の中に答えを書き入れていく。割り算は、1題ずつ54÷9などという問題が百並んでいる。
水道方式の根本の考え方には、私は賛成である。簡単なものから難しいものへと進んでいくという考え方にはまったく問題となることはない。
一つ反対していること。タイルを使うということ。水道方式は、単なる数の計算だけでなく、その数の持っている量感覚をこそ重要なものとして体得させるべきだと主張する。その時に使用するタイルが、私は問題だと思っている。本物のタイルを使う先生が昔はいた。重い。割れる。紙で作る場合もあることにはある。ちょっとしたことで、机から落ちてしまって、子供がいらいらする。先生もいらいらする。最近、タイルを使っている先生はほとんどいないのではないか。量感を重視するという考え方それ自体はとても重要なことではある。が、使用している教具、つまりタイルに問題がある。私は、最初から、タイルというものは、使いにくいと思い、一度も使用したことはない。
最近は、数え棒を使って計算させる教科書が多いように思う。しかし、私は、この数え棒にも、魅力を感じたことがない。手先の不器用な児童にとっては、かなりやっかいな代物である。私の尊敬している向山洋一先生は、百玉そろばんという教具を使うべきだと言う。よさそうである。が、私は、この百玉そろばんの使い方がわからないし、自分でも持っていない。
私は、初任の時からお金を使って足し算と引き算の筆算の計算は教えている。お金だと、何がいいかというと、ノートに図を書きやすいのである。100円を10円玉10枚に書き直したりできるからである。お金を使って、計算を教えている教科書会社は、一社だけだがあるので、お金で今も教えている。
最終的に、児童の中に計算のアルゴリズム、つまりは、計算の順序が理解され、正しく計算できるようになればいいのである。
一つ付け加えておくと、一度だけ、三年生を受け持ったときに、しつこいくらいに百ます計算をさせたことがあった。とても喜ぶ児童が、約3割、とてもいやがる児童が約2割という感じであった。とてもいやがる児童が出るのは、問題だと思い、それ以来百ます計算は、やっていない。百ます計算でやってもいいと思うのは、かけ算である。かけ算の習熟の時に、百ます計算を一ヶ月くらいすると、かなりの力がつくことを付記しておく。
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