教師が忘れてはならないこと
1.まず、一つのわかりやすい指示を出す。それが全員できたのかを教師が確認してから。次の明確な指示を出すことを忘れやすい。というより、教師の方が、あれもやりたい・これもやりたいと思うために、確認を怠ってしまうことが多いのだ。
一度だけ、一年生を担任したことがあった。いくつかのことを指示して何分かたってから、教室の中をやってあるかないか調べてみるため歩き回った。なんと、教科書さえ出していない児童が2人も3人もいる!!
遠くからながめているだけでは、見えないのだ。特に低学年は、なんの悪気もなく、先生の言った指示がわからない。一年、二年生の先生は、クラスのみんなが一人残らずできたかどうか確認する必要が絶対に必要。
私は、それ以来、家の人に今日中にみてもらわなくてはならないものは、休み時間の間に連絡帳に入っているか確認した。たとえば、ギョウ虫のセロファンや検尿の容器など。
2.教室は、失敗する場所だ。「間違う」ことを馬鹿にしたり、笑ったりすることを「先生は絶対許さない」ということを子供に知らせる。
たった一回の失敗で、そのことがいつも心の中をかけめぐることが人間という生き物にはあるのだ。それを笑ったり、馬鹿にしたりする児童は許すわけにはいかない。本当は、校長室へ送り込んで校長からこんこんと話しをしてもらうべきだとさえ思う。「きんちょうしちゃったんだね。」とか先生からの補助的な言葉をかけてあげることが必要である。
3.「ええと」は、発問には不要な言葉である。
私は、授業参観で、気になることのひとつがこれだ。「ええと、・・・・・・・。」「ええと、・・・・・。」と先生が、いちいち何かを言うときに「ええと」をつけるのだ。私は、雑音だと思う。とても耳障りである。
4.話言葉に弾力があるかないか。ぼやっとしたしゃべり方をする教師の授業は最初から楽しくない。ワクワクしない。
言葉が弾む。ぼやっとした発音の先生がしゃべる先生の授業というのは、やる気をなくす。声にリズムがないとお話にならない。特に、しゃべり言葉がだんだん沈んでいくしゃべり方は、病気かもしれない。
私は、自分のしゃべり方がだんだん力を失っていくのを感じ始めた。どこか体がおかしい。そう感じた。それから数日のうちに、私は精神科に入院していた。