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January 8, 2010

『浄土ヶ浜殺人事件』〈２２１〉第７章・逆位置

テーマ：連載小説を書いてみようｖ(10276)

カテゴリ：浄土ヶ浜殺人事件

　美雪はドアとチェーンを外し、彼を中に入れた。
「藤原さん、すみませんが靴のひもをほどいてくれませんか」
　彼は立ったまま呟いた。
「やっぱり、骨を痛めちゃったんでしょうか？」
　美雪が靴紐を解いてやると、彼は慣れない手つきで杖をつきながら、部屋の中へ入ってきた。
「いえ、石川刑事がクッションになってくれたおかげで、骨は大丈夫なんですが、あちこち打って、特に左の腰を強く打撲してしまいまして……普通に座るのも、あおむけに寝るのも一週間は無理、ということで」
「えっ！それは大変…」
「帰るときは阿部刑事の運転で帰ることになりそうです。もう、腰が動かせないんだから、あなたに悪さのしようがないです。動かすのも、上にのせるのもダメと言われてきましたから、安心してください」

　美雪は言った。
「ああ、そっちは大丈夫そうです。止まってたらＡＥＤが出てきてもっと大騒ぎですよ。しかし、ほんとに、あれは臨死体験ですね」
　宮蔵は、柱に身体をもたせかけながら、右の腰からそーっと座布団に座った。
「とうとう、幽体離脱でもしましたか？」
「たった３０秒くらいのことですからそこまでは…ただ、身体をぴくりとも動かせなくなるものですね」
「そうでしょ、あたしも似たような経験があるんです。自転車で転んで…」
　美雪は、背中を強く打って息が止まった体験を語った。
「なるほど。私は昔、柔道で受け身に失敗したときなったのが最初です。その時はやっぱり、死ぬかと思いましたよ。それで思ったんですが、もし、いまの事件の被害者がですね、あのときの私と同じ状態になっていたら、ほとんど無抵抗でしょうね」

＜つづく＞

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　風邪を引いていたせいか、年明けからいままで一瞬でした～

　体調も良くなってきたので、明日からの３連休はほったらかしていた仕事を頑張ろうと思います。
　始動が大幅に遅れました（＾＾；；；

　今年は正月休みが短かった分、３連休で楽しもうという方も多いでしょうね。
　いまはインドア派も増えているのか、初詣の時に行った書店では、ルービック・キューブやトランプ、オセロなどが山積みになっていました。