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January 11, 2010

『浄土ヶ浜殺人事件』〈２２３〉第７章・逆位置

テーマ：連載小説を書いてみようｖ(10276)

カテゴリ：浄土ヶ浜殺人事件

「そういう言い方をされると、いつもは優しくないみたいじゃないですか。あたしは、常に心が優しいんです。この真心に、宮蔵さんが気づかないだけです」
「……」
　美雪が文句をいいながらバスルームでタオルを絞っているあいだ、宮蔵の返事は無かった。
　絶句しているような気さえした。
（そんなに、返答に困ること言ったかしら？失礼な）
　と、思いながら美雪は水を出していた。
「さあ額にあてて」
　水を張った洗面器をテーブルに置いて、タオルを宮蔵に渡した。
「ああ、気持ちがいい」

「ちょっと！黙って額に当てておいてください！なんてオヤジくさいことを……」
「いや、すみません、ついうっかり…病院で、検査の時にいろんなものを塗りたくられてきたから、気持ちが悪くて」
「あたしには、階段から落ちてるところしか見えなかったんですけど、どうしてあんな事になったんですか？」
「単純なことです。犯人役の私が、被害者役の石川君に、犯行時の状況と同じく階段の下方から、上段にいる石川君に、サバイバルナイフを模したボール紙を突きつけたら、彼はごく簡単に私の腕を払いのけて、それでバランスを崩して足もとがすべりました」
「……」
「すぐ、石川君が飛びついて一緒に踊り場まで落ちてくれたから、背中を打っただけで済んだ。衝撃が少なかったのです。そうでなければ、本当に骨折してたんじゃないかな」
「あの階段はゆるやかですけど、冬は薄く氷が張ってますから。勢いづいて転ぶと危険ですよね」
　美雪が言った。
「それで、石川君がプロレスラーを目指したほど反射神経がすぐれている、ということを割り引いても、やはり、上段にいる被害者をナイフで突き上げるのは無理だということもわかりました」
「被害者が抵抗して、突き飛ばされたら終わりですもんね…」

＜つづく＞

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　１月に入ってから、少しずつ日が長くなってきて助かります
　ガーデニングは、１１月から冬至あたりまでが大変です。
　懐中電灯のために、１００円ショップから電池をどれだけ買い込んだか・・・
　１月は日暮れが伸びて、作業時間も少なくてラクです。
　何をしようにも、土も、雪も凍っているので、見回りと水やりくらいしかないです（＾＾；；；

　２００７年の晩秋から育てている、原種っぽいバラのマジカルミステリーに、ローズヒップが実りました。