☆★☆季節の風☆Kazeのミステリ街道☆

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June 21, 2010
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カテゴリ: ダブルキャスト


 佐山は地図を見直した。
「はい、小学校の近くなんで…小中学生を集めて月謝をもらい、子どもの芝居をやらせたりしています。あと、北上さんの一人芝居とかも、家の芝居小屋のほうでやってます」
「私はまだ見ていないが、敷地はだいぶ広そうだね」
「そりゃ、広いことは広いです。だけど、いくら田舎といっても、五稜郭周辺であんなに敷地のある家を持っているのは、そうないですね」
 権太は苦笑した。
「素人芝居の興行だけで、それだけ大きな家を持てるっていうからには、役者っていうのは儲かるものなのかな」
「まさか!俺の後ろに貧乏神が立ってるのが見えるでしょ。去年は、あまりの金のなさにくじけそうになって、『マグロといた夏』のロケ地の下北でマグロ漁師になろうと決めたくらいなんですから。その時も、世話になった漁師の家の女の子に振られて、大間の海岸に飛び込むとこだったんです。そしたら、隆ちゃんから電話があって…」
 彼は、隆一たちに向き直った。

 黙ってろ、と言われてもつい、呟いてしまった。
「そうよね~、あれから小樽へ来て、島守一家との出会いがあったおかげで、貧乏神とやらが見切りをつけようとしているわよ。やっぱり、政治家一家のバックアップは大きかったわ」
 ナオミが笑った。
「ところで、島守家の親父がどうしても身体が動かないので、一義(かずよし)がやっと政界進出とか言ってたけどさ、何に出るの?」
 隆一が訊いた。
「参院選だってさ」
 権太が言った。
「衆院じゃなくてか!まあ、機は熟したってとこだな、彼も35だしな。政界に入るなら、今がいいチャンスだ。で、知事選ならともかく、参院選なら奴は当確だべ。親父の地盤がそっくりあるし、なんといっても青森県は保守王国だから大丈夫だろ」
「腹違いのお兄さんがブレーンだから、根回し力もバッチリ」
 ナオミが微笑んだ。
「なによりもあいつは、『政治とは権力闘争であり、根回しがものをいう』ということをしっかりとわかっている。おい、島守一義が議員になったら、大雨でびしゃびしゃになる家の近くの市道を舗装してもらおうかな」


<つづく>

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 きのう、ゲリラ豪雨のような雨の後始末をしたと思ったら、今日もまた豪雨でした(笑
 今日のはほとんど風がなく、鉢植えが倒れる心配はありませんでしたが、ハーブや草花の種を蒔いていたポットはふたたび水没です

 種蒔き用の用土は、水が溜まらないようにしなければ・・・
 と、当たり前のことを反省しております。
 いままで、このへんは雨も雪もたいしたことがなかったせいで、対策が甘かったですね

 雨が止んでから、郵便局へ行ってきました。



 近くの産直で、バジルとマリーゴールドの苗を購入です。
 バジルの種も流されたと思うので、入荷していて助かりました。

 プロスペリティーは次々と開花中です。



 バラの咲く時期と梅雨が重なり、いつも雨の中で写真撮りです。






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Last updated  June 22, 2010 12:59:13 AM


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