☆★☆季節の風☆Kazeのミステリ街道☆

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July 9, 2010
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カテゴリ: ダブルキャスト


(僕もエレベーター・ジョーカー予備軍かな…)
 と、隆一は思った。エレベーター・ジョーカーとは、数年前に亡くなった世界的ベストセラー作家、シドニー・シェルダンのあだ名である。
 躁鬱症を抱えていた彼は、閉鎖空間であるエレベーターの中で、必ずジョークを飛ばすので、そう言われていたということだった。
 隆一も、緊張を強いられる場面では、神妙になるより茶化してしまうほうなのだった。
 ミーシャはデスクにある電話機の短縮ボタンを押し、相手が出るやいなや、
「かけそば、天ソバ、月見、カツ丼」
 と告げて受話器を置いた。
(あるのかよー、カツ丼)

「ソバ屋って、こんな時間までやってんだな」
「大正館の張田食堂だって、何時でも千戸警察署に出前を出してるわよ」
 ナオミが微笑しながら言った。
 電話してから20分くらいで、白衣の上にダウンを着込んで、おか持ちを持ったソバ屋の若い店員が来た。
 まだ20代半ばくらいの青年が、黒々とした髪を耳のあたりで切りそろえ、真ん中分けにしているのが気になり、彼がソバをミーシャのデスクに置いて消えるまで、つい目で追ってしまった。
「若いのに、地味な髪型してるなあ」
「あれ土方歳三の髪型だよ、隆ちゃん」
 権太が言った。
「函館は多いわよね、土方カットの人。老いも若きも、真ん中分けで黒々、ツヤツヤなの」
 ナオミも、月見ソバの丼にかかったラップを開けながら呟いた。
「そうか、土方歳三は、土地のヒーローなんだな」

「土地土地に、歴史人物に文学者とか、心のよりどころになるヒーローっているよな。小樽は、蟹工船の小林多喜二、青森県なら津軽地方の太宰治とかな」
「いまは高知の龍馬もブームよね」
 彼らが雑談している間、ミーシャは黙々とソバをかっ込んでいた。
 それも、ラップの真ん中を破いてダイレクトにすすっている。

<つづく>



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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 今朝は、数日ぶりに早朝の見回りに出られました~
 涼しい午前中も、10時頃になるとハチが出て、午後は夕方の7時近くになると蚊などが飛び交います。
 いまの時期は、朝の4時半から5時半ころが、ゆっくりと菜園の観察ができる時間です。
 そろそろ、カボチャも盛んと花が咲いて、実が付きそうな予感です

 ゴーヤーが順調に育ち始めました。



 ツルが出てきたので、あともう少し伸びたら摘芯します。

 夕方はあまり時間がなく、水やりをした後は、サヤエンドウを収穫し、枯れかけたツルを片付け、栽培終了としました。

 最後に、タネになりかけのサヤが出てきました。



 もうしばらく置いておければタネが採れるところでしたね~
 見えづらい場所に隠れていて気づかなかったです
 空いた場所には、キュウリか、インゲンのコンテナを置いておこうと思います。






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Last updated  July 10, 2010 01:17:30 AM


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