☆★☆季節の風☆Kazeのミステリ街道☆

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November 12, 2010
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カテゴリ: ダブルキャスト


 この地区には、新興の成金たちはほとんど住んでいないので、どこか沈滞した空気が漂っている。
 てる子も、文章教室の収入だけでは食べていけなくて、年金で補っていると言っていた。
 実情はそうなのだが、格調高い地区ではある。
「博物館も、何もないように見えても、外の城跡まで見歩けばかなり時間がかかりますよ」
 鮎子もクールダウンしながら言った。
「あのへんは史跡が多いですからね。歩き終わったら、近くのビストロでランチでもどうでしょう?」
「あ、ご存じなかったのね。博物館のところのビストロ、シェフが亡くなって、奥様が店をたたんでしまったんですよ」
「えっ…!それは残念だなあ。うちの親父と同じくらいの歳なのに…。体格が良くて、とても早死にしそうに見えなかったんですけどね」

「やっぱり青森県は短命県なのかな。高校生のときに入り浸った喫茶店を訪ねようとしたら、肝心のマスターが、まだ若いはずなのに亡くなって閉店、となってました。歳を取ったら、山の中でロクロを回していたい…って、言っていたんですが…」
「自営だと、なかなか健康診断に行きませんものね。ちゃんと健診に行っていたら、まだお元気だったと思います。それでなくても、一生ってあっという間なのに」
 鮎子がエアロバイクを降りて、言った。
「僕も35だとやっぱり、人生半分来たな、って気がしますよ。青森県は短命県、って言われてきたから、なんとなくそう思ってきたのかもしれませんね。日本男性の平均寿命はもう数年あるはずですが」
 隆一は言った。
「私だって40になったとき、そう思いましたわ」
 鮎子が笑った。
「鮎子さんは長生きしそうですよ」
「隆一さんもね。でも、だいたい半分くらい生きたな、って思うと、これからの半分は後悔なく生きたいと思うんです。…なんせ、失敗ばかり重ねてきましたから、少しは賢くならなくちゃ」
 鮎子は舌を出した。
「僕だって迷走してますよ。この先だってどうなることやら」

「え!?」
 突然、キリスト教の聖人、聖ルカの話が出て戸惑った。
「『千戸通信』のインタビュー記事を読んでね、隆一さんは私と同じ幼稚園に通っていたことがわかったの」

<つづく>

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 午後から、母に付き添って病院へ行ってきました。
 2ヶ月はあっという間ですね~
 前に行ったときは、やっと猛暑が一段落して、過ごしやすくなってきた頃でしたが、まだまだ暑かったのなんの(^^;;;
 今日も、意外に暖かかったです。
 雨が降ったり止んだりしていたせいもあるでしょうね。
 建物の中に入ると暑い・・・

 待ち時間の間、テレビでは黄砂のニュースを伝えていました。
 なんだか春先みたいですね。
 西日本では春一番のような風が吹いていた、とも聞いたので、また異常気象か!?と思ったりしています。

 久しぶりに中心街に立ち寄って、役所のあたりの写真を撮ってきました。



 街中はすっかり秋色が濃くなっていました。
 文具店でマーカーなどを買って、コンビニに寄って帰宅です。
 ローソンのスイーツを新しいのが出るたびに食べてみて、今日、無性に食べたくなったのがコレです。



 プレミアムロールケーキです。
 大ヒット商品になりましたね~~~
 コンビニのスイーツでも、作っている工場はあちこちにあります。
 これは、いまのところ青森の工場で製造している・・・と思います。
 生クリームの甘さがわりと控えめで、飽きがこない味ですぺろり






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Last updated  November 13, 2010 01:37:41 AM


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