☆★☆季節の風☆Kazeのミステリ街道☆

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November 30, 2010
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カテゴリ: ダブルキャスト


 隆一が訊いた。
「本当は、そう考えるのが一番、自然なのだが…」
 ミーシャが上目遣いになってつぶやいた。
「そうなると、岡田君が安達一樹をかばう理由が思い当たらないですよね」
 ナオミが言った。
「そうなんだ。安達と岡田の間には、なんの関係もない。岡田は、彼が森田麻衣のストーカーであるということを知っていただけだ。…だが、容疑者からはずすことはできない。実際に函館山まで追いかけて行っているんだからな」
「そうですね、演出家の谷村、そして『小さな夢工房』の北上夫妻、ストーカーの安達一樹、3人ともに動機はあります」
 彼女は写真に視線を落とした。

 ナオミは、岡田が白い逆光に背を向けている写真を取り上げた。
「岡田君、なんでこんなに簡単に死んでしまったの。佐山さんがこれほど、あなたのことを案じていたのに、ひとりで解決しようとするなんて…」
 声を詰まらせながらも、ナオミが表情を崩すことはなかった。
「しかし、絵のような写真だな」
 ミーシャは、岡田の後ろ姿が写った写真を見て、言った。
「そういえば、そうですね。なあ、これは一眼レフのほうの写真だろ?沢田さんたちの、お母さんが撮ったほうだろ」
 隆一は訊いた。ミーシャは、ナオミの様子を見て話題を変えようとしていた。
「そうよ。すこしピンぼけ気味だけど、いい写真よ。全部見てみると、写真はお母さんのほうが上手だったわ」
 ナオミが言った。
「鮎子さんのも、構図がしっかりしててキレイだけどな」
「もちろん鮎子さんもお上手よ。でもあの人は、写真を撮る目的があくまで『記録』なのがわかるの。それで広角を多用して、無感情に撮ってるのね。…それと比べて、お母さんのほうは、心で感じた好きな風景だけに目を向けているのが伝わってくるわ」

「てる子さんは、写真を撮るのが好きな人なんだな。私の母もそうだ。皆に褒められる」
 ミーシャが言った。



<つづく>

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 今日で、11月もおしまいですね~
 時間はもう、12月1日になっています
 今年もあと1ヶ月なんて、あまり実感がないですね^^;
そろそろ来年の手帳やカレンダーを買ったり、年賀状を作成したり、とすることは山ほどあります。

 菜園のほうも、冬越しの作業が始まります。12月は、オフシーズンのようでいて、意外にすることが多いです。
 とりあえず、明日か明後日にでも寒肥など、冬越し用の肥料を買ってきたいです。
 今年は寒波が長続きしないせいか、バラやブルーベリーなどはまだまだ葉が残っていますが、土が凍らないうちに肥料を埋め込んでおきます。



 いま、写真ネタがあまり無いため、今日もコンビニスイーツの写真です。



 これはスティックタイプのクレープです。
 中に生チョコが入っていて、クセになるおいしさです。





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Last updated  December 1, 2010 01:34:21 AM


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