探偵Qちゃんの探偵な日々

探偵Qちゃんの探偵な日々

浮気調査 編



調査としては、良くある「浮気調査」だったんですが、この調査は既に別の調査
会社が調査をしたものだったんです。

じゃ、なぜ調査をするのか?

その辺から話していきますね・・・

依頼者は20代の女性でした。

「あの~、ちょっと相談なんですけど・・・」

「どうされましたか?」

「実は夫の浮気のことなんですが・・・」

「浮気ですか。詳しく聞かせていただけますか?」

「はい。実は夫とは半年前から別居してるんです・・・別居というより、夫が家
に帰ってこないんですけど・・・」

「どういうことですか?」

「夫は実家で寝泊りしてるんです。実家の両親には離婚すると言ってるみたいで
・・・」

「何かあったんですか?」

「夫に女ができたんです。仕事からの帰りが遅くなるようになって、いつの間に
か結婚指輪も外してましたから、気になって聞いたんです。

『結婚指輪は?』

って・・・

そしたら

『仕事の邪魔になるから』

って・・・

それからは、朝帰りすることもあったりで、お給料もまともに入れないようにな
ったんです・・・」

「それはひどいですね・・・」

「両親に相談したら、

『きっと浮気だろう』

って言うんで・・・

私の両親はもともと夫のことを気に入っていませんでしたから、

『もし浮気をしていたら離婚しろ!』

って言って、探偵会社に調査を依頼したんです。」

「結果はどうだったんですか?」

「それが・・・」

「ん?」

「探偵会社から渡された報告書には一応、女性の姿は映っているんですけど、ぼ
やけてる上に小さくて・・・写真もたくさんあるんですけど、ほとんどが風景写
真なんです・・・」

「持っておられますか?」

「はい」

「見せてもらっていいですか?」

「えぇ、これです。」

依頼者の差し出した報告書は、僕も名前は聞いたことのある探偵会社のものでし
た。

中身を見ると・・・

『へ?まじ?本当に風景写真ジャン!なんでこんなにぼやけてるの?え?これが
浮気相手の女性?これじゃ男か女かわかんないじゃん・・・はっきり言って、ひ
どい!』

正直な感想です。

「これじゃ使えないですね・・・」

「えぇ。私もあんまりひどいんで探偵会社に言ったんです。

『こんなんじゃ、何が何かわかりません!』

って。そしたら・・・

『うちはばれないようにちゃんと調査してます!』

って言われて・・・

「ひどい話ですね・・・」

「両親も納得してませんし、私も夫とよりを戻す気はなくなりましたから、離婚
する決意はできてるんですけど、子供もまだ小さいですし、私の両親は

『子供の事は心配しなくていい』

って言ってくれてるんですけど、私としては夫から慰謝料と養育費はちゃんと払
ってもらいたいんです!」

「わかりました!本物の探偵の意地をかけて、しっかり調査しますから安心して
ください!」

「・・・・・・」

「ん?どうされました?」

「また、同じような結果にはならないですよね・・・?」

「安心してください!きっと満足のいく調査報告書をお渡しできると思いますか
ら!もちろん、浮気してたら、ですけどね。
もし、今、浮気してなくても、離婚コンサルティングでがんばりますから!」

「そうなんですか!それを聞いて安心しました!よろしくお願いします!」

こんな話があって、依頼者の夫の浮気調査をすることになりました。

「そうなんですか!それを聞いて安心しました!よろしくお願いします!」

こんな話があって、依頼者の夫の浮気調査をすることになりました。

次の日、クライアントからご主人のことについての情報を貰い、調査を開始!

まずは対象者の自宅(実家)と職場の下見。

自宅は住宅地の中にあり、人通りもけっこう多目・・・

逆に職場は田舎の山手にあって、人通りは極わずか・・・

ま、いくつも調査をしていれば、いろんなシュチュエーションが有りますからね
・・・

こればっかりは文句は言えません。

車輌追跡装置のセットも完了し準備OK!!

調査は職場での張り込みからスタートです。

職場を見渡せる高台に車を止めて待つこと2時間。

対象者が職場の駐車場に姿を現しました。

カメラのモニターに映る対象者は、子供を持つ父親には見えないような、若くて
やんちゃな感じの男性です。

そのまま車に乗り込み帰るのかなと思いきや、後から出てきた職場の同僚と話を
はじめ、結局1時間ほどの立ち話・・・

すっかり暗くなってから、ようやく車に乗り込みました。

車が発進したことを確認して、僕らも発進。追跡開始です!

ところが・・・

この対象者、車の運転が好きなのか、ただ運転が乱暴なのか、めちゃくちゃ飛ば
すんです!!

おまけに、とんでもない脇道キラー・・・

主要道路なんか全然走らない・・・

住宅地の中や、田んぼの農道やらをガンガン走るんです!

こっちは着いていくのもやっと・・・

でも、あまりにも脇道や裏道ばかりを走るから、僕らが尾行していることがばれ
る危険性が出てきたので、ちょっと距離をおくことに・・・

『車輌追跡装置を着けといてよかった~』

少し後追いで追跡を続け、着いた所はリサイクルショップ。

対象者は車を駐車場に停めるとさっさと店内へ・・・

僕は調査員さんに車に残ってもらい、店の中へ。

中では対象者が店員と親しげに話しています。

きっと、常連なんでしょうね。

結局、お目当てのものが無かったのか、何も買わずに店を後に・・・

また走り出して、相変わらず脇道キラー状態の走行・・・

30分ほど走って、自宅に到着してしまいました。

Q「帰っちゃったね・・・」

調「そうですね・・・」

Q「ま、ちょっと張り込んで様子を見ようか。」

調「はい、そうですね。」

僕らは対象者の自宅がかろうじて見えるところに路駐して張り込みました。

それから2時間が経過・・・

まったく動きなし。

Q「今日はもう動かないかもね~」

調「そうですね・・・」

Q「腹、減ったね・・・」

調「僕も減りました・・・」

Q「今日は引き上げよっか!」

調「はい!」

こんな会話を調査員さんとしてたとき!

突然、対象者の車のライトが点灯しました!

そして、車はいきよいよく発進!

ビデオ撮影を調査員さんに任せて、僕がハンドルを握りました。

『はて。こんな時間にどこにいくんだろう・・・』

このとき、時刻は午後9時・・・

調「今から彼女に会うんですかね?」

Q「どうかな~、今はなんとも言えないしね~」

調「それにしても、裏道好きですね・・・」

Q「ポイントだけ押さえてビデオ回しといてね。」

調「はい、了解です。」

それから・・・

車はどこに立ち寄るでもなくどんどん走っていきます。

途中、高速道路も利用して・・・

走ること・・・・3時間・・・

僕の目の前には・・・海

対象者の車は大きな波止場の駐車場に止まったんです・・・

そこには対象者の友人が何人か先に来ていて、待ち合わせをしていたんですね・
・・

対象者と友人はそこから少し離れた所に車で移動して、道路の脇に車を駐車しま
した。

対象者は車のトランクを開けなにやらゴソゴソ・・・

『何が出てくるんだろう?』

って、ドキドキしていると、対象者が取り出したのは・・・竿

そう、釣りをしにきたんですね・・・

友人の中に女性はいないかと探したんですけど、全員男性・・・

Q「はぁ・・・」

調「はぁ・・・」

Q「趣味が釣りって知ってた?」

調「Qちゃんが知らないのに、僕が知るわけないですよ!」

Q「そうだよね・・・」

調「・・・・・・・・」

Q「帰ろっか・・・」

調「そうですね・・・」

Q「運転・・・」

調「・・・・・」

Q「するよ・・・」

結局、その日の調査はこれで終わり・・・

僕が事務所に着いたのは、もう朝でした・・・

『くそ~!絶対に浮気の証拠を押さえてやる~!』


僕が事務所に着いたのは、もう朝でした・・・

『くそ~!絶対に浮気の証拠を押さえてやる~!』

そんな思いを胸に、その日は床に着きました・・・

明けて二日目。

土曜ということもあって、調査は朝から・・・(眠い・・・)

対象者はもう家に帰ってるんでしょうか・・・

たいして寝た気もしないまま、約束の時間に調査員と合流。

調査現場に向かいます。

調 「今日は女に会いますかね・・・」

Q 「そうだね~、そればっかりはなんとも言えないね~」

調 「とっとと会ってくれたらいいんですけどね~」

Q 「う~ん、会ってくれるように祈るしかないね~」

調 「昨日みたいなのは簡便ですからね・・・」

Q 「・・・・・・」

調査員さんの言葉に、なぜか刺を感じながら車輌追跡装置で対象者の車の位置を
検索。

あらら・・・

まだ家には帰っていない様子・・・

でも、自宅に向かって進行していることは確かなので、そのまま対象者の自宅付
近で待機。

1時間もしないうちに対象者の車が自宅に戻ってきました?

トランクを開けて釣竿をおろしています。

どうやら、朝までずっと釣りをしてたんですね。

釣りが趣味の僕としては、なんとも羨ましい限り・・・

対象者が家の中に姿を消して1時間。

まったく動きなし・・・

調 「寝たんでしょうかね?」

Q 「たぶん、そうだろうね。」

調 「Qちゃんは帰ってから寝ましたか?」

Q 「うん。少しは寝たよ。全然、寝た気がしないけど・・・寝た?」

調 「えぇ。寝ましたよ。ま、今回の調査は僕の家と現場がわりと近いですから
ね~」

Q 「そうだよね・・・。(帰りの車の中でも寝てただろうが~!)」

調 「とりあえず、待つしかないですね。」

Q 「うん。そうだね。じゃ、僕はちょっと目つむるから!」

調 「え!マジっすか!?」

Q 「マジっすよん!(-m-)ぷぷ。動きがあったら起こしてね~」

調 「・・・・・・・・・」

って言ってもね、なかなか寝られるもんじゃないんですよね・・・

神経が調査モードになってますからね。

途中、何度か調査員さんと交代で目をつむりながら張り込みを継続。

結局、夕方までな~んにもなし・・・

暗くなってからようやく動きがありました。

6時を回った頃に対象者が車に乗って家を出たんです。

対象者は30分ほど車を走らせ(相変わらずの脇道キラー走行)古い住宅地の中
をくるくる回ったかと思うと、表通りに面した小さな居酒屋の駐車場に車を停め
て、そのまま店に入っていきました?

調 「飯ですかね?」

Q 「う~ん、どうだろう・・・初めて来るって感じじゃなさそうだね。」

調 「女と待ち合わせとか?」

Q 「さっき、住宅地をくるくる回ったでしょ。たぶん彼女の家があるんじゃな
いかな。で、彼女が家にいないからここで待ってるっていうのが、僕の推理。」

調 「ふ~ん。」

Q 「どう思う?」

調 「僕は推理とか苦手だし・・・」

Q 「あ、そ・・・」

調 「・・・・・・」

Q 「じゃ、行こうか。」

調 「行こうかって、中に?」

Q 「うん。まさか居酒屋でトイレだけ借りて出てくることはないだろうし、何
か話が聞けたらラッキーでしょ。」

調 「ま、そうですけど・・・大丈夫ですか?」

Q 「何が?」

調 「僕らの顔がばれたりしませんか?」

Q 「嫌なら車で待っててもいいよ。僕はなんか食おうかな~」

調 「い、行きます!」

ビデオカメラを再チェックして店の中へ。

店内はカウンターとテーブル席のある、ごく普通の居酒屋。

対象者はカウンター席に座って焼酎の水割り(カットレモン入り)を飲みながら
カキフライを食ってました。

対象者の前には対象者の名前の書かれた焼酎のボトルが・・・

やっぱり常連のようですね。

対象者のボトルには、対象者の名前の横に女性の名前が並んで書いてます。

クライアント(対象者の妻)の名前じゃないのは確実。

対象者を横目に僕らもカウンター席に座りました。(ビデオスタート プチ!)

適当に料理を頼んで対象者とマスターの会話に聞き耳を立てますが、ただの世間
話・・・

ビデオテープの時間を気にしながら様子を伺います。

と、対象者の携帯電話が鳴りました!

対 「なんで家におらんの? ニコニコ」

Q 『お!彼女か!?』

対 「な~んや、仕事やったんや。さっき家に行ったらチャリンコなかったしな
。 ニコニコ」

Q 『やっぱり!』

対 「今はいつもの店にいるで。迎えに行ったるわ。 ニコニコ」

Q 『ラッキー\(^^\)(/^^)/チャチャチャ』

対 「チャリンコなんか駅に置いといて、明日取りに行ったらええやんか。 ニ
コニコ」

Q 『そうだそうだ!』

対 「ほなすぐに行ったるから待っときや!プチ ニコニコニコニコ」

Q 『なんちゅう、にやけた顔なんや・・・』

対 「マスター!すぐに戻ってくるからこれ、このままにしといてな!ニコニコ
ニコニコ」

Q 『行ってらさ~い』

そう言うと、対象者は一目散に飛び出していきました。

調 「どうするんですか?」

Q 「どうするって、このまま待ってたらいいやん。どっちみちここに戻ってく
るんやし、着いて出て行ったら今度入れなくなるやん。」

調 「あ~、なるほど。」

Q 『まだまだだね・・・』

調 「じゃ、今の内に食べときます。」

Q 「普通で良いよ。それよりそっちのビデオカメラを店の入口に向けといてね
。二人が入ってきたら顔が撮れるから。」

調 「あ、はい。」

待つこと15分。

ガラガラガラ

店の扉が開き、対象者と女性が仲良く店に入ってきました!!

二人は対象者と並んでカウンター席に座り、女性はビールを注文。

対 「お疲れ~ ニコニコ」

女 「お疲れ様~ ニコニコ」

乾杯をした後の彼女の飲みっぷりはなかなか・・・

その後の二人の会話から、彼女の名前と、対象者のボトルに書かれた名前が同じ
事。

二人の関係が友人以上の関係であることがわかり、いつから付き合ってるのかも
わかりました。

対 「腹減ってるやろ、なんでも注文しいや!ニコニコ」

女 「マスター、いつものあれとあれとあれ~ ニコニコ」

Q 『彼女におごったる金があるんやったら、嫁さんと子供に生活費出したらん
かい!!』

僕がそんなことに腹を立てていたとき、僕の携帯電話が鳴りました。

誰だろうと思って携帯電話を見ると、そこには対象者の妻、つまり、この調査の
クライアントの電話番号が表示されてたんです!

僕は慌てて店の外に飛び出しました!!

誰だろうと思って携帯電話を見ると、そこには対象者の妻、つまり、この調査の
クライアントの電話番号が表示されてたんです!

僕は慌てて店の外に飛び出しました!!

Q 「はい、もしもし、お待たせしました。」

ク 「いきなりすみません・・・」

Q 「どうされたんですか?」

ク 「え、あ、はぁ・・・調査の進展具合はどうかなと・・・」

Q 「安心して下さい!ちゃんと調査してますからね!?

ク 「そうですか。ありがとうございます。」

Q 「いえいえ。」

ク 「で、女はいましたか?」

Q 「え、あ、はぁ・・・それについては調査が完了したら全てを報告しますか
ら。」

ク 「と、言うことは、証拠が取れたって事ですね!?」

Q 「ですから、後日、ちゃんと報告しますから・・・」

ク 「もしかして・・・、今も一緒にいるんですか!?」

Q 「いやいや・・・」

ク 「いるんですね!!何処ですか!?どこで女と会ってるんですか!?」

Q 「まぁまぁ、ちょっと落ち着いてください・・・」

ク 「教えて下さい!どこなんですか!?」

Q 「落ち着いて下さい!ちゃんと調査してますから!ん?外におられるんです
か?」

ク 「えぇ、なんか気になったから夫の家の近所を車で走ってたんです!!」

Q 「そういうことは調査中はしないで下さいってお願いしたでしょ!おとなし
く家に帰って下さい!」

ク 「と、言うことは、近くに夫と女がいるんですね!?」

Q 「なに言ってるんですか・・・今日はおとなしく帰って下さい!」

ク 「・・・・・・わかった!!」

Q 「へ?」

ク 「○○の居酒屋でしょ!!」

Q 『な、なんで知ってんの!?!?!?』

ク 「ね!Qちゃん!そうなんでしょ!?」

Q 「とにかく今日は家に・・・」

僕が話し終えるまでに、居酒屋の前に白のセダンが勢いよく入ってきました!!

運転席には顔を強張らせたクライアントの姿が・・・

僕は慌てて助手席のドアを開け、車に飛び乗ろうとしました。

ところが!

助手席には・・・

幼い子供がいるじゃないですか!!

子供は

「おじさんも乗るの?ね、乗るの?」

と言って後ろの席に移ってくれたので、僕は助手席に乗ることに・・・

すると・・・

「この人だれ!?」

『なんじゃ~~~~~!!』

僕は思わず後ろを振り向きました!!

そこには中年の女性の姿が!!

『あんたこそ誰~~~!!』

僕はクライアントと中年の女性の顔を交互に見ます・・・

ク 「あ、母です。」

母 「この人、誰?」

ク 「あ、探偵Qちゃん」

母 「あ、あなたがQちゃん。初めまして。お世話になります。」

Q 「あ、は、どうも、Qちゃんです・・・」

ク 「ねぇQちゃん!!夫と女は中にいるんでしょ!!」

母 「本当に!!どんな神経してるんだか!!」

Q 「そんなことより、いったい何してるんですか!!お子さんやお母さんまで
連れてきて!!」

ク 「だって、我慢ならないじゃないですか!!子供をほったらかしで女と飲ん
でるなんて!!」

母 「そうですよ!!一言、言ってやらないと気がすみませんよ!」

Q 「奥さんも、お母さんも落ちてください!!なんのために調査してるんです
か!!」

ク 「だって!!」

Q 「だってじゃないですよ!!こんなところに子供をつれてくるなんてどうか
してます!!」

ク 「でも、店の中に二人がいるんでしょ!?一言くらい言ってやってもいいじ
ゃないですか!!」

母 「そうですよ!!悪いのは向こうなんですから!!」

Q 「そういう問題じゃないんです!!今はちゃんとした証拠を押さえてるとこ
ろなんです!!この証拠はこれからの子供の生活のためにも大切なものなんです
!!それをわかってるんですか!!」

ク 「そんなこと言ったって・・・」

Q 「大丈夫。僕に任せてください!!ちゃんと証拠を押さえますから!あとは
離婚コンサルティングでも頑張りますから!ここは僕に任せて帰ってください!
お願いします!!」

ク 「・・・・・・・・・・・・」

母 「・・・・・・・・・・・・」

Q 「お母さんも、落ち着いて下さいね。娘さんと一緒に帰って、お孫さんと遊
んであげてくださいよ。」

母 「はぁ・・・わかりました・・・」

Q 「ここにいることを見られたらまずいですから、僕は中に戻りますから、す
ぐに引き上げてくださいね!間違っても、変なことは考えないで下さいね!」

ク 「はい・・・わかりました・・・」

Q 「じゃ、行きますから・・・」

そう言って車を降り、車が走り去るのを見送って店の中に戻りました。

『ホッ・・・』

店の中に戻ると、相変わらずの二人の笑い声・・・

調査員さんは一人寂しそうに僕のほうを見ていました。

調 「どうしたんですか?遅かったじゃないですか・・・」

Q 「ごめんごめん、ちょっと話が長くなってね。」

調 「そうなんですか・・・一人になったから、どうしようかと思いましたよ・
・・」

Q 「なにか進展はあった?」

調 「いえ、ずっとあの調子ですよ・・・ さっきなんかは手を繋いでいちゃつ
いてはしゃいでましたからね・・・」

Q 「ビデオはちゃんと回ってる?」

調 「それは、バッチリです!」

その後、1時間ほどして、対象者と彼女は対象者の車に乗り、近くのホテルへと
姿を消しました。

後は、みなさんのご想像のとおり・・・

この調査で集めた証拠を元に、離婚調停・・・

対象者の収入が少なかったせいもあり、充分とはいえない額の慰謝料と養育費で
したが、ある程度の条件を満たして離婚は成立!!

ま、まずまずの結果ですかね・・・

それにしても、あの時は焦りましたね・・・

過去にも何度かこういうことはあったんですが、まさか、子供や母親まで同伴と
は・・・

でも、こういうのはいくら子供が幼いとはいえ、見せるもんじゃないと思います
ね・・・

僕の性格的にはできるだけ穏やかにことを収めたいもんです・・・


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