花の歳時記 (天南星の魅力&山野草)

花の歳時記 (天南星の魅力&山野草)

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2024.09.19
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カテゴリ: 園芸
中日春秋(書写) 


残暑なほ報われなくも秋簾



     立つだけである。周囲に日を遮る建物もない。昨日、日傘を持参す
     るのを忘れ心底から後悔した▼道路の混雑のせいかバスは定刻にな
     っても姿を見せず、自分はジリジリと太陽にやかれた。9月も半ば
     なのに、なんて暑いのだろう。隣に立つ高齢の女性は日傘を差して
     もなお、つらそうな表情をしていた▼〈見苦しや残る暑さの久しき
     は〉高浜虚子。だらだらと続く残暑を呪っている語気が感じられる
     ―と手元の歳時記が解説しているが、今年の残暑も本当に呪いたく
     なる▼昨日、東京都心や名古屋は35度以上の猛暑日になった。過去
     、最も遅い猛暑日は東京が1942年9月12日、名古屋が昨年と今
     年の9 月16 日でいずれもこれを更新したという▼三重のナガシマ
     スパーランドのジャンボ海水プールは、昨年より1週間延ばし9月
     30日まで営業すると2日前の朝刊で読んだ。確かにまだ泳げる。長
     野のリンゴは暑さで色づきが芳しくない品種があるという。残暑の
     農作物への影響は他にもまだ出てくるかもしれない。次の連休ごろ
     には暑さも落ち着くとの予報だが、何とも心配である▼虚子はこん
     な句も残している。〈一夜明けて忽ち秋の扇かな〉。秋扇とは、秋
     になって使われなくなった扇のことと辞書にあった。一夜で涼しく
     なり扇が不要になる日が待ち遠しい。





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Last updated  2024.09.19 04:58:38
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