タバコは糖尿病には厳禁です
タバコ吸う人は、心筋梗塞などの虚血性心疾患による死亡率が、
吸わない人の何と2倍.そして,その原因の3割~4割が,喫
煙によるものとされているという統計があります。
心疾患の多くは心臓付近の血管に血栓という血の塊ができて
しまい,それが血液を通せんぼして,心臓に血液が流れなくな
ることによって起きてしまいます。
もしこれが,脳の中で起きると脳こうそくを引き起こします。
元々糖尿病というのは,血液の流れが悪くなる病気です。
血糖値の高い(糖分の多い)血液は,かなりドロドロしていて
,ただでさえ血管の中で流れにくい状態なのです。
普通の水はコップを傾けると,勢いよく流れていきます。で
も砂糖がたっぷり入った砂糖水は流れ落ちるのに時間がかかり
ます。血糖値が高いというのは,血液中の糖分が多いというこ
とですから,砂糖水のように当然流れが悪くなります。
タバコを吸うと、元々流れにくい血液が、さらに,ドロドロ度
が増し,血液が一層流れにくくなってしまいます。
タバコの一酸化炭素は,酸素の200倍以上の強い力で,ヘモ
グロビンと結合してしまいます。
つまり,一酸化炭素は,酸素がヘモグロビンと結合するのを邪
魔してしまうのです。
そして,酸素の代わりに,一酸化炭素が体中を巡ってしまう事
になる訳です。
体中の細胞は酸素が欲しいのに,一酸化炭素が運ばれてしまいます
から,細胞は酸欠状態に陥ります。
そうすると体は異変を察知して,酸素と結合させるために,も
っと多くの赤血球を作り出します。そうすると当然血液中の赤
血球の量が増えますが,血液中の成分バランスが崩れ,いわゆ
るドロドロした血液になり,これが流れにくい血液となり,そ
して血栓(血の塊)ができやすい状態になってしまいます。
でも,タバコを吸い続けると,せっかく新たに作り出した赤血
球も,酸素ではなくまた一酸化炭素と結合されてしまうので,
また体は多く赤血球を作り出し……さらにドロドロに,と悪循
環に陥ってしまいます。
それで,タバコは血液中の赤血球の量を増やし,それが心筋こ
うそくや脳こうそくなどの合併症の原因になります。
ニコチンは,実は血小板をベタつかせるという作用があるので
す。血小板とは,血液の成分の一部ですが,元々互いにくっつ
きやすいという性質があるのに加えて,ニコチンにより,さら
に粘着度が増し,結合力も増してしまいます。
小さな血小板が,1個くっつき,倍の大きさになり,もう1個く
っついて3倍になりと,どんどんどんどん結合していくと,大き
な血栓(血の塊)になり,それが血液の流れを止めて通せんぼ
してしまいます。
そして,心筋こうそくや脳こうそくなどの,重大な合併症につな
がっていきます。
◎ タバコを吸うと,肺にニコチンが取り込まれます。
◎ ニコチンは交感神経を刺激し,筋肉を収縮させます。
血管の周りは,実は筋肉で出来ていますので,血管の筋肉
が,ニコチンによって収縮してしまいます。
血管の周りの筋肉が収縮すると,血管が細くなってしまい
ます。血管が細くなると,当然血液が流れにくくなります。
小さな血栓(血の塊)でも血管の中で引っ掛かりやすくなり,
血液を堰止めしてしまいます
タバコは,血液そのものにも,そして,血管にも悪影響を与え
て血液の流れを悪くし,合併症を引き起こします。
1)タバコは赤血球の量を増やし,ドロドロ血液を引き起こし,
血液の流れを悪くさせる。
2)タバコのニコチンは,血小板を粘着させ,血液をドロドロ
にして,血液の流れを悪くさせる。
3)タバコのニコチンは筋肉を収縮させ,血管を細くし,血液
の流れを悪くさせる。
タバコがいかに血液の流れを悪くし,合併症の要因となっている
かが,よく分かります。
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