ちゅわん日記

ちゅわん日記

メニエール病


普通は20代以降の女性がかかる病気だと言われた。
精神的なストレスからくることが多いらしい。
めまい、耳鳴り、難聴の症状が出た。
今はひどい発作は起こらなくなったけど、難聴と耳鳴りは治らない。
原因は今思い出すと本当にささいなことだけど、当時の私には大問題だった。本当に、本当に、病気になるほどのこともない、小さなことだったのに。

その時の担任の先生が、とても厳しい人だった。
ある日、「なくしたら2度と渡さないよ」と言いながら、なわとびのチェックカードを配った。
なわとびの飛び方の項目が表になっていて、できたらチェックしてもらうものだった。
体育の時間にちょっとの間、朝礼台の上にカードを置いておいたら、戻ってきた時には私のカードが無くなっていた。たぶん風に飛ばされたか、誰かが間違えて持って行ったんだと思うけど、私はその時先生に言えなかった。
次の体育の時間はちょうど風邪をひいたので、見学。
「次の時間はどうしよう・・・」
次の体育のある日の朝、何となく気持ちが悪くなった。
母に言うと、体育を見学するように、連絡帳に書いてくれた。
次の体育の日、また気持ちが悪くなった。
母はずる休みをしたがってると思ったのか、「そんなこと言ってないで早く行きなさい!」と怒られた。
学校に行っても気持ち悪かったので、保健室へ。
そんなことが何度も続いた。
気持ちの悪さもだんだんひどくなっていって、横になっていても、目をつぶるとぐるぐるまわって、どこかにひきずりこまれるような感じで、泣きたくなった。

そんなとき、ふと左耳でイヤホンをして音楽を聴こうとしたら、聞こえない。そのまま右耳にイヤホンをすると、普通に聞こえる。
母に伝えると、心配して耳鼻科につれていってくれた。
検査をするとやっぱり難聴。
原因がわからないので、大学病院に紹介された。
大学病院での診断は「メニエール病」。
難聴はもう治らない、と聞いて、母は泣いていた。

ストレスが原因と言われて、母から「何かあったの?」と尋ねられた。
なわとびのカードのことを話すと、すぐに担任の先生のところに話しに行ってくれた。
担任の先生は「そのくらいのこと、言ってくれればよかったのに」と泣いていたらしい。本当に、ただ少し厳しいだけで、とても良い先生だったんだろうな。当時の私には「こわい」としかうつっていなかったけど。

その後は発作もだんだんおさまり、疲れがたまった時に出るくらいになった。

人によって、ストレスの感じ方は違うし、大人から見たらささいなことも、子どもにとっては病気になるくらいの一大事になるかもしれない。
逆に、今何かに悩んでいても、後で考えるとたいしたことじゃないかもしれない。
そう思って、これからは乗り越えていかなきゃ。



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