今日、何読んだ?

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2021.09.19
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カテゴリ: 江戸川乱歩

双生児【電子書籍】[ 江戸川乱歩 ]

​​​ 江戸川乱歩作品集

 私は映画も小説も好きだ。
 映画と小説の関係は観てから読むか読んでから観るかという課題に悩む。
 そしてこのことは映画が上か原作が上かという命題に至る。
 すなわちこの映画と小説の微妙な関係を味わうことも実に面白いことなのだ。
 私が今まで映画が勝ったと思うのは野村芳太郎監督の砂の器だ。
 この作品は松本清張の原作に明らかに勝ったのだ。​
夕顔絵夢二郎の江戸ハブ日記 210803 メビウスの悪女 赤い部屋 ​ に書いた、メビウスの悪女 赤い部屋、の原案なのだ。
 それじゃあどっちの勝ち?と問われればまだ原作が勝ち!と答えるだろう。
 この映画vs小説の闘いで映画側のずるいところは本作を原作とせず原案とクレジットしているところなのだ!
 だからどっちが勝ちよという問には至れないとも言えよう。
 しかしながら私の永年の命題である観てから読むか読んでから観るか映画が上か原作が上かに関して言えば、そういう映画側のずるさからして本戦は原作の勝ちとしたい。
 なぜなら原作の最も大事なところは指紋であり乱歩がネガチヴと謳う部分なのだ。
 すなわちここは本作が短編ながら推理小説の肝というべき核心をついた小説だからなのだ。
 さて推理小説において双生児というのは実に素晴らしいアイテムで、いくらでもヴァリエーションを作ることができるのだ。
 で、本作、先の映画、そして古畑任三郎の同様の話を比べたらどうなるのかということになる。
 そう実は、​ 夕顔絵夢二郎の江戸ハブ日記 200501 古畑任三郎FINAL ラスト・ダンス ​でも双生児ものが描かれている。
 おそらく三谷幸喜はこの双生児を読んだことがあったのではないのか。
 それはともかく原作の指紋のネガチヴ話は映画に描かれていない分乱歩のミステリーは深化しており、なるほど原案とせざるを得なかったんだろうなと思わざるを得ない。





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最終更新日  2021.12.20 13:40:52
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