みなさま、お久しぶりです。今日は 樫木祐人 さんの『 ハクメイとミコチ(1) 』(エンターブレイン、2013年1月)を紹介したいと思います。
(左奥がミコチ、右手前がハクメイです。)
この漫画は、私が珍しく毎号購入している雑誌(書籍扱いですが)『 fellows!(volume 26(2012) 』(エンターブレイン、2012年12月)に連載されている作品です。『 fellows! は 森薫 さんの『 乙嫁語り 』や 笠井スイ さんの『 ジゼル・アラン 』など、質の高いマンガを連載している雑誌です。これまでは隔月発行でしたが、今年から、年10回の発行となり雑誌名も『 ハルタ(1) 』に新しく変わって、心機一転して発売されます。このため、 私は月刊アニメ雑誌の購読を1つやめることになりました(>0<)
話がずれてしまったので、元に戻します。この漫画の主人公は、 ハクメイ と ミコチ という2人の女の子の小人です。彼らの身長はわずか9cm。とても小さいですね。そんな2人は、森の奥の木の洞を利用して作った家に住んでいます。そして時々、仕事や買い物のため、街に出かけたりします。
で、主人公の紹介ですが、まずは ハクメイ から。最初見た時は、一瞬男の子?と思ったほど活動的な子です。 ミコチ と暮らす前は、宿無し生活をしてたと言っていて、 第4話 の『 星空とポンカン 』で収れん火災(水を入れたガラスの容器や、ビー玉などが、レンズとなっておこる火災)で家が粉みじん( ハクメイ が知り合いからもらった黒色火薬に引火したため)に吹き飛んだ時、修理のために外泊することになった際、手際よくポンカンの木の下に柿の葉で作ったテントを作り、食事のためのかまどを作ったりするなど野宿の手際の良い、アウトドア派です。仕事は修理屋さんで、 第5話 『 仕事の日 』では、風車の修理をしています。その他にも、刃物研ぎなどもしているそうです。体を使う肉体派さんでもあります。
次に、 ミコチ の紹介をしますね。これはどこにでもいる普通の女の子です。家では料理などの家事を担当しているようです。街に住んでいたことがあるようで、 第6話 の『 舟歌の市場 』では、港町アラビで手際よく買い物をしていますし、荷物を預かってくれる常連の喫茶店兼呑み屋さんを知っているなど、本当の街娘みたいです。この第6話では、 ミコチ が買い物の途中に財布を落として、街の中を探すことになるのですが、街の住人、小人さんだけではなくて、タヌキや猫、トカゲにスズメ、カエルに猿などから「ミコっちゃん」と呼ばれたり、財布を落としたことを知った市場の人たちから干物や佃煮、漬け物等々をプレゼントされるような人気者のようです。また昔、洋裁のアルバイトをしていたので布に詳しく、とくに貴重な「ヒロムタ綿」で作った生地には目がなく、触っただけで綿と麻の配合がわかるぐらいの目利きでもあります。また、市場の飲食店から漬け用の醤油の味や粕汁の出汁、なめろうの味見を頼まれるぐらいに味覚が鋭いようです。
ちょっと ミコチ の紹介が長くなりそうなので、段落を変えます。その ミコチ の普段の仕事は、味覚の鋭さと料理の腕などを生かして保存食や日用品を作ることです。 第7話 の「 仕事の日2 」では、そのエピソードが綴られています。 第2話 「 ふたりの歌姫 」で山間の街マキナタの収穫祭で、歌姫として一緒に歌を歌った吟遊詩人の コンジェ が、新築祝いに ミコチ の家にやって来ます。そこで、 ミコチ がジャガ谷の麓にある夢品(むじな)商店に先ほど述べた保存食や日用品を卸していることを コンジェ に告げます。 コンジェ はそのお店のリピーターであると言って、 ミコチ が出す黒豆クッキー( コンジェ の大好物)や、自分が新築祝いに持ってきたお茶が ミコチ の作ったものだと知って驚きます。そして、 コンジェ はなぜか安心します。なぜかというと、 ハクメイ と ミコチ が大食らいのくせに、働いているように見えなかったからです。このことを言うと、 ミコチ は コンジェ の頬を思いっきりつかんで引っ張っています。
そんな小人の2人が織り成す普通の日々を、2人以外の様々な登場人物、吟遊詩人の コンジェ や研究者の セン 、イタチの 鰯谷 (いわしだに) 親方 、 喫茶店兼呑み屋のマスター 、 呑み屋・吞戸屋の姉妹 が出てきてにぎやかにお話が進みます。あと、この漫画で面白いのは、先に述べた鳥や動物の他に昆虫も小人や動物たちと混ざって一緒になって働いている点です。例えば、ゴライアスオオツノハナムグリ(体長100mmを超える世界一思い昆虫)は個人輸送業をやっていたり、その同業者には小型輸送ひとり旅用のカブトムシなどがいたり、バッタが新聞配達をしていたりと、 中々面白い世界観で描かれています 。
そのような世界観と登場人物の細かな設定が魅力的なこの漫画 。とくに ミコチ の説明が長くなった原因の、出てくる食べ物が美味しそうに描かれている点も見どころの一つ。また、先にも出てきた動物や虫が意外とリアルに描かれていることも評価が高くなるところです。 まあ説明しようとすると、書いてきたようにいろいろ書けますが、読まないとこの漫画の何とも言えない良さは、分からないと思います。 また、これは『 fellowes! 』 の作家さんの一部に言えることですが、絵が程よく細かく描き込まれ、これがお話に厚みを持たせています。 絵の描き方も、びっしり描き込まれた背景なのですが、適度に空間があって息苦しくないのも良いです 。 日常系やほのぼの系、癒し系等のマンガが好きなら、間違い無く購入して大丈夫な作品だと思います 。某ネット系本屋さんのレビューを見ると 森薫 さんの『 乙嫁語り(5) 』に挟んであった試し読みチラシを読んで購入した方が多いようですが 先にも色々書いた通り、購入して損をしない1冊です 。 ぜひ樫木さんの描く、この世界観にどっぷりはまって楽しんでみてください。『死神を食べた少女』のお話 2013年02月21日 コメント(2)
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