俺とユーロとC.D.と・・・(何

試作品



陽気に、元気に外を遊んでいられた小学一年生の頃。
私と心菜は、大の親友として一緒に遊んでいた。
勿論互いの地域からの評価は非常に高いモノを受けており、
隠れてはいたが地域の密かなる「本当の仲良し」と言われていた。

勿論、私はそんな事なんか全く気にしていなかった。
常に礼儀を守り、毎日会う先生にはきっちりと挨拶し
どんな日でも、私は心菜がいる限り、決して学校を休もうとはしなかった。
たとえそれが台風や大雪であっても。
但し、私の想いはある一つの時期を区切りに、少しずつ変化を迎えようともしていた。
それは、『友情』からの一つのステップアップであったのかもしれない・・・

ある冬の日。
時刻は、既に午後二時を迎えようとしていた。

『ひ~お~り~ちゃ~んっ♪』

何ともいえないビートを刻みながらノックする心菜の姿。
当時、私は非常に高熱の身が続いており、学校にすぐ行けるような状態では無かった。
そう、俗に言う「インフルエンザ」というモノであろう。

私も心菜もその症状の重さを実感しており、子供でありながら、毎日毎日雨の日も
雪の日も私の家にお見舞いに来てくれた。
そんな心菜の優しさに私は素直に感激し、
来る度に私は喜んで心菜を迎え入れた。

『はいはい、今開けるねーっ・・・』
静かながらに母の声が聞こえた。私は、どんな日にでもやってきてくれる
心菜の顔を見る事で、「今度こそ・・・」と立ち直る決心を何度も繰り返すのであった。

しかし、一向に熱が下がる気配は無い・・・

「おじゃましまーす」との声をかけた直後に2階の私の部屋までやってくる心菜。
勿論、私自身がそれを拒む必要性なんてないし、ただ、ちょっと大人げなかったかな?なんて今では考えたりもする。

『ひおりちゃん、だいじょーぶ?
たくさんおやすみしてるから、わたしもしんぱいになっちゃった・・・。
わたしがいっつもそばにいなくても、きっとよくなるよね・・・?』

心菜は既に涙ぐみそうになっていた。私なりに良い答えを考えてはみたけど、当時の私の頭からは、そのような優良な判断さえも下す事が出来なかった。

『・・・だいじょうぶだよ、きっと。
ただ、おねつがだいぶたかくなってきて・・・まださがらないの・・・。』

私も涙ぐみそうになってしまった。悲しんでいる心菜を見るのは、私にとっても悲しいモノがある。
でも、振り切れない私の涙は、次第に溢れ始めて来た・・・。
いつになっても、この「びょーき」が治らないのかもしれない・・・
当時そう考えていた私は、怖くなって心菜に抱きついた。

『こわいよぉ・・・こわいよぉ・・・!
わたし、どうしたらこのおねつ、さがるかなぁ・・・・』

私はもう心菜の顔も外で見られる事なく死んでしまうのかと考えると、
怖くて怖くて仕方が無かった。私はあまりにも強い恐怖感のあまり、
布団に包まってしまった。

・・・しかし、心菜はそんな私に、涙をぽつぽつと落としながらもこう答えた。

『だいじょーぶだよ。
こわくなったら・・・わたしがついてるから・・・ね?』

私はその一言が嬉しかった。
そして、私は今になってもその一言を決して忘れてはいない。
互いに怖がり、お互いの身体を不安に思っては、自らの身に降り注ぐ
災難を予測しては、ただただ怖がるばかりであった。
私は即座に布団を跳ね除け、ただ優しく慰めてくれた心菜を見続けていた。


次の瞬間、私の全てが変わるような感触に襲われた。


『ちゅー・・・』


なんと私のまん前にいた心菜が、私の頬にキスをしたのだ。
当時の私には、その感触に、今までに無い『温もり』を覚えた。

『まほうのちゅーっ、だよ。
もしこわくなったら、わたしがきたときに
わたしがしてあげるから・・・ね?』

・・・愛情と友情の二つが組み合わさったかのような甘く柔らかい感触を
私は覚えた。そして、心菜の頬にもそっとキスをしてやった。


『ちゅー・・・』


『・・・これで、もうこわくないよね?
おねつ、きっとさがって、またそとであそべるよね?』

『うん。きっとだいじょうぶ。
だから、しんなもこわくなったら、まほうのちゅー、しよ?』


『ひおり・・・』


二人はひしと抱き合った。全てにおいて、私の予想を上回る程の
強烈な愛情表現ではあったものの、確かにあの時の私は、あのキスが
無かった限り、いつまでも内気になっていた事は間違い無いだろう。


ありがとう、心菜・・・




That's思いつき。インフルではないかといわれている自分と
ロリと*☆チョコ☆*さんの小説からの引用モノ。
あまり面白味は無いっすよ。パパーッと書いたブツですし^^;
しかも勝手に母さん登場させてるあたりが妙だな僕・・・orz
まあ、あまり気にしないで下さいな。
あくまで試作品ですから(何

2006年4月19日 密かながらに製作


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