バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

PR

Profile

快筆紳士

快筆紳士

Calendar

Archives

2025/11
2025/10
2025/09
2025/08
2025/07
2025/06
2025/05
2025/04
2025/03
2025/02
2005/10/28
XML
カテゴリ: 音楽

 はじめて足を運んださいたまスーパーアリーナ。なかなか観客導線を意識した作りで、歩道も広めで、観客の数に比して混雑感はありません(行きも帰りも)。
 そして駅に隣接した会場へと続くこの歩道を埋めるのは、開演が待ちきれずに上気した顔で興奮気味に、連れの友人知人や家族と話すファンたち。しかも、元気なのは40代前後と思しき年代の方々。仕事帰りのスーツ姿の男性、上から下までロッカーな永遠の音楽小僧、親娘二代で参加したお姐様、とまぁその皆さんの格好いいこと。
 QUEENというテーマを介して、老若男女あらゆる世代が垣根なく家族のごとく再会したような雰囲気。そう、家族の集いですよ。
 開演ギリギリに入場した私と弟。開演前のトイレだけは“家族というよりライバル”のごとき争奪戦!?
 やがて照明が落ちると、いきなりエミネムの“Lose Yourself”が!!え???まさかエミネムが前座に登場・・・な訳ないワケですが。「QUEENはiTunesにも参加してるぜ、メディア・コンシャスだぜ」的な意気込みか???
 エミネムなのに、もう会場はお預けを喰らった観客の待ちきれない&はち切れそうなテンションで息苦しい程。
 一曲肩ならしで幕がストーンっと落ちると、“Tie Your Mother Down”が!!で、気になっていたポール・ロジャーズがイイんですよ。歌はもちろん巧いし、一声で観客を引っ張り込む“華”を持ってる。そこからは一気に三時間近く、まったく緩むことなく駆け抜けます(これだけ大物で、しかも小遣い稼ぎ系じゃなく、アンコールまで入れて3時間近いパフォーマンスするなんて、やっぱりファンを大事にしてるなぁ、QUEENは・・・プリンスなんか、一時間こっきりで消えましたからね。そこがまた殿下らしいんですけど。あ、女王様と殿下だ!!)。
 途中は、やはりQUEEN+Paul Rodgersと銘打っている以上、入れ替わり立ち替わり的展開もあり。でも、一つの舞台を取り合ったりしてるカンジが全くなく、完璧に棲み分けていると同時に、不思議な程マッチしているのが印象的。ポールって昔からQUEENと組んでたっけ?と思うくらい。

 ロジャー・テイラーも、ルックスこそ激変しましたけど、この人歌巧いですね。驚きました。フレディ・マーキュリー欠席の分は、俺がカバーするぜ的な頑張りを感じました。その高めのキーでやや掠れる声などは、ポールよりもフレディに似ていて、あぁ、メンバーの絆はこういうところで出るんだろうなぁ、と納得。
 その欠席のフレディも、映像で二曲参加。“手をとりあって”(70年代の来日時の映像。皆若い!!そして、時の流れの残酷さに自身を重ねて感傷的になる・・・)と“Bohemian Rhapsody”
。このライヴのいいところはまた、故人の映像のオンパレードで水増ししたり、余計にウェットにしないところ。これは、QUEENからポールへの敬意の表れでもあるし、またそんな細工をしなくてもQUEENを再びこの世に降臨/再現できるという自信のなせる業でしょう。
 ポール。ポール。ポール・・・イイじゃないですか!!尾崎紀世彦っぽい風貌に、過剰なまでに鍛え上げたムキムキボディ(前はもっとぽっちゃりしてたじゃないか!!)。フレディを意識したステージアクションに、ピタピタの革パンにタンクトップ!!本気だぜこのオヤジ!!
 先述の通り華があるんですよ。昔からイギリスのロック歌手って、アメリカの人より、ストレートにR&B的唱法をするんですよ(アメリカ人って、好きなくせに「俺はソウルはやならない」なんて言う人もいますもんね、結構。御大達はそんな器量の小さいことは言いませんけど)。で、バッド・カンパニーなポールももちろんそのクチで、コブシ回しはかなりお達者。伸びもいいですしね。声質は、中音域~低音域のレンジがフレディに酷似しているようで、“Crazy Little Thing Called Love”なんか「フレディ復活~っ」ってなイキオイ。ただハイトーンは、地声がフレディに比べて太いポールは苦しそうで、彼流のアレンジで聴かせてくれました。ポール・ロジャースってヤンチャなイメージでしたけど、やっぱりQUEENファンのことをよくわかっているのでしょうか、公演を通じて随所で滲ませるフレディに対する敬意の払い方も愛嬌と節度があって、それも絵になるんですよね(もちろん、“ポール・タイム”でのQUEENのサポートも格好いい)。
 色気と男気の人ですね、この人は。ポール・ロジャースは一連のQUEENとのツアーで男を上げたのでは?このプレッシャーの中で、QUEENと共存共栄してしまったワケですから。しかも、はじめは「?」だったファンもかなりポールを評価しているんですから。
 ただ、私はポールについては、テンプテーションズのデニス・エドワーズと同じような印象を受けました。デイヴィッド・ラフィンという大天才がワガママでグループを抜け出した後、コントゥアーズから引っ張り出されてテンプテーションズに加入したデニスは、自身も華があり実力もある一級のスター。そしてテンプテーションズ加入後も“Papa Was A Rolling Stone”など、ノーマン・ホウィットフィールド作曲のサイケ・ナンバーでヒットを連発し、70年代モータウンに新しい可能性を準備した功労者。
 しかしやっぱりファンは、いくらデニスが頑張っても、そしていくらデニスのことを愛していても、デイヴィッドの衝撃を忘れられない。聖書なら、先に来る者は後に来るものの栄光を準備しますが、コッチは逆。実際デニス・エドワーズは、ワイルドな風貌&唱法とは裏腹に、とても謙虚な人で、脱退後人気の落ちたデイヴィッドがテンプテーションズのライヴに顔を出すと、ステージの裾から「さぁ、あなたも歌って下さい」と声をかけて偉大な先輩を立てたそうです。そんなエピソードが頭を駆け巡るポールのオーラ。
 フレディは妖しい仄かな華。だからこそ、時に光よりもまぶしい強烈な輝きを放つ・・・。光と翳のコントラストが強ければ強いほど、フレディの華はより艶やかになる。一方ポールは、燦々と降り注ぐ太陽のような華。大将で、エースで四番。どちらの華を好むか。どちらの華がよりQUEENと合うか。それを問うことはナンセンスでしょうね。
 ライヴ最大の盛り上がりは、アンコールから“I Was Born to Love You”(しかもブライアン&ロジャーの弾き語りアコースティック・ヴァージョン)、そして“We Will Rock You”、“We Are the Champions(この時のポールは最高!!)”、“God Save The Queen”の黄金リレー。そりゃズルいよ、これで鳥肌立たないはずがないよなぁ・・・。お約束通り、感激。ファン、総立ち&手拍子。そこは、ライヴ会場じゃない。まるで、剣闘士を待つコロシアムのごとし!!
 高校時代、ロック好きの友人に、「クイーンズ・ライチ知ってる?」と聞かれて「あぁ、クイーンでしょ?」なんて答えちゃってたほどロック知らずな私のQUEENデビューは大学一年でした。はじめて聴いた“Don't Stop Me Now”に痺れたその足で、即ライヴ盤を購入したのがきっかけ。その後は、ブラック・ミュージックに造詣の深かったフレディや、そのフレディをリスペクトする孤高のソウルマン、ジョージ・マイケルの音楽性、あるいは、PVで静かに激しくフレディが舞うロバート・デ・ニーロ主演の映画『ナイト・アンド・ザ・シティ』の主題歌がプラターズのカヴァー“Great Pretender”で、オリジナルを遥かに超える数少ない名カヴァーとして聴きまくった、など間接的な文脈の中でしか接することのなかったQUEEN。


DVDで余韻に浸ろうっと!!

<10/26発売>DVD クイーン+ポール・ロジャースリターン・オブ・ザ・チャンピオンズ
<10/26発売>DVD クイーン+ポール・ロジャースリターン・オブ・ザ・チャンピオンズ

CDはコチラ。

<初回盤+送料無料>クイーン+ポール・ロジャース CD【リターン・オブ・ザ・チャンピオンズ...
<初回盤+送料無料>クイーン+ポール・ロジャース CD【リターン・オブ・ザ・チャンピオンズ...

QUEENとは関係ないけれど、今なら1000円以下でジミヘンの伝記映画が!!

“今だけ2枚で¥1990キャンペーン” 炎のギタリスト ジミ・ヘンドリックス
“今だけ2枚で¥1990キャンペーン” 炎のギタリスト ジミ・ヘンドリックス





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005/10/29 12:45:27 AM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Comments

プラダ バッグ@ gpzqtt@gmail.com 匿名なのに、私には誰だか分かる・・・(^_…
バーバリーブルーレーベル@ uqafrzt@gmail.com お世話になります。とても良い記事ですね…
バーバリー マフラー アウトレット@ maercjodi@gmail.com はじめまして。突然のコメント。失礼しま…

Favorite Blog

ハムスターの革人形… New! 革人形の夢工房さん

新・さすらいのもの… さすらいのもの書きさん
価格・商品・性能比較 MOMO0623さん
抱きしめて 愛の姫.さん
天使と悪魔 ♡ り ん ご♡さん

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: