バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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テーマ: お勧めの本(7886)
カテゴリ: 嘘評
志茂大蔵『ラクーン・ハンターJ』(ムード書房)

 「この世にはタヌキが多すぎる」。それが口癖のラクーン・ハンターJは、代々狩猟を稼業としてきた血筋。そのJが幼き日、静かだった彼らの村に、金の亡者達が土地開発を持ちかけ、ブルドーザーで辺りを一掃してしまう。仕事を失った家族は酒に溺れたり、開発に伴う自己でこの世を去った。狸や土地との連鎖も失われた。
 独り、途方に暮れる少年Jの前に、やはり、住処と家族を失った狸一族の長の魂が現れる。「少年よ、わしに代わって、“この世のタヌキ”を成敗するのじゃ。わしの力をそなたにあげよう」。一条のまばゆい光が、少年が祖父からもらった形見のお守りに乗り移る。「さぁ、行くのじゃ。ラクーン・ハンターJよ!!」
 以来Jは、声なき弱者を“この世のタヌキ”から守るため、欲望の渦に立ち向かう。 「動いても無駄だ。オレの照準に入ってらぁ」。この言葉を聞いたが最後、金の亡者、人を騙して苦しめる者、小知恵で困らせるタヌキどもは、Jのライフルから放たれるポンポコ弾によって、狸汁にされてしまう。
 この世のタヌキの狸汁を平らげて一言、 「この世にはタヌキが多すぎる」。そうしてまたJは、楊枝をくわえていずこへともなくアテのない旅に出かける。(了)





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Last updated  2007/06/16 01:40:01 AM
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