光の御子☆のホームページ

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第一章 2

第一章――1日目――



2 幼なじみ登場!? GO TO SCHOOL

先に食べ終えたおれは、まだ食べている彩紗を待っていた。
「……」
おれたちの家族構成に、現在、親はいなかった。
いや、いるんだけども。
いる、いない、で訊かれると返答に困るような状態だった。
簡単に言えば、両親はふたりとも海外へと行っている、で終わる。
もう少し詳しく言えば、これが決まったのは、ちょうど夏休みに入る、
ほんの少し前だった。

急に、父が海外赴任になったという話をおれたちは聞いた。
父は、おれに「一緒に来るか」「ここに残るのか」ということを訊いてきた。
おれは、そのとき迷わず「ここに残る」を選択した。
だって、この町はおれが文字通り、生まれ育った町だ。
今までに仲の良くなった友達もたくさんいる。
だから、たとえそれが2、3年のことだといっても、離れることは憚られた。
父は、おれが「ここに残る」と言うと、「そうか」とだけ言ってくれた。
父は、彩紗にも同じことを訊いた。
彩紗は、「お兄ちゃんが残るなら、私も残る」と答えた。
父は、「そうだな」と、にっこりと頷いた。
そして、僅かにおれのほうを見て、ニヤリと微笑んでいたのをおれは見逃さなかった。
…何か引っ掛かるんだけど……まぁ、いいか。
かくして、おれたちは残ることとなった。
母は父と一緒に行くことに決めたようだったから、残るのはおれたち二人だけだ。
そうして、向こう―アメリカとは言っていたけど―準備が始まり……
学校が夏休みに入った頃、父と母は揃って出発した。
そのときに交わした約束は、「無茶はしない」「学校はサボらない」
大きなことはこれくらいだった。
(小さいのは、まあ、いろいろとあるけども)
あとは、定期的に連絡を入れてくれるとのことだった。

それ以来、おれたち二人だけの生活は続いている。
何というか……(奇妙なこった)。
彩紗が食べ終えると、おれは食器を洗い出す。
その間に彩紗は、用意をし、迎えに来た友達と一緒に出て行く。
おれは、いつも通りに、玄関まで見送りに出る。
「んじゃ、いってらっしゃい」
「うんっ、いってきまーす」
それとほぼ入れ替わりに……、
「おっはよーっ!」
「……」
何ともまぁ、ハイテンションなヤツがやって来た。
「今日も朝から元気してるーっ?」
まあ、それなりには。
「ご飯はもう食べたぁ?」
食べたさ。
「ん? ん? 何時起き?」
いつも通りさ。
「なぁ、今何時ぃー?」
7:30。
「今日は、早かったっしょ?」
いや、これもいつも通りだな。
「ねぇー、何か話そうよぉ~…。ボクばっかり喋ってるじゃん!」
それはおれが相槌打つ間も与えない、お前のトークに原因があることに他ならない。
これを『必殺! マシンガントーク!!』と名付けよう。
いい名前だろ?
「へぇ~んだぃ! “そーくん”がその気なら、もういいもぉ~ん!」
「はぁ…まぁ待て。まだ時間はあるから」
あ、声出た。
「やっと喋ってくれた…」
さらに嬉しそうに、目をキラキラさせてくる、ちっこい少女。
「そだね。時間はあるある♪ さて、お邪魔しま~す!」
と言うが早いか、ととと、と中へと駆けて来る、ちみっこい少女。
で、玄関にいるおれの横をすり抜けて、中へ。
その後ろ姿を何気なく眺める。
「あー……」
ありゃ、カバンが走ってるな。
毎度のことながら、そうとしか思えん。
少女は居間まで行くと、ストッとソファに腰掛ける。
おれは、引き続き朝食の後片付けを始める。
そういえば、洗いながら思い出したことが。
「あ……」
弁当作れんかった…。
ま、いいけど。
おれは洗い物を終えると、カバンの中身を確認(中身は学校だけど)して、
準備完了。
いざ、行かん! 我が戦場へ!!
「…うし。んじゃ、行くぞー」
「うんっ!」
そして、おれたち二人は外へ出た――。

ところで、紹介し遅れた。
この、おれと一緒にチョコチョコついて来てるのが、
幼なじみの牧井 このみ(まきい このみ)。
さっきから何度も言っている通り、とにかく小さい。
身長は、150cm以下。確認してないけど、間違いない。
本人曰く、ちょっとずつ伸びてるらしいけど……。
そんな気配はあまりない。
幼稚園の頃から知っているけど、背がおれとあまり変わらなかったのは、
小学三年生ぐらいまでだ。
以降は、おれの方が大きい。…というか、高い。
だから、傍からは奇妙な二人に見えるだろうけど、最近はおれも周りも慣れてしまっていた。
一時は、『兄妹』とか思われていたこともあったぐらいだ。

おれは、幼なじみ―このみ―を後ろに従えつつ、自転車(愛機)を取り出す。
そして、スタンドを上げて、おれは自身の愛機に飛び乗る。
「準備はいいか?」
おれは後ろを見ずに問う。
「いつでもいいよっ」
このみは、既に後ろに乗(載?)っていた。
「しっかり掴まっとけよ?」
「大丈夫。心配御無用♪」
「おっしゃっ! じゃ、行くぜー!!」
掛け声だけは一人前に、おれは後ろにちっこい幼なじみを乗せて、
ペダルを漕ぎ出した――。

続く


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