The Sixth Sense。 ~徳姫(*^.^*)珍道中~  弐

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2006.10.21
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テーマ: 宇宙の話題(325)
カテゴリ: カテゴリ未分類
こんにちは。


昨年の12月2日の日記でご紹介しました、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打上げましたX線天文衛星「すざく」についての最新記事をご紹介します。


まず、巨大ブラックホールは、ほとんどの銀河の中心にある、太陽の数100万倍から数10億倍もの質量が太陽系ほどの大きさにつめこまれたもので、「すざく」にとって最も重要な観測対象の一つだそうです。そして、これまでにない精度で銀河の中心に潜む超巨大ブラックホールのまわりの時空のゆがみを示すと考えられるデータを「鉄輝線」と呼ばれるX線を通じて得たそうです。


また、「すざく」がとらえた観測データの時々刻々の変化は、ブラックホールの強い重力でX線の進路が曲げられることで説明されることがわかったそうで、これらのデータにモデルをあてはめることで、ブラックホールの高速回転の速度、物質がブラックホールへ吸い込まれていく角度が測定できたとのことです。




今回、「すざく」を使って研究を行った二つの国際共同チームは、サンフランシスコで行われている米国天文学会 高エネルギ-天文学部会の中で、発表しました。


最初に、英国ケンブリッジ大学のアンドリュー・ファビアン(Andrew Fabian)教授らの国際共同チームは、MCG-6-30-15と呼ばれる銀河の中心にあるブラックホールが、まわりの時空を引きずりながら高速で回転していることを確認したとのことです。また、ブラックホールの近くで発せられたX線が、ブラックホールの重力を逃れようとしながらも、ブラックホールまわりの円盤の中へと重力によって進路が曲げられている証拠があったとしています。このように進路が曲げられることはアインシュタインの一般相対性理論が予言していましたが、過去の観測ではその気配を見ることすら難しかったそうですが、「すざく」によって、それを示す観測結果が得られたということです。


一方、リーブズ博士らの国際共同チームは、MCG-5-23-16と呼ばれる銀河で、ブラックホールへ物質を落とし込んでいる円盤(降着円盤と呼ばれています)が私たちから見て45度の角度を向いていることを明らかにしました。このような精密な観測はこれまでは不可能だったそうです。そして、リーブズ博士は「幅の広い鉄輝線はブラックホールのごく近くにある物質やエネルギーを見に行くための近道です。極端に強い重力を調べることだけが、アインシュタインの理論に欠陥があるかどうかを知る方法なのです。」と話しているとのことです。


「すざく」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって2005年に打ち上げられた日本の5番めのX線天文衛星です。今回の「すざく」によるデータで、ブラックホールの凄まじい重力の強さが明瞭に観測されました。データの解析に用いられた手法は将来のX線天文衛星による観測にも応用が期待されるそうです。


今後の「すざく」の活躍に益々期待ですね♪(^o^)/



すざく1
「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」と「提供:NASA」
すざくによる観測で得られた「幅の広い鉄輝線」。左下がMCG-5-23-16 (ポンプ座の方向、距離1億2千万光年のところにある銀河)、右下がMCG-6-30-15 (ケンタウルス座の方向、距離1億1千万光年のところにある銀河)。上図はブラックホールの回転によって円盤の様子と観測される鉄輝線の広がりがどのように変わるかを示した模式図。



すざく2
「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」と「提供:NASA」
円盤の内側と外側の輝線の幅の違い。円盤の外側で放射された鉄輝線は幅が狭いのに対して、円盤の内側、ブラックホールの近くで放射された鉄輝線は裾を引いた、幅の広い輝線になります。



すざく3
「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」と「提供:NASA」
銀河の中心にひそむ巨大ブラックホールからのX線放射の例。1キロ電子ボルト以下から数百電子ボルト以上まで特徴的なX線が放射されます。すざくはこれらのすべてをとらえるために必要な性能を備えた唯一のX線天文衛星です。





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Last updated  2006.10.22 01:19:21


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