江戸東京ぶらり旅

江戸東京ぶらり旅

武士のアルバイト

江戸の公務員のバイト


確か,公務員法では国家,地方とも公務員のアルバイトは禁止されていますよね。例え時間外であっても,職務に専念するということが果たせない。それで全身全霊,国民に奉仕できるように,時間外にバイトをすることは禁じられている。また,だからこそ時間外勤務についてもかなり厳しく制限されていると,どこかで聞いたのですが。でも,実態はそうではなく,安い給料で長時間勤務の公務員もいますね。公務員が全部だめなわけではありません。実に真面目で優秀な公務員だってたくさんいるってわけですよ。

江戸時代のことですよ,戦のない平和な時代が長く続くと,武士なんて堕落するばかり。江戸城で勤務なんていうのは一つのプライドにはなるけれど,給料は安い上にいつまでたっても上がらない。三日に一度の休みがあるのはラッキーだけど,学問や武術などに精を出す意欲はなし。そんなことしたって何の役にも立たない。それではどうしよう。

勝海舟のお父さん,小吉さんも下級の国家公務員,御家人でしたが,お給料だけでは食っていけない。それで街中で刀売りのバイトをしたのですね。それから歌舞伎にも登場する片岡直次郎さんという人は北青山あたりで「春慶塗り」を始めました。木曽ヒノキを使った器などに,透き漆(すきうるし)で琥珀色に塗り上げ,天然の木目の美しさをそのまま生かした塗り物の技法です。同じように傘張り(青山傘),提灯づくり,新宿の百人町1~4丁目あたりではツツジの栽培も行われましたね。このツツジの多くは日比谷公園に移植されたとか。現在の恐れ入谷の鬼子母神の朝顔市,これももともとは御家人が始めたものらしいですよ。知恵をしぼれば,案外後生にも良い影響を与える文化の創出ができるものですね。まあ,暇でバイトもできる世の中だったからよかったですね。



北青山から始まった「春慶塗り」はこれ!





「江戸東京情報館@話題の宝庫」のトップページに戻る




© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: