江戸東京ぶらり旅

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江戸の稲荷社とキツネ

東京の稲荷神社


 赤坂見附駅を降りて羊羹の「とらや本店」に向かいます。道路のちょうど向かい側,ここに豊川稲荷がありますね。伏見稲荷を元祖とするこの「○○稲荷」,よく気をつけて歩くと,稲荷社は本当にたくさんありますよ。江戸時代には武家屋敷にも一つは必ずあったというのですから,江戸で6000を下らない数。

=赤坂見附の豊川稲荷=

豊川稲荷


 江戸時代,あの 田沼意次 さん,将軍の身辺の雑用係でしたが,どんどん出世して老中,つまり将軍の下の地位,首相に相当する地位まで登り詰めた人ですね。彼の庭先に稲荷社を祀ってあった,とのうわさが広がって,全国あちこちで流行ったのですね。「稲荷社を祀れば,出世するぞ」,と。

 それで,稲荷とは・・・五穀をつかさどる倉稲魂神(うかのみたまのかみ)を祀った神社で,もともとは農業の神様ですね。そのうちに,なぜだかキツネを稲荷社の使いとする俗信が広がってしまったのですよ。 稲荷神社とキツネが切っても切れない関係 になってしまったのですね。それで,キツネの好物が油揚げだという,誰がいつそうでたらめを言い始めたのか。これもいつの間にか本当のことになってしまって,だから「 キツネうどん 」は油揚げの乗ったうどんのことを言いますよね。つまり稲荷とは油揚げのこと。また,酢飯を油揚げにつつんだのは「 稲荷寿司 」とか「 お稲荷 」といいますね。きつね色だからそう言うわけではなかったのです。





稲荷社を分類すると三通りになります。
(1)土地の神様として祀られた稲荷です
 王子稲荷(王子駅の近く,狐の嫁入りで有名な),妻恋稲荷(湯島聖堂の裏手にありますね),烏森稲荷(新橋駅の西側にありますね,昔烏森駅があった)

(2)今すぐに御利益がある稲荷
お岩稲荷(四谷にありますね,商売繁盛の効果ありとのこと,歌舞伎など演劇関係の人も大勢行きますよ),お玉稲荷(岩本町にありますね,近くには千葉周作の玄武館跡もありますよ)

(3)幸運を招き病気がなおることを祈る稲荷です
 出世稲荷,延命稲荷,宝禄稲荷などです。これならあちこちにありそうですね。

 皆さんも,ちょっと散歩がてらに見かけるお稲荷さん,どんなことに御利益があるのか,そんな目でながめてみてはいかがでしょう。

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