江戸東京ぶらり旅

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江戸の病気予防

江戸時代の病気


 流行病,今なら何が怖いでしょうかね。SARS,鳥インフルエンザでしょうかね。それに,この冬流行のノロウイルスも入れていいかな。

 江戸時代は原因も,治療法もわからない,それで恐怖がますます増幅する。疫病の中でも恐れられたのは「 疱瘡 (天然痘)」「 麻疹 (はしか)」「 水疱瘡 (水痘)」ですね。これらは一度かかってしまえば,体内に免疫ができるので,二度目以降は非常に軽く,本人もかかったかどうか分からない。そうは言っても,当時は死亡率も高い。だから怖い病気だったのですね。

 さらに コレラ が江戸の末期に流行しましたね。これに感染すると,三日以内に確実に死んでしまうので(現代なら確実に死ぬのは狂犬病でしょうか),「 三日コロリ 」と呼ばれましたね。コレラ菌は長崎に上陸,江戸でも大流行,どんどん広がり函館にまで拡大。江戸では数十万人が罹患し,死者が十万人,怖いですね。

 とにかく原因が分からない。 疫病の神 がいて,この神が病気をもたらす,と思うしかない。だからこの神の怒りを鎮め,とりつかれないようにお祈りし,食事にも気をつける,こんな手段が病気の予防策だったのですよ。

 はしか予防には,ある漢字三文字を書いて壁に貼っておく。こうすると,はしかにかかっても軽く済む。では,怖いコレラはどうしたのでしょうか。それは,患者の枕元で唐辛子を煙らせる,するとコレラが退散するというのです。

 はしかやコレラなどにかかったときの食事療法ですが,食べていいものは,百合の根,水飴,黒豆,小豆,アワビ(ラッキーですね),甘藷,ニンジン,インゲン,キンカンなど。でも駄目な物は梅,酒(これは悲しい),卵,蕎麦,スイカ,蒲焼きなど。また「麻疹養生伝」というものには,はしかのときに食べていいものは,焼き塩,かんぴょう,干し大根など。どんなルールがあるのでしょうね。

 タラヨウの葉,麦の穂,キンカン,柊(ひいらぎ)の葉のどれか一つを門口につるしておけば,はしかの侵入を防げると信じていた時代。疱瘡を予防するには,牛の天然痘を利用した種痘,昔いやでしたね,腕にざくっとやられていつまでもじくじくして,何のためにするの,ってか感じでしましたが。ジェンナーによる種痘の方法で免疫をつけ,本当の病気にならないようにする方法は,もう江戸時代には開発されていたのですが,日本人は信じない。 疱瘡神 というのがいて,この悪い神が疱瘡を起こすと考えていたから,種痘の方法を広めるために,牛の上に人が乗って,疱瘡神を退治する様子を描いた絵を広告に使ったのですね。














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