江戸東京ぶらり旅

江戸東京ぶらり旅

桃の節句

桃の節句にちなみ,「桃」の話



 三月三日は「桃の節句」とも言いますね。三月は桃の花が咲く時期だからなのでしょうか。でもどうして梅だって同じ頃咲くのに,「梅の節句」とは言わないのでしょう。

 桃の字は「木」と「兆」の字の組合せでできていますね。この「兆」ですが,これは割れ目を表しています。

  かてつの中国,亀の甲や獣の骨に占いの文字を彫り込んで,それで火であぶる。すると熱によって,その文字のところからひび割れができる。この割れ方によって吉凶を占ったのですね。茶柱が立つなんていうのよりずっと手が込んでいますね。それでこのひび割れの形を表したのが「兆」なのですよ。



 桃の節句を祝う雛人形なら →  【こちらです】


 「兆」は未来を予知する占いの形,だから「兆候」「前兆」なんていう風に使うのですよ。風邪の兆候(兆しですね),地震の前兆(前触れですね)・・・現代だってあれこれ使いますよね。だから「桃」は「未来を予見する木」ということになりますね。未来を予見し,そして災い・邪気を取り除く魔除けの木。ものすごい大きな期待がかけられた木なのですよ。それで梅太郎や栗太郎,柿太郎などではなくて,悪い鬼を退治するのは「桃太郎」でなくてはいけないのです。




 我が家にも桃の木がありましたが,たくさんの花をつけ,多くは受粉して小さな実になります。そのまま放っておくと,小さなモモがたくさんできます。栄養分がすべての実に行ってしまうからですね。それで摘果(てきか)するのです。もったいないと思いながらも9割以上の実をもぎとって捨てる。良さそうな実を残して,これだけを大きく育てるのですね。ところが,この実に入る虫がいて,果実からヤニのようなものが出てきます。こうなるともう終わり。そして桃の葉,これが病気になりやすくて,ちょうどやけどをしたような水ぶくれ状態になるのです。そして葉は落ちてしまう。袋かけと消毒は必須ですよ。桃はこのようにたくさん実をつける,「兆」はだから「たくさん」という意味もありますね。それで「憶」の単位の上が「兆」ですね。こんなにお金があったらいいですね。残念ですが,今の我が家には桃の木も,お金もありません。


=果樹としての桃の木なら →  【こちらです】



「江戸東京情報館@話題の宝庫」のトップページに戻る



© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: