江戸東京ぶらり旅

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三途の川と閻魔大王



 初七日を過ぎ,死者の魂が次の王のもとに判断を仰ぐために送られる途中にあるのが三途の川。川幅は何と576km。こんな広い川は地上にはありませんね。ではここをどのように渡るかという問題ですが・・・


 浅瀬を比較的楽に渡るという方法,毒蛇のいる深い部分を鉄棒で追い立てられながら渡る方法,そして金銀珊瑚で装飾された豪華な橋をにこにこ顔で渡る方法の三通りがあります。この川には三つの渡しがあるので,三途の川と呼ばれるのです。この川に何と渡し舟が出現し,舟賃は6文。それで死者の棺の中には6文銭を入れるしきたりが生まれました。これを入れ忘れると,無銭乗車になるので,三途の川も渡ることができなくなりますね。


 それで,三途の川を無事渡ったところ,次に待ちかまえているのが奪衣婆(だつえば)という名前の鬼。いやですね。死者の衣服をはぎ取って,特別の木の上にいる爺さんに渡し,この爺さんは衣服をその木の枝に引っかける。枝はしなり,そのしなり具合で死者の生前の罪の程度を測るのです。この結果は当然,審判を下すべき立場にある王に報告されます。でもここで決定的な判決は下らない。死者の魂は三途の川を渡っても,さらにさまよい続けます。じれったいったらありゃしない。


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 「嘘をつくと閻魔(えんま)さんに舌を抜かれますよ。」なんて親から言われたことありませんか? でもね,平気,平気。閻魔さんなんて実はそれ程の実力はないのですよ。


 死者は7日ごとに,あの世への旅の途中で,いろいろな王から審判を下されそうになるのですが,これがなかなか王たちにも決心がつかない。結論は次々と先送り。それぞれの王は責任をとりたくないのでしょうか。

 死後7×5,つまり35日目,ようやく死者の魂は閻魔大王のもとへ。地獄の主神だけあって彼の王宮は地下7200kmにあるそうで,でも地球の半径が6400kmですから地球の中心を遥かに超えたあちら側になりますが。それに王宮の下から86万4000kmまでが地獄だというのですから,科学を越えた超自然,まさに「想像」以上の「創造」の世界。


 彼には男神と女神の家来がいて,誰でも生まれたとき左肩には男神が,右肩には女神がとりつきます。まあ,男女のスパイですがね,男神はあなたの善行を,女神はあなたの悪行を閻魔大王に報告します。いや,これじゃ悪いことできませんね。防犯カメラを背負わされているのですからね。あなたの生きている間の一切の行為を報告した報告書を「閻魔帳」と言います。この閻魔帳をもとに,閻魔大王は死者を裁くわけですね。これに比べると,教師の持つ閻魔帳なんてたいしたことありませんね。


 光明王院で行われる閻魔大王の審判,ダビンチの最後の審判にも匹敵する審判ですが,閻魔帳がすべて読み上げられ,さらに死後に行われた追善供養の様子まで鏡(スクリーン)に映し出されるのです。追善供養なんて残された遺族の,つまり生きている人のやることですから,亡くなった本人の善悪とは全く関係ない,どうしてこんなことまでカウントするのか,疑問ですね。こんなシステム,お寺の収入を増やすための策略としか思えませんよ。35日目の供養は,死者が天国に行けるか,地獄に落ちるかの最大の危機なのですが,現代ではこの供養はパス。ということは,閻魔大王も最終決定権はないということ。だからみなさん安心しましょう。閻魔大王なんて評判ほど実力がないのです。ここでは次の7×6=42日目の審判まで結論が先送りされます。本当にじれったいですね。


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