江戸東京ぶらり旅

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新宿のお寺

新宿御苑の内藤さん



 新宿二丁目に 太宗寺 (たいそうじ)というお寺があります。「内藤新宿」で名の知れた内藤家のお墓のあるお寺です。境内右手には大きなお地蔵さんが,江戸六地蔵の一つで,夏目漱石さんは小さい頃このお地蔵さんに登って遊んだそうですよ。その様子が『道草』の中にありますね。

 『路を隔てた真ん向ふには大きな唐金の仏様があった。其仏様は胡坐をかいて蓮台の上に坐ってゐた。太い錫杖を担いでゐた。それから頭に笠を被っていた。
 健三は時々薄暗い土間へ下りて,そこからすぐ向う側の石段を下りるために馬の通る往来を横切った。彼はこうしてよく仏様へよじ上った。着物の襞へ足を掛けたり,錫杖の柄へ捉まったりして,後から肩に手が届くか,又は笠に自分の頭が触れると,其先はもうどうする事も出来ずにまた下りて来た。』

江戸東京を歩く宿場 甲州街道七十二景普及版 江戸の宿場町新宿



 また新宿一丁目北交差点近くの 成覚寺 (じょうかくじ)には内藤新宿の遊郭で疲れ果て亡くなった遊女が投げ込まれたところで「投げ込み寺」とも呼ばれています。境内には「子供合埋碑」(遊女の共葬墓地),心中した遊女と客や宿場内で不慮の死を遂げた者を供養する「旭地蔵」,内藤新宿には悲しい裏の一面もあるのです。

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