江戸東京ぶらり旅

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西郷隆盛銅像<上野>

東郷像2.JPG


 上野公園の西郷隆盛さん,草履を履き,単衣の着物に兵児帯を締めて小柄な犬を連れています。あの高村光雲さんの作だそうですが,犬は後藤貞作さんの作。

 西郷隆盛さんが勝海舟さんの頼みを聞かなかったら,江戸は戦火につつまれ100万人の財産と人命のかなりが失われたかも知れません。血を流すことなく江戸城は新政府に明け渡されたのです。幕府が滅び,明治になって藩はなくなり県が置かれ(廃藩置県),徴兵制度をつくり,身分制度をなし等々,現在の日本の基礎が築かれたのですが,これも西郷さんのおかげですね。西南戦争で敵側にまわり,亡くなりましたが,後に彼の偉大な功績を称えて銅像が立てられたのです。除幕式には総理大臣の山県有朋,あの勝海舟,大山巌,東郷平八郎,榎本武揚など800名が参加,盛大に行われたそうです。このとき奥さんが「うちのひとはこんな顔じゃなか」と仰ったそうですね。山縣有朋さんは祝辞で「・・・君の度量,心の広さは,天空しく海広く,君の姿山高く水長し,嗚呼誠に禁ずべき哉・・・」と最高の賛辞。

 この銅像ですが,右手は猟犬のヒモを持っています。そして左手は短刀の鞘を押さえていますね。何をしているのでしょう? この犬は実は猟犬。ウサギを追う姿なのです。最初は陸軍大将,つまり軍服姿にしようと考えられたのですが,それでいいのか? そうしている内に延び延びになり,最終的には西郷さんが常日頃好む山野で狩りをする姿にしようと決まったのです。大きさも最初は現在の4mの4分の1程度の案。寄付者が25000人余り,工事費25950円,残金は慈善事業に寄付されました。


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