江戸東京ぶらり旅

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最長の商店街<戸越銀座>

「○×銀座商店街」発祥の地

 東京にも「谷中銀座」とか「十条銀座」という名前の商店街がたくさんあります。全国となると,といっても関東から東北にかけてですが(関東以西にはあるのでしょうか?),300箇所あまり,いや450箇所もあるという説もあります。それでこの中の直線距離で一番長い,全長1.6kmの商店街が 戸越銀座商店街 です。

戸越銀座.JPG



 JR山手線の五反田駅,ここは東急池上線の始発駅でもあります。池上線に乗り,動いたかなを思うと次は大崎広小路駅,そして次が戸越銀座駅です。ここで降りましょう。この「戸越銀座商店街」は実は3つの商店街がつながってできています。戸越銀座商栄会商店街振興組合,戸越銀座商店街振興組合,戸越銀座銀六商店街振興組合の3つです。この「銀座」はもちろん中央区の銀座のことです。かつて銀貨の鋳造を行っていたので銀座と呼ばれるのですが,それではなぜ,戸越銀座が「銀座」と名乗ったのでしょう。お金の鋳造とは全く関係ありません。

 その前にですが,「 戸越 」とは「 江戸を越えたあちらの村 」という意味です。日本橋から見てのことですが,御殿山の東,品川区の八つ山橋あたりまでが江戸府内(警察権の及ぶ場所)でした。ですからその南にある品川宿は府内から多少はずれます。そして,その西にある戸越も,将軍が鷹狩りをしてその帰りに寄った,目黒のサンマのずっと南に位置するのですから江戸の外,静かな田園地帯で「 トゴエ 」と呼ばれていたようです。

 戸越八幡神社の石碑には
  「江戸越えて 清水の上の成就庵 ねがいの糸のとけぬ日はなし」とあります。

 それで,「銀座」という名称についてです。北品川には明治時代の初めにできた品川白煉瓦製造所がありました(現在本社は千代田区,工場の多くは岡山県)。ここで製造された煉瓦は銀座のガス灯用のガス発生炉用耐火煉瓦として使われたりしたのですが,関東大震災が起こった際,被害を受けたレンガを戸越の人々が譲り受け,水はけの悪かった戸越の大通りの舗装に再利用したのです。こうした縁があって,日本で最初に「銀座」の名をここで使わせてもらうということになったのですね。



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