江戸東京ぶらり旅

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小津安二郎<深川>

映画監督・小津安二郎のこと



 地下鉄門前仲町駅で降りて富岡八幡宮,深川不動尊でお参りしたあと,ちょっと足を伸ばしてほしい場所がここ。門前仲町駅前の永代通りを茅場町(隅田川)方面へ歩いていくとすぐ,清澄通りと交差します。この清澄通りの左側歩道を北へ少しだけ歩くと,黒澤明などと並んで国際的に評価の高い映画監督, 小津 (おづ) 安二郎 さんの生家跡があります。

小津安二郎.JPG


 小津さんが監督をした作品を一部紹介すると(全部で54作ある),
長屋紳士録(1947),風の中の牝鶏(1948),晩春(1949),宗方姉妹(1950),麦秋(1951),お茶漬の味(1952),東京物語(1953),早春(1956),東京暮色(1957),彼岸花(1958),浮草(1959),お早よう(1959),秋日和(1960),小早川家の秋(1961),秋刀魚の味(1962)

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 1903年,深川で生まれましたが,父親の家督争いのために,安二郎が9歳のとき三重県松阪へ転居。ここで育ちました。高校生のときは授業をさぼって映画館通い,おかげで寄宿舎を追い出されるしまつ。その後大学を受験するのですが,二度も失敗,小学校の代用教員となります。一年後の安二郎19歳のとき,父親を説得して東京へ出ました。そして叔父さんの力添えで松竹キネマ蒲田撮影所に撮影部助手として入社したのです。初監督は「懺悔の刃」,デヴューは1927年のことでした。

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 作品は小津独自のスタイル,都会に住む人間の偽善と孤独・・・低いカメラアングルと映画の撮影常識を覆す「切り返しショット」が特徴。「ちゃぶ台を囲む家族たち」はじめテレビのホームドラマの型を完成させた監督でもあります。

 1958年紫綬褒章受章,1959年芸術院賞受賞,1962年芸術院会員となりましたが,翌年の12月12日,満60歳の誕生日に亡くなりました。小津さんの死後,しばらくしてからフランスを中心に海外で彼の各品の国際的評価が高まりました。そして日本でも小津の再評価の機運が高まり,2003年,生誕100周年の記念プロジェクトが立ち上がり,日本各地で上映会等の記念イベントが催されました。

 日本はいつも芸術文化の振興で遅れをとっています。海外から評価されて初めて気付く。政治家も行政も,上に立つ人たちの教養と勇気のなさ,本当に悲しい国ですね。「美しい国」とはこうしたお金になりにくいけれど,永遠の価値,何事にも代え難い,心に響く業績が評価される国なのですよ。

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