江戸東京ぶらり旅

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御徒士とは<御徒町>

御徒町の御徒(おかち)って何


 山手線で上野駅の南隣が御徒町駅,その隣が秋葉原駅,そして神田駅,東京駅と続きますね。秋葉原駅を西へ総武線で行けば,次は御茶ノ水駅。分からない人は地図検索をしてみましょう。
 それで「御徒町」という呼び方ですが,最初はなかなか読めないかも知れませんね。「おかちまち」が正解ですが,では「御徒」って何でしょう。これを説明する前に,御茶ノ水の「御」は何を意味しているのでしょうかね。御徒にもついている「御」です。

=上野駅の次が御徒町駅,どちらからもアメ横に行ける=
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 実は「御」は幕府や将軍をさしています。だから御茶ノ水は「将軍に献上した名水,これで茶を入れるととても美味しいですよ」ということで御茶ノ水。かつては高林寺というお寺の境内で湧いていた水が名水とされたのですね。御茶ノ水は現在,駅名として残っていますね。私はここから明治大学前を通って坂を下り,神田の古本屋へ何度通ったことか。御茶ノ水の碑は駅を出て,通りの向こうの交番の端っこにひっそりと建っていますよ。誰も見向きもしませんけれど。



 それで御徒町ですが,このあたりには 御徒組屋敷 があったのです。だから御徒町という駅名として残ったのですが。「御」は御茶ノ水と同じく将軍のこと。 御徒(徒士) とは,江戸城や将軍の護衛を行う下級の武士のことを言うのですよ。このような役目を担った公務員が多く住んでいたところなのですね。

 現在でも政府要人には一見して分かる,目つきの悪いボディーガードが周囲についていて,要人を警護していますね。御徒士(おかち)も要するに将軍の直接のボディーガード,他の警備隊とは違って,外出時には片時も離れずに将軍を守るのです。

 特徴は黒羽織のスタイル,それで同じく黒羽織の将軍を守る。何事か物騒なことが起こると,将軍はこの御徒士の黒集団の中に紛れ込む。これでテロリストは誰が将軍なのか分からなくなる。そうこうしている間に賊は取り押さえられるという寸法。他の暇な公務員の旗本や御家人とは違って,いつも武術の腕を磨いていなければならない。あの戊辰戦争のラストステージ,函館で政府軍と戦った榎本武揚も御徒士の一人でした。







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