浅草サンバカーニバル
浅草サンバカーニバル公式ＨＰえっ，浅草のカーニバル？ ご存じないの，もう２７回にもなるんですよ？ どうして真夏にやるかって。いいこと聞くじゃねえか。浅草のサンバカーニバルは８月の最終土曜日におこなってきた夏の風物詩だからね。熱い中，ビキニ姿で踊り狂うのがいいんだよ。
今は９月だから，遅ればせながらといった感じだが，まあ聞いてくれ。
先々週の土曜日なんざ，カーニバルの参加者は馬道通りを南下して，神谷バーの交差点から左折，雷門の前を通過して国際通りまで練り歩いたのですがね，この見物客がなんと４９万５０００人。その一人が私でござんす。
暑かっただろって？ そりゃ参加者も見物客も３３℃の炎天下，水の入ったペットボトル持参じゃないととても，目も頭もくらくらして，待機している救急車で運ばれちまう。それでも，赤や緑，青などの大きな羽根のついた衣装，華やかなコスチュームでダンサーたちはサンバのリズムに合わせ，ボインとお尻を激しく左右に揺すりながら，歌いそして踊ったのでしたね。
えっ，カーニバルの意味が分かってないと？ そりゃ失礼ですよ。もともとはキリスト教社会の宗教行事，断食に入る前の馬鹿騒ぎ。でもな，ここは日本の浅草ですぞ。形だけはカーニバルだけど中身は宗教とは無縁。
それがどんな意味あるって？ 浅草っ子はな，江戸下町情緒を好むと同時に，新しい文化をどん欲に取り入れてきたという歴史と伝統があるのよ。日本で最初の映画館しかり，水族館にサーカス，遊園地などなど・・・サンバに合わせて歌って踊ってのサンバカーニバルを取り入れるなんて何の抵抗もない。浅草寺とカーニバル，このミスマッチが浅草ではお似合いなのさ。わんさと見物客も来るのだから浅草の活性化にはとても役立っているってわけよ。
誰がそんなこと考えたって？ それはな，当時の内山榮一台東区長と浅草喜劇俳優の伴淳三郎，浅草の新しいイメージをつくろうとブラジルのサンバカーニバルを浅草のお祭りとして取り入れようと提案。喜劇俳優らしい提案だよな。商店街もこれに賛同，浅草観光連盟も加わって輪が広がり，１９８１年に実現したってなわけよ。今では参加者は下町ばかりか全国から集まり，ブラジルからもわざわざこの日のためにやって来るのよ。驚きだろ。参加者は単なる参加じゃなくて，コンテストへの出場という意味もあるから，真剣そのものよ。暑いからってやめるわけにいかない。
えっ，来年は是非見学したいって？ じゃ，来年のカレンダーを見て予定をたてな。８月の最終土曜日だぜ。これが終わると，東京にも秋がひそかに訪れるのさ。まあ，夏の最後を飾る現代の江戸の祭りと言えるかな。じゃ，また来年な。
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 Rittor Music サンバダンスでフェ...
1,575 円 |
先日，浅草のサンバカーニバルのレポートをしたのですが。
えっ，ご覧になった。それで，カーニバルって本当は何かって？
それじゃご説明いたしましょう。でないと，浅草のサンバカーニバルも理解出来ないかもしれませんからね。
ラテン語でカルネとは「肉」のこと，バーレとは「絶つ」という意味だから「肉を絶つ」，carne vale（肉はだめよ），これがカーニバルの語源ですね。えっ，わからない？
カーニバルは四旬節という断食の前に，食って遊んでおおいに騒ぎましょう，というキリスト教の祭りなのです。だからカーニバルというお祭りはキリスト教世界に共通の行事で，決してブラジルのリオのカーニバルだけがカーニバルではないのですよ。馬鹿騒ぎをしたとしても，あれは宗教行事の一環なのです。
ご存じでしょうが，イエス・キリストが十字架にかけられた後に復活した日を祝うのが復活祭（イースター）。この前にキリスト教徒はキリストの死を象徴する断食，つまり肉食を絶つのですよ。キリストが４０日間の断食をして荒野をさまよったというので，これに合わせて４０日も断食するのですね。こんなに長い間断食するのだから，その前には思う存分楽しんでしまえ，という気持ち，宗教の有無に関係なく納得，ですね。
それで海外ではカーニバルは２月という寒い時期，なのにここ浅草では８月の熱い真っ盛り。ブラジルからも参加者があって，熱中症でぶっ倒れる危険を冒してのサンバカーニバル。それに浅草はキリスト教とは無縁。クリスマスと同じく，楽しいところだけいただき，という日本らしい行事ですね。
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